図解塾⑦「日本文化2」ーー文楽。和服。カラオケ。琉球。アイヌ。 ファミコン。受験戦争。インスタントラーメン。鮨。粋。

図解塾⑦「日本文化2」を開催しました。2時間強。

文楽。和服。カラオケ。琉球アイヌ。 ファミコン。受験戦争。インスタントラーメン。鮨。粋。

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以下、終了後の感想から。

  • 本日もありがとうございました。皆さまの図がどんどんわかりやすくなり、頭に入ってくる量は増えました。大きな流れを取り入れると図を理解しやすい。読み手がストレスなく読めるということは、読み手に敬意を払う優しさだなと感じました。それぞれお忙しい中課題をこなしていく皆さまと戦友のような気持ちになっております(笑)また次回も楽しみにしております。ありがとうございました。
  • 今夜もありがとうございました。「日本を知る」の二回目。当たり前すぎて意識もしなかったこと(カップラーメン)。日本独自ではあっても、自分には縁がないと思っていたこと(和服)。日本人として知らなきゃいけないけど、声を大にして言う人の意見に違和感があって、距離を置いていたこと…(琉球アイヌ)。課題図書の「日本を知る105章」は、執筆者(章)によって表現が変わっているため、おそらく本屋で出会ったとしても、私はページをめくるだけで棚に戻している予感しかしません(苦笑)。異なる課題にそれぞれ取り組んで聴くことで、理解を深めることが出来ました。どんな理解が深まったか。各章に対する久恒先生の深い知識と、仮説を聴いていると、もしかしたら「日本のことをまだ全然知らないということを理解した」、というのが正しいかもしれません。自身の図解は、思いつく単語が溢れ出た結果技術が後回しになってしまいましたので、図形やフォントなどの技術を再度身につけたいと思います。(全集技術編も遅ればせながら届きましたので!)次回も、どうぞよろしくお願いいたします。
  • 本日もありがとうございました。いかに自分が日本のいろいろなことを知らなかったか、つくづく思い知りました。「日本を知る105章」のような本は、「読む」というより「目を通して」、「わかったつもり」になっていても結局何も残っていない、ということになりがちです。きちんと図解することによってよく理解でき「腑に落ちる」ことを体験しました。また、久恒先生の、筆者についてのコメントから派生する様々な人物の名前や業績、それを聞くことによって一気に知の世界が広がりました。図解にする時間もだんだん短縮されてきました。時間がかかると取りかかるまでのハードルが上がってしまうので、今後も大筋を見抜いて短時間でできるように心がけたいと思います。
  • 久恒先生、皆様、本日もありがとうございました。今回の課題はホントに苦しかったです。時代錯誤で否定ばかりの論調からどのようなストーリで作図するのか見えず大苦戦でした。一方、塾生の皆さまのプレゼンには更なる実力upが実感され、更に「知らなかった事」だらけだった為、ひたすらメモに追われた次第です。「インスタント…」の項で先生が話されていた「インスタントとは時間の創出」というコトバはものすごく腑に落ちる思いで非常に痛快でした。次回も新たな発見楽しみにしています。宜しくお願いします。
  • 久恒先生、みなさま、図解塾Ⅱ期第7回、今晩も有難うございました。また、お疲れ様でした。※宿題の件、、、すいません!でも、宿題あったほうが、やってる感あって、いいですよね。。。冷汗(^^;;;  回数を重ねて、なんだか、大学のゼミみたいな感じがしてきて、アットホーム感があるなーと、しみじみしております。また、年度初め等でお忙しい方々の再参加や新しい方の初登場なども楽しみにお待ちしております!第7回の感想です。・図解を使って語ること・プレゼンするパートのみなさんの熱量が上がってきた印象があります。図解によって、理解が深まることの効果・作用・影響の現れと感じます。・図解技術としては、ディテールから全体構図まで、みなさんの技法、表現を拝見することで、表現すること・構造化すること・関係性を考えることなどのヒントが散りばめられていると感じます(が、、、宿題やるときには、抜けちゃっていることが多い。。ので、反復しないとですが。)・前回、今回の日本文化はもともとの原稿が書かれた年代とのギャップも含め、図解により、これまで自分の関心が向かなかった領域やものごとへのアンテナが立つ、という久恒先生の言葉が、いかに的を得ているか、ということを実感します。図解は、記憶に残りやすいんだなということかと。記憶力の衰えは否めませんが、、それを補うためにも図解必須!苦笑・最後に、今回も各話題に対する、「ドラえもんポケット」か!!ばりな、久恒先生の怪人的博覧強記は、凄まじかったです。勉強になりました。・来週4/14は、課外授業「続ける技術」シリーズで、「最初の一冊、最後の一冊」です。誰もが本を一冊書くべきだ、ということで、従前、久恒先生が著名本著者の方3名と日経ホールで対談された際の議事録を基に、最初の一冊を書くハードルをクリアする秘訣を、共有してくださるそうです。GIRLS and BOYS, BE ZUKAIcious!
  • 本日もありがとうございました。日本文化、内容もさまざまで、2回目も楽しみました。特に、文楽、きちんと観た(聴いたですね)ことないので、興味を持ちました。機会があったら観たいと思いました。みなさんの図解は、迫力のあるものや楽しそうなものとはてながつまったもの、みなそれぞれなのが良いですね。文章を図解して、何を作者は言いたいのか、つながりなどが分かると嬉しいのを感じております。続けていけたらと思います。それにしても久恒先生の知識の多さに、毎回驚かされております。毎日のブログのたまものですね!素晴らしいです。また、次回もどうぞよろしくお願いいたします。
  • 今日もありがとうございました。図解をすると、漫然と読んでいた文章の道筋がくっきりと見えてくるような手ごたえがあります。また、日本文化についての先生の文章のチョイスが秀逸で、皆さんの図解を見るだけで、日本文化について詳しくなれる気がします。無学な私にはとてもよい道しるべです。フルで出られない日が多く申し訳ないのですが、毎回楽しみです。いつもありがとうございます。

