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「名言との対話」8月2日。ルイジ・コラーニ「自然は角度を作らない」

ルイジ・コラーニLuigi Colani1928年8月2日 - 2019年9月16日)は、ドイツベルリン出身の工業デザイナー

少年時代は、親から木切れやボール紙を与えられ、自然にものを作る工作少年だった。1946年ベルリン芸術大学で彫刻と絵画を学び、その後、パリのソルボンヌ大学で空気力学を学んでいる。その結果、独特のデザインと流体力学を直結させる独自のスタイルを確立する。それは「バイオダイナミック」と呼ばれる曲線にこだったデザインとなった。
日本でも、1985年の国際科学技術博覧会でも彼のデザインによるロボットは芙蓉グループのパビリオンで活躍し、一部は、後に「ロボットミュージアム in 名古屋」で展示された。2005年にも京都工芸繊維大学でデザイン展が開かれるなどしている。

1968年にはデザイン会社を設立、家具業界との密接な関係を保って、数多くのデザインを手掛けている。球形のキッチンユニットや安楽椅子のような秘書用のタイプライターデスクなど。前衛的ながら機能的な家具は国際的にも評価され、米国の主だった近代美術館でも展示されている。

コラーニの独特のフォルムは、流体力学的にも人間工学的にも説得力をもち、航空機や船舶といったものから、住居・バスタブ(風呂桶)・靴、バスローブといった衣類、宝飾品・テレビ・オーディオ機器から、シャワーシステムに至るまで、幅広い活動を続けている。「毛抜きからスペースシャトルまで」とも呼ばれる。

日本でも馴染みがある。1980年のデザインであるチョロQ1984年の小樽博覧会、キヤノン一眼レフカメラ「T90」(1986年)、マルエムのスーツケース、独ペリカン社等のボールペン、眼鏡・家具など日用品も多く出回っており熱狂的な愛好者も見られる。手掛けた数多くの自動車(スポーツカーやコンセプトカーなど)や、独シンメルのピアノ"Pegasus"等も現存している。

1970年にはミュンスターにほど近い17世紀の古城「シュロス・ハーコッテン」に移り住んだ。ミラノ、カールスルーエ、上海、モスクワ、サンパウロにオフィスを構え、世界を股にかけて活動していた。収入に見合うだけの研究開発を惜しみなく行っているためだということで、空腹状態を保つことで創作意欲を刺激するという考えだった。

「自然は角度を作らない」というのがコラーニの基本思想であり、自然の造形物を最大の手本としており、日常的に顕微鏡で様々なものを見て過ごした。またデザインの段階では定規を使わないで、自身の肘や肩を基準とした曲線を引くといわれている。

自然をモチーフにした緩やかかつ生物的な曲面を持つデザインについて、コラーニは、特徴的な曲線は「空力学的に有効である」のと同時に「女性的なソフトなライン」を持つことこそが自然なアプローチであり、男女ともに魅力的な要素だと語っている。

人間を含む動植物、そして準備大地も、全て曲線でできている。コラーニの「「自然は角度を作らない」という発見は、生命のデザインを生んだのだ。