喉をやられた

喉をやられた。

声が出ないので、今日の授業は休講にしてもらった。初めてのことだ。

丸一日、ひたすら寝ることにした。

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「名言との対話」10月18日。長谷川摂子「子どもとの絵本の時間は人生のゴールデンタイム」

長谷川 摂子(はせがわ せつこ、1944年2月8日 - 2011年10月18日)は、日本児童文学者作家

東京外語大フランス科、東大大学院哲学科中退後、6年間の保育士としての活動、結婚、学習塾運営などの経験、4人の子どもを育てた経験、近所の子どもたちを相手に絵本を読む「おはなしくらぶ」、児童書の評論を頼まれ、その延長線上に『めっきらもっきらどおんどん』などの絵本を作ることになる。そして絵本論や昔話の再検証を行う世界に入っていく。1999年、『きつねにょうぼう』(再話)で第4回日本絵本賞大賞、2004年、『人形の旅立ち』で第19回坪田譲治文学賞、第14回椋鳩十児童文学賞、第34回赤い鳥文学賞を受賞した。

「保育園にはいろんな子がいるでしょう。絵本を読むことで、さまざま子がみんなひとつになって、ぎゅーっと集中するわけですから。集中してくると、子どもたちと私の間の空気が、ゼリーみたいに固まってくるんです。それはつまり、子どもと私とが一緒に本の世界にどっぷり入っているということ。その充実感は、集団読みの特色だと思います」。

『絵本が目をさますとき』の中での「アンパンマン」に関する考察が面白い。アンパンマンは物語の登場人物ではなく、キャラクターだ。こちら側に飛び込んでくる。自分に親しく笑いかけてくれる。感情移入できる。アンパンマンの膨大なキャラクターは、ウルトラマンと同じく一種の曼荼羅だ。多神教の宇宙図。まるまるなアンパンマンの顔。アンパンマンは、母音の繰り返しの中に、パパのパとママのマが入っているから気持ちがいいはず。しかし、物語絵本として見た場合「アンパンマン」は物語世界を全体として表現できていないとの批判をしている。

絵本を媒介に母親は愛情ある日常的な語りかけを子どもにする。歌も含め子どもも声を発する親密なコミュニケーションタイムだ。私の記憶でも物語絵本を母親に読んでもらうことが楽しみだった。同じ物語を何度も聴いた。音楽と同じく、何度も何度も聴くのは心地よいからだろう。

「今まさに子育て真っ最中という方は、そのゴールデンタイムを我が子とともに存分に味わえるんですから、うらやましいですよ。子育ては大変なこともありますが、絵本を楽しみながら、子どもとの毎日を大切に過ごしてくださいね」とインタビューで母親たちに励ましのメッセージを発している。長谷川摂子は、絵本という世界の開拓者だ。

絵本が目をさますとき (福音館の単行本)

絵本が目をさますとき (福音館の単行本)