「図解塾」は、「梅棹文明学」図解プロジェクトの最終回。
- 第13巻「地球時代に生きる」の総括講義。
- 「梅棹忠夫著作集」の全体構造講義:「知的生産の技術」と「知的生産」
- 「梅棹文明学」を構成する4つの巻の総括講義。ーーー第14巻「文明の情報史観」、第5巻「文明の生態史観」、第7巻「日本研究」(日本文明)、第13巻「地球時代を生きる」。
2年ほどかけて100数十枚の図解ができあがったが、それでも「梅棹忠夫著作集」全22巻の一部に過ぎない。肥沃な知的沃野がまだまだ残っている。「全集」「著作集」にまとまっていることの有難さを感じる。
以下、塾生の学び。
- 久恒先生、みなさま、本日もありがとうございました。今日は梅棹忠夫著作集の「第13巻地球時代に生きる」の総括をはじめ、この2年間に実施された同著作集の図解化プロジェクト全体の総括が行われました。久恒先生の手書きの図解や塾生がパワーポイント化した図解を順に振り返りながらの解説でしたので、懐かしかったです。全体総括を聞いて思ったのは、まず、梅棹先生の行動力の凄さを知り、これまで考えたこともないすばらしい発想に接する機会をもらえたことが奇跡だったなということでした。しかも、難解で膨大な著作集を私は全く読んでいないのに、久恒先生が作成された手書きの図解をPPT化しただけで概要を知ることができ、疑問点は久恒先生のさらなる解説で解消。また、図解が物事の全体像をどれほど的確に表すことができるか、その凄い力を実感できた贅沢な2年間だったと思いました。今回学んだことや体験したことを元に、これからも「図解を書くことで理解する」とか、「図解を使って伝える」ということを実践していきたいと思います。 来月以降は「日本とは何か」を表すプロジェクトが始まるとのこと。楽しみにしていますので、引き続きよろしくお願いいたします。
- 久恒先生、皆様、おつかれさまです。本日、図解塾。年度末の今回は『地球時代を生きる』の最終回、今迄のおさらいとして講義で使用された図メモを全員で再確認しました。①『国際交流と日本文明』:日本文名の良い点は「受信」の能力…高感度、低ノイズ、正確。一方弱点は「発信」の能力…ノイズ大で低出力。沈黙の貿易ではダメ。世界に向けて情報を強力に沢山発信し続けるべし…今後のあるべき姿。②『国際紛争の理解の為に』…ちょうど100年くらい前、帝国の時代が終わり「大紛争」の時代へ、民族国家が分裂し互いが自己主張を始めた。紛争解決には、宗教もイデオロギも、宗教も何の役にも立たない。ここはひとつ民族間で互いを理解し合うしかなく、地球規模での諸民族研究の推進が必要…現在のパレスチナ、ウクライナでの紛争は勿論、台湾海峡をはじめとする中国のアジア領海問題にも当てはまり、積年の人類の願いはいつ成就されるのか?③『もう一枚の文化地図#1&2』…日本の様なほぼ単一民族の国家は世界的に珍しく、多くは複数の民族で構成されている、殊にクルド族が少数民族を形成するユーラシア各国や、中東でのイスラム宗派間では絶え間ない紛争が後を絶たない。一方インドシナ半島(東南アジア)ではタイ/ベトナム両国が取り合いの歴史を重ねた。こういった知識を踏まえる事は単なる旅行のみならず、アジア諸国にまたがるビジネス展開において重要な意味を持つ。④『日本のなきどころ』およそ100年前の日本では20数民族の複合民族国家を形成の後、秩序崩壊という失敗の歴史がある。先述のとおりほぼ大和民族単一で成る日本では民族問題の免疫が無かった為で、現在も根気強い解決模索がもとめられている。⑤『国際交流の未来学・文明の全体像を伝える努力を』…シンクタンクの使命は国際交流における相手国研究に基づく平和戦略構築に在り、コミュニケーションや情報発信は今後益々必要。⑥『大阪万博』…1970年のテーマに「調和」が加わった、それ迄の発展一辺倒へのアンチテーゼで、健全な自浄作用だった。