立川の「PLAY! ミュージアム」で開催中の「みみをすますように 酒井駒子展」。
酒井 駒子(さかい こまこ、1966年 - )は、日本の絵本作家。東京芸術大学美術学部油絵科卒業。1998年『リコちゃんのおうち』でデビュー。
月刊MOE「酒井駒子」特集(2018年9月3日号)を買て読みました。
絵本・童話は20冊を超えている。
- 「ひそやかな時間」6冊。1999年の「よるくま」から、2014年の「まばたき」まで。
- 「子どものまなざし」6冊。1998年の「リコちゃんのおうち」から、2017年の「すやすやおやすみ」まで。
- 「うさぎ」5冊。2000年の「ぼく おかあさんのこと、、」から、2007年の「ビロードのうさぎ」まで。
- 「小さきものたち」4冊。2008年の「くまとやまねこ」から、2016年の「なきむしこぞう」。
酒井駒子は、内外で多くの賞を受賞している。「きつねのかみさま」で日本絵本賞、「くまとやまねこ」で講談社出版文化賞絵本賞、MOE絵本屋さん大賞第1位、「ぼく おかあさんのこと、、」でフランスPITCHOU賞、「ロンバーちゃんとふうせん」でイタリアのNati per Leggere Italia2015を受賞。ニューヨーク・タイムズの「2009年の子供の絵本最良の10冊」にも選ばれている
本人の弁。「うまく描けないという辛さはあるんですが、会社い行く辛さとは違います(笑い)。絵を描いて仕事ができるなんて、本当にすごい、夢のような話だと思います」「いつもおはなしが絵を決めていく感じがあります」
仕事の幅も広がっている。
- 装画・挿絵:角田光代。赤川次郎、恩田睦。桜庭一樹。小川洋子。川上弘美。俵万智。長田弘。江國香織らの本。
- 雑誌・ムック:月刊保育絵本、母の友、月刊MOE,、、。
- ジャケット:千秋「青い童話」、南壽あさ子「forget me not」、、。
- 映画・舞台:「いのちの子ども」、「至福のとき」、、。
一緒に仕事をした人たちは、酒井駒子を次のように語っている。
- 共著の絵本「まばたき」がある歌人の穂村弘は「どこか呆然とした無防備なオーラを放っている。私はその危うさに惹かれる」「永遠の子どもたちがいる」。
- ジャケットに絵を描いてもらったピアノの弾き唄いの南壽あさ子は「独特な世界観があって、絵の中のカスレに愛着を感じます」
- 画家・作家のなかえよしを・上野紀子は「絵の中の少女の顔。顏を描ける人は少ないです」
最近、柳田邦男の絵本に関する本などを手に取る機会が増えています。「PLAY!ミュージアム」で同時開催中の「ぐりとぐら」の中川李枝子、山脇百合子なども含め、絵本の世界に興味を持つようになっています。。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
母の体調に異変があり、バタバタ。
ーーーーーーーーーーーー
「名言との対話」6月9日。柳田邦男「人生でだいじなこと、、、そういうだいじなことは、すべて絵本の中で語られている」。
柳田 邦男(やなぎだ くにお、1936年6月9日 - )は、日本のノンフィクション作家、評論家。
栃木県生れ。東京大学経済学部卒業。NHK 記者。1972年『マッハの恐怖』を発表し、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。1974年よりフリーランス。1979年『ガン回廊の朝』で、講談社ノンフィクション賞を受賞。『明日に刻む闘い――ガン回廊の報告』『ガン50人の勇気』(1981)、『ガン回廊の炎』(1989)などを書き継ぐ。1985年『撃墜――大韓航空機事件』『マリコ』などがボーン・上田記念国際記者賞を受賞。『犠牲(サクリファイス)――わが息子・脳死の11日』(1995)はベストセラーとなり、同年ノンフィクション・ジャンル確立への貢献も加えて菊池寛賞を受賞。
柳田邦男先生にはJAL広報部時代に航空機事故に関する専門家としてお世話になった。また宮城大学時代には、講演会にお呼びしてじっくりと話を聞いたことある。このときのテーマは「いのち」であり、「人生における代表作」を意識せよというメッセージが頭に残っている。また、著書も読んできた。
災害、事故、医療などのノンフィクション分野の第一人者であるが、近年では「絵本」を再発見して、新境地をひらいている。「大人こそ絵本を」「絵本は人生に三度」「ケータイより絵本を」「絵本は心育てのバイブル」などのキャッチフレーズで、全国で講演を行っている。
絵本の翻訳には「コルチャック先生ーー子どもの権利条約の父」「ヤクーバちライオン 勇気」「ヤクーバとライオン 信頼」「でも、わたし生きていくわ」「その手に1本の苗木をーーマータイさんのものがたり」「やめて!」などがある。
『雨の降る日は考える日にしよう』(【絵本は人生に三度】手帖)を読んだ。
三度の意味は、自分の子ども時代、子育ての時代、孫に読み聞かせる時代だ。44冊の絵本を紹介している。
人は歳月の旅であり、人間は物語を生きている。そして一人の人生は一編の長編小説に匹敵するほどの物語になるという。
柳田によれば、絵本は簡単な物語のように見えていて、実は人生を送るにあたってのとても大事なメッセージがちりばめられている。例えば「あなたを抱きしめてくれえうひとが、ともだちよ」(「赤いハイリネズミ」)を紹介している。
絵本にも時代が投影されているそうで、高齢化、ケア、母の愛の深さ、、。そして、自分の居場所、自分探し、、、などのテーマも絵本でも取り上げられている。
幼少期から少年期にかけて出会う出来事や体験することは、心の成長をもたらすと主張しており、偉人の伝記を読むときは、少年少女期の「出会い」と「出来事」に興味を持っていると語る。レイチェル・カーソン「沈黙の春」などを例示している。私の仮説である「価値観は、生い立ちと出会いと出来事できまる」と同意見であり、嬉しく思った。
2000年あたりから、夜はひとり静かに新たに見つけた絵本をゆっくりと声に出して読むようになったそうだ。東日本大震災直後の2011年3月17日刊行のこの本では、外国絵本の翻訳を年に2-4冊のペースで刊行していると記述している。
絵本に込められていr人生でだいじなこととは何か。この本の中では、心のもち方、生きる意味、生きるのを支えるもの、愛や心の絆、人生の目標、、などが例示されている。
柳田邦男は一貫して現代社会の問題に明らかにし、解決の方向を探すことに真摯に取り組んでいるようにみえる。大事故、自然災害、ガン治療などの医療問題。いずれも人の「いのち」がテーマだ。柳田邦男はその延長線上に未来を託す子どもたちの心を育てる「絵本」に行き着いたのであろう。絵本こそ、未来へ続く「いのち」がテーマなのだ。