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「名言との対話」4月7日。團伊久磨「「人はさまざまであって、さまざまである事こそ、人が人であり、世の中が世の中である所以なのだろう」

團 伊玖磨(だん いくま、1924年4月7日 - 2001年5月17日)は、日本の作曲家、エッセイスト。

祖父の團琢磨は三井合名会社理事長で男爵。男爵を引き継いだ父の團伊能の子。伊能は私は好きな箱園ハイランドホテルをつくった人だ。

東京音楽学校作曲部に入学。音楽学校に在籍のまま陸軍戸山学校軍楽隊に入隊した。軍楽隊ではバスドラムを担当し、芥川也寸志とともに編曲も担当した。1950年代にはイギリスに留学。

作曲家としてはオペラ、交響曲、歌曲などのいわゆるクラシック音楽のほか、童謡、映画音楽、放送音楽と幅広いジャンルの作曲を手がけた。「豊かな音楽で世界中を暖かくしたい」という願いを持っていた。

 クラシック音楽から童謡、映画音楽、校歌まで幅広いジャンルで今も親しまれる曲を残した作曲家。代表曲はオペラ『夕鶴』、童謡『ぞうさん』『おつかいありさん』『カタツムリ』『やぎさんゆうびん』、『ラジオ体操第二』など多数ある。また、皇太子だった明仁親王(令和時代における上皇陛下)の成婚を記念して『祝典行進曲』を作曲したことや1964年の東京オリンピックの開会式および閉会式に『祝典行進曲』を演奏したこ。。同じく昭和を代表する作曲家・山田耕筰に師事し生涯の師と仰いでいた。

エッセイ「パイプのけむり」は1964年に『アサヒグラフ』で連載を始め、2001年に同誌が休刊するまで連載を続けていた。最終回では「自分が死ぬのが先か雑誌が休刊するのが先か」どっちなのだろうと予想していたと書いている。そして雑誌休刊の翌年に死去する。