2025年万博では 世界の民族の祭典たる「万民博」の自覚が必要だが、主催側の認識やいかに…。簡単に振り返るだけでも膨大な情報量でしたが、「地理」「歴史」夫々の見地に基づいたスケールの大きい視座と的確な構成要素の関連定義は約50年を経過した現在でも矛盾することがない梅棹先生の所見の確かさと夫々の課題持つ世界観を1枚で明確に伝える久恒先生直伝の『図解』の凄さを改めて知る事が出来た事、加えてSNSはじめ情報サービスの発達著しい現在だからこそ猶更、民族間の相互理解の重要性を改めて実感できた事が今回の大きな収穫となりました。。次回4月10日からはいよいよ新シリーズ『図解Japan Project』が始動。「入れ墨」「床の間」「折衷」「落語」「盆」…誰もが 知っているつもり の日本独特の習慣・風俗を果たして我々はどれだけ ちゃんと 理解しているのか?いま迄の「地球規模」から一転、ドメスティックな世界へと新しい視点へ変わっていきますが、変わらず図解を通じて見識が広がり、深まる様子を想像しただけでワクワク致しました。次回も宜しくお願い致します、有難うございました。
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久恒先生、みなさま、本日は図解塾ありがとうございました。今日は前回までの梅棹忠夫著作集第13巻『地球時代に生きる』の総括と、これまで久恒先生の図解で読み解いてきた第5巻『比較文明学研究』、第14巻『情報と文明』、第7巻『日本研究』を総括する時間となりました。おさらいを通して感じたことは、「民族」単位で見た「社会と文化の総合体」=「文明」が、それぞれどのような違いがあり、千年単位の昔から近代、現代までどう変化してきたか、これからどうなって行きそうかという膨大なテーマを、梅棹先生の独自の視点で比較・俯瞰することができた貴重な機会だったと改めて思いました。生態学やフィールドワークからの視点で、学校で習った地理や歴史にはない見解がとても面白く、また大いに納得する場面がいくつもありました。これも、図解があってこそ理解が進み、伝わってくるものも多かったものと感じます。また、手書き図解をパワポにしていく過程では、図解のパターンが知らず知らずの内に身に付いていく感覚もあり、大変よかったと思いました。ありがとうございました。 来月からの図解塾は、新しく「ジャパン・プロジェクト」ということで、「日本とは何か」を図解していくプロジェクトに入っていくとのこと。大変楽しみです。引き続きよろしくお願い致します!
- 本日もありがとうございました。梅棹忠夫著作集シリーズの最終回ということで、感慨深いものがあります。特に「情報の文明学」では半世紀先を予言したような論考にただ驚くばかりで、知研セミナーで現代の高校教育改革に結び付けて話をしたり、「知的生産の技術」を読み直したくなって5回にわたる特別なセミナー「いま『知的生産の技術』をよみなおす」を開催させていただいたりしました。「文明の生態史観」や「日本研究」「地球時代に生きる」ではそれまでの見方や考え方ががらりと変わるようなことを毎回のように体験しました。今日の世界情勢を読み解く上でも大きく役立ったと思います。4月から始まる日本の文化や文明についてのシリーズ、楽しみにしていますし、自由課題を通して自分の日本を知る力が向上すると期待しています。
- 今夜もありがとうございました。これまでの総集編を見せていただき、脳が沸騰しました。図解の深さに驚き、すごい学びを皆さんが積み重ねられたのだとわかりました。考えろと言われても、意見を言えと言われても、知の蔵が空っぽでは、何も言えません。考えるための素材が必要です。私も少しづつ図解にチャレンジして、知の蔵を豊かにしていきたいです。文章はごまかせるというお話はイタタタと思いました。図解をしながら、考えるというのに取り掛かってみようと思います。今日の図解本が出たら、絶対買います!
