夏目漱石「道草」--漱石の自伝的小説

夏目漱石「道草」をオーディオブックで読了。

道草 (新潮文庫)

道草 (新潮文庫)

海外留学から帰って大学の教師になった主人公・健三は、長い時間をかけて完成する目的でいつ終わるとも知れない一大著作に取りかかっている。
その彼の前に、十五、六年前に縁が切れたはずの養父島田が現われ、金をせびる。
養父ばかりではなく、姉や兄、事業に失敗した妻お住の父までが、健三にまつわりつき、金銭問題で悩ませる。その上、夫婦はお互いを理解できずに暮している毎日を丹念に描いた作品だ。

主人公の設定は、海外留学、学者、妻との不和、体調の悪さ、、、など現実の漱石を思わせる。
漱石の細かい心理描写がよく書かれている。漱石の日常と心理状態を知る自伝として読むのがいいようだ。

次は「門」を聴きはじめた。

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名言の暦 6月9日

命日

  • ディケンズ1870:私は、時間厳守、整理整頓、勤勉の習慣なくして、また、一時に一つの事に専念するという決意なくしては、私のしてきたことを決して成し遂げられなかった。
  • 有島武郎1923:前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。行け。勇んで。小さき者よ。
  • 山下太郎1967:人間の価値は、困難のときわかるものである。

誕生日

  • 山田耕作1886:新しい芽を育てる。これが人間のいちばん美しいところ。
  • 田英夫1923:山が動いた。
  • 柳田邦男1936: