七夕の日、「参加型社会学会」が発足.

参加型社会学会が発足しました。150名が集まり、ZOOMで2時間のイベントに参加しました。以下、図メモ2枚。

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 田原真人会長。
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ブレークアウトセッション。斎藤寛子さんと中山弘さんと。
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橘川幸夫事務局長。
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滝和子「気分調査」
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「名言との対話」7月7日。乙骨淑子「すすまないほうが、いいことだってある」

乙骨 淑子(おっこつ よしこ、1929年(昭和4年)7月7日 - 1980年(昭和55年)8月13日)は、日本の児童文学作家。

東京都出身。1954年に柴田道子らと同人誌「こだま」を創刊して以来、創作活動に専念した。代表作をアマゾンでの紹介で記す。

1985年『ぴいちゃあしゃん』。「主人公の隆は高等小学校を終えると少年通信兵として中国の筆架山(ぴいちゃあしゃん)に送られる。そこで知った真の日本軍の姿とは…」。

1986年の『十三歳の夏』。 「熱く燃えながら駆けぬけた風。あなたはオッコツヨシコを知っていますか。ここにYA(ヤング・アダルト)へのメッセージがあります」。清冽な文章で少女の心情を描いた作品だ。十三歳の理恵は、父が家を出て以来、祖母と同居をしていたが、その祖母も他界。親戚のおばさんに引き取られたが、おばさんは冷たい態度で理恵に接する。理恵は父の住む家へ向かうと父と同居しているおばさんに会い「私、ここの家の子になりに来たんです」と告げるところから物語は始まる。多くの友人、すれ違った人との出会いを軸に小説は展開する。本作品は少年ドラマシリーズでテレビドラマ化された。後、フジテレビでも森光子主演で再びドラマ化された。

1995年の『八月の太陽を』。「西インド諸島にあるハイチ島。1790年代、ここはフランスとスペインの植民地。ひとにぎりの白人に支配される島だった。フランス革命の1年後、黒人の不満は爆発し、武力抗争の火ぶたが切っておとされる」。

ガンのため1980年8月13日に51歳で逝去。長編『ピラミッド帽子よ、さようなら』は、未完に終わる。この遺作は版元である理論社社長・編集者であり作家の小宮山量平によってエンディングが補完され出版された。没後、理論社より『乙骨淑子の本』(全8巻)が刊行された。

小宮山量平氏による「告別のことば」で乙骨淑子をしのぼう。「あの『ぴいちゃあしゃん』で、あなたは戦争責任そのものに、容赦なくとりくんだことは明らかです。そして『八月の太陽を』において、あなたは解放と革命の想念を、若い読者たちの精神の糧として見事に結晶させています。そして、今は絶筆となった『ピラミッド帽子よ、さようなら』では、現代的環境に囚われた若者たちの感受性そのものの変革にかんする最良の試行を決行しておられます」。

絶筆となった未完の『ピラミッド帽子よ、さようなら』を、この機会に半分ほど読んでみたが、引き込まれるように滑らかな文体が魅力的だ。アマゾンの紹介では「内側に秘めた問題意識を創作児童文学というかたちで世に問いつづけてきた乙骨淑子という作家が、死を前にしてどうしても描きたかった「もうひとつの世界」。それは絶筆となり魂の作品となった。未完ゆえ読者に物語の行方は大きく委ねられ、どこまでも新しく深まっていき、それぞれの作品として存在感は増すばかりであろう。少年時代に出会いおおいに創作姿勢への影響を受けた、アニメーション監督・新海誠による解説も味わい深い」とある。

第一楽章「不思議なことはあったほうがいい!」は、通知表で数学が「1」という成績になったところから不思議な世界がひらけていく。最後の第4楽章「ビマーナにのって早くかえろうよ!」では登場人物に「すすまないほうが、いいことだってある」と語らせている。若い多感な読者は、この絵本のようなメルヘンの世界に遊ぶことによって影響を受けるだろう。

映画『君の名は』の監督の1973年生まれの新海誠は、10歳になる前に『ピラミッド帽子よ、さようなら』を読んでいる。「人生を変えてしまう衝撃的な出会い」と語り、「僕だけの本」という。この物語で世界の深部まで長い旅を続けていたが、著者の死によってクライマックスは断ち切られてしまい、強烈な喪失感を味わう。そのことによって「自分なりのエンディングを作り出さなければならなかった」。自分が目にするはずだったラストシーンを追いかけるようになった。それは乙骨淑子の「呪い」あるいは「祝福」だ。新海誠は優れたアニメを創作し続けているが、乙骨淑子の見せてくれるはずだった風景は、まだ描けてはいないと、2017年にこの本の「解説」で告白している。

乙骨淑子の「不思議なこと、もう一つの世界、未知への冒険」、そして後は、新海誠にゆだねたことになる。確かに2016年9月にみたアニメ『君の名は』は、乙骨淑子の匂いがある。その主題歌「スパークル」の最後は、「運命だとか未来とかって 言葉がどれだけ手を伸ばそうと届かない 場所で僕ら恋をする 時計の針も二人を 横目に見ながら進む そんな世界を二人で 一生 いや、何章でも 生き抜いていこう」というメッセージだ。その世界は新海誠によって今からさらに堪能できるはずだ。