- 3月の図解塾に参加させていただき、久恒先生、皆様ありがとうございました。本日は2年間のまとめであり、これからの地球時代における生き方の重要性を感じました。特に民族問題について考える必要性が浮かび上がりました。普段は地球規模で物事を考えることもなく、民族問題について深く考えたこともありませんでしたが、図解塾を通じてその重要性を理解しました。梅沢先生は、民族紛争の解決は容易ではなく、根気よく話し合いを重ねる必要があると述べられていることは、とても大切なことだと思いました。またインターネットや交通手段の発展により、世界が狭くなり、他国や地球規模で物事を考えることが求められているように思います。自国の歴史や世界観を把握することは難しいですが、梅沢先生の全集を読むことで理解が深まり、物事を考える基盤が整うと感じました。図解により理解が深まり、説明能力も向上すると期待しています。図解塾で多くのことを学び、皆さんとの意見交換は楽しい時間であり、心の財産になりました。次回の講座も楽しみにしています。ありがとうございました。
- 先生、みなさま、お疲れ様でございました。本日もみなさんのさまざまな近況から始まり、久恒先生の近況のお話。アクティブシニア革命。楽しみですね。梅棹文明学の総まとめ。図解のフラッシュバックでしたね。あらためてこんなにやってきたのだと、びっくりいたしました。本日たまった図解を整理しようと試みたのですが、断念。近いうちに全部をまとめたいと思います。分厚い、中身も分厚い図解集になりますね。でも、これがまだ一部とは。。。22巻はすごいです。棹先生は、動物学からはじまり、生物学、文化、文明、民族、あらゆることを学ばれて、俯瞰し、自分の考えとして述べられていて、それを久恒先生の図解で、全体像をみながら関係性をみながら学ぶことができて、良い経験をさせていただきました。ありがとうございました。4月からの日本の文化の図解。楽しみたいと思います。
新宿で橘川さんと昼食打ち合わせ。
カレーの「ガンジー」
夜はバーになる「DUG」でコーヒー。
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「名言との対話」3月27日。朝倉摂「芸術家の行為はレジスタンスです」
朝倉 摂(あさくら せつ、1922年7月16日 - 2014年3月27日)は、日本の舞台美術家・画家。父は彫刻家の朝倉文夫。妹は彫刻家の朝倉響子。享年91。
彫刻家の父・朝倉文夫の「他人の子を育てている自分が、自分の子供を育てられないことはあるまい」という考えから、学校へは一切通わず家庭教師より教育を受けた。朝倉文夫の作品に、二人の少女の有名な裸像があるが、それは娘二人をモデルにしたものである。まだまだ当時はモデルのなり手がなかったために朝倉文夫は娘を使ったのだ。
長女の摂は日本画の道に進み、1953年には上村松園賞を受賞するなど才能を開花するが、1960年代からは舞台美術に関心を持つようになる。歌舞伎、前衛演劇、オペラ、舞踊、映画など幅広い分野で活躍。大胆で新鮮な舞台で話題を提供した。
JAL時代、1980年代に広報の仕事をしていたとき、舞台装置を海外に運ぶ案件で接触したことがある。その当時には舞台美術の朝倉摂の名はよく知られていた。また小田急線の唐木田駅前で見かけた少女像は凜とした雰囲気がありなかなかいい。誰の作品かとみたら、作者は妹の彫刻家・朝倉響子だった。
朝倉摂によれば、 絵画や彫刻は時間と空間を平面や立体に閉じ込めて永遠の時間を描く芸術であり、演劇・映画・音楽は時間そのものを描こうとする。その空間を受け持つのが舞台美術だ。舞台美術家の仕事は、戯曲の持つ意味をビジュアルに観客に伝えるかを考えることである。だから舞台美術は「時間」に対して明確なコンセプトを持つ必要がある。
舞台美術のアイデアは、古典絵画、シュールレアリズムの絵、廃屋、などあらゆるものがヒントとなる。材質への徹底したこだわり。階段はタテに動くことができるので無限の広がりを示すことができる。こういうところに、朝倉の仕事への姿勢がみえる。
主な作品としては、蜷川幸雄演出秋元松代作「近松心中物語」、市川猿之助演出梅原猛作「ヤマトタケル」、蜷川幸雄演出唐十郎作「下町万年町物語」などがある。
絵画では、1950年:サロン・ド・プランタン賞。1953年:上村松園賞。1972年:講談社出版文化賞絵本賞。舞台美術では、1980年:テアトロ演劇賞。1982年:日本アカデミー賞優秀美術賞(『悪霊島』)。1986年:芸術祭賞(『にごり江』)。1987年:紫綬褒章。1989年:朝日賞。日本アカデミー賞優秀美術賞(『つる -鶴-』)。東京都民文化事業賞。1991年:紀伊國屋演劇賞(『薔薇の花束の秘密』ほか)。1995年:読売演劇大賞優秀スタッフ大賞(『オレアナ』ほか)。2006年には文化功労者となった。
2022年に開催された練馬区立美術館の「生誕100年 朝倉摂展」を訪問した。神奈川県立近代美術館葉山での企画展を見逃したので。朝倉摂は、日本画家から始まり、デザイン、挿絵、絵本、そして舞台美術にたどり着いた表現者だ。時代を駆け抜けた感のある人である。この企画展をみて改めてその膨大な足跡を堪能した。『朝倉摂の見つめた世界』(青玄舎)を購入。
若い頃から一貫して、「芸術家の行為はレジスタンスです」、「すべてに闘わないとだめ」といった姿勢を貫いた朝倉摂は、常に若々しいエネルギーに満ちた前衛の人であった。草分けとなった舞台美術という分野を創り上げた朝倉摂は、生涯現役で、生き物である劇場を喜ばせる仕事を天職としたのである。