 『パイプのけむり』は、1974年から2001年までの36年間で、1842本の名随筆があり、刊行順に計27巻の単行本になっている。「続」「続々」「又」「又又」「まだ」「まだまだ」「も一つ」「なお」「なおなおあ」「重ねて」「重ね重ね」「なおかつ」「まあyたして」「さて」「ひねもす」「よもすがら」「明けても」「暮れても」「晴れても」「降っても」「さわやか」「じわじわ」「どっこい」「しっとり」「さよなら」という言葉が「パイプのけむり」についていて、ファンがついていることがわかる。パイプのけむり』『続パイプのけむり』は第19回読売文学賞(随筆・紀行)を受賞している。

そして、結果論ではあるが、その内容をあるテーマで編集すれば、たちどころに本ができあがるようになっている。「食」、「話」、「旅」、、、。私はたまたま「食」を読んだ。團伊久磨の博識とこだわりが日常の中に見えてくる名エッセイ集だ。毎回分量が少し違うが、4000字詰原稿用紙で7枚から15枚ほどの内容である。

楽家として、大きな仕事は八丈島にこもって仕事をする。その時は、鮭の中骨の水煮、燕スープ、銀杏の水煮、モランボンの特製参鶏湯の中缶、野田岩の鰻の蒲焼の冷凍パック、ラーム・チョップ用の子羊の骨付き肉の冷凍、泰国産の米、、、、などを選んで送るそうだ。

美食家の檀一雄と一緒に八丈島に住んだこともある。ちなみに「解説 ダン違いの團さんのこと」は、檀一雄の娘の檀ふみである。

食べない食べ物もあげている。鮨は好まない。殆ど蕎麦を食べない。味噌汁はほとんど飲まない。火の温度が残っているものを食べる。

食に関する蘊蓄が楽しい。外郎のいわれ。「食べ合わせ」では、魚の鮨に大蒜、鰻に銀杏、林檎と砂糖、蒟蒻と胡瓜、蕎麦と納豆、天婦羅と氷など意外な組み合わせについても指摘している。

以下の主張がある。「人間が美食を追求するために、動物に特殊飼育を施こす事に興味を持っている」「味覚は、本来、危険なものが口を経て体内に入ることを防ぐための大切なチェックが役目だったと思う」「西洋人の動物愛護精神というものは頭から信用していない」「旅人として訪ねる国の言葉が出来無いという事は、既にその事が向こうの人から見て、「無教養」であり、「落ち度」なのである」「江戸から明治・大正の味が本命であろう」「昼御飯のためにも、勝鬨のにオフィスを移して良かったと思う」「今流行の薄っぺらなグルメ人種などではない」

しかし、結局は「人はさまざまであって、さまざまである事こそ、人が人であり、世の中が世の中である所以なのだろう」と達観している。しかし食に対する覚悟と執着には恐れ入った。

仕事のスタイルについては、作曲中は一切の来信は読まないそうだ。八丈島に籠城するのも外界からの邪魔を避けるのだろう。オペラのオーケストラ総譜など大きな仕事が終わると「産後休暇」と称して一週間ほど頭と手を休める習慣がある。産休が一ヶ月以上だと、次に筆を執る時に気が重くなりすぎるし、勘も狂うと語っている点は参考になる。倦まずたゆまずライフワークに取り組んで行けという団伊久磨のメッセージを聴いた感じがする。

「作曲と文章」が生活の中心だが、それ以外で大切にしているのは、日本芸術院第三部部長職、神奈川県芸術文化財団の芸術総監督、日本中国文化交流協会会長、放送文化基金楊議員、東京動物園協会理事など。

蓄積の醍醐味を十便に堪能した。自分は自分と考えて、自分のテーマに沿って、いつまでも続けること、それが蓄積となっていくこと、いつか代表作となることがある。團伊久磨から学ぶべき教訓はそれだろう。

 

パイプのけむり選集 食 (小学館文庫)

パイプのけむり選集 食 (小学館文庫)

  • 作者:團 伊玖磨
  • 発売日: 2009/05/08
  • メディア: 文庫