人間はコミュニケーションを活性化させることでエネルギーを充満させる。

コロナ禍の間に、やるべき仕事の大枠が決まっていく日だった。リモートワークといっても、対面での会話の波がしらの先端を互いに拾い合いながら、物事が瞬時に展開していく醍醐味には及ばない。人間はコミュニケーションを活性化させることでエネルギーを充満させる。コミュニケーションの深さには、様々なレベルがあり、それらを統合的重層的に使っていくことで、日々の生活が深まっていく。

昼間の都心の電車はすいていて、ひとつ置きに座れる。やはり、接触した関係者それぞれも、コロナの影響を大きく受けている。大人もそうだが、高校生なども、学校に行けなくなったことによる、友達とのコミュニケーションの欠落が精神に影を落とし始めている。

  • 大学:全集4巻以降の原稿準備のやり方が決まった。「名言との対話、平成編2」「2019年のブログ日誌」などについてもまとめのやり方が決まってきた。
  • 出版社A:電話での打ち合わせ:「大全」の進行状況を確認。
  • 出版社B:全集第一巻の進捗の確認。
  • 自宅の書斎:19時から21時まで大学院のZOOM研修。教員、社会人院生の100人ほどが参加。講師は「ZOOM革命」でブレークしている田原真人さんのグループの人。社会人院生は仕事ですでにZOOMを使っている人が多かった。プロフィールに写真を入れる。ブレークルームの使い方は次回。背景に工夫を。ホワイトボードの使い方。満足度アンケート。ZOOMの最新版(セキュリティ。PW)をダウンロード。画面共有(動画も)。院はZOOM中心の講義スタイルに。

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「名言との対話」4月9日。フランク・ロイド・ライト「自然を学べ、自然を愛せ、自然の近くにいなさい。自然は決してあなたを裏切らない」

フランク・ロイド・ライトFrank Lloyd Wright1867年6月8日 - 1959年4月9日)は、アメリカ建築家

シカゴの建築事務所を経て独立。プレイリー(大平原)住宅・ユーソニアン住宅などを通じ、水平に伸びた屋根が強調する平らかな外観、緩やかにつながりあう内部空間など、住宅デザインの刷新を先導した。ル・コルビジエ、ミース・ファン・デル・ローエと並ぶ近代建築の三巨匠の一人。日本でも、旧帝国ホテル、自由学園明日館、旧山邑邸などを手掛けた。

以下、ライトの思想、言葉から。

住まいの快適さ。人体の尺度(5フィート8インチ。174㎝。ライトの身長)。水平線は人間生活の地平、安らぎの線。地面との安定した関係。不必要な高さの除去。適切なる自由の感覚。建物は洞窟ではない。連続性の美学。折れ曲がりつつ連続する面。雑多の寄せ集めではなくひとつのものとしての存在。単純化。外部へと開かれた眺め、内部に取り込まれた眺め。静かな流れる線画醸し出す新たなる安らぎの感覚。不必要なものを除去する日本の浮世絵の教え。屋根裏部屋、地下室の除去。文節がつくりだす構造。構造の自然なパターン。ユーソニアン住宅の経済性。車庫、高い屋根、地下室、家具・骨董品、しっくいなどは不用。主婦が美しくみえる家。統合性。田舎と都市がひとつになるべき。有機的建築。中流の上に位する家庭のための住宅。人件費を不要とするコンクリートブロック住宅。

旧帝国ホテル:日本の文明水準に見合った調和。なかにあるものは互いに関係づけられて有機的。有機的建築は東洋思想に共振し共鳴する。老子の教え。逆輸入。天心の「茶の本」。内部空間こそが建物の実体なのだ。

以下、ライトの言葉から。「真の芸術作品は、直観として誘発されなければならず、「チームワーク」から誘発されたり着想されたりするはずがない」「単純であることは勇敢なことである」「長く生きるほど、人生はより美しくなる」「家は丘の一部であるべきだ」。

ライトの古典的名著『自然の家』を読み進みながら、共感の感情が湧き上がってきた。私の近くの大きな公園にある「自然館」という管理棟は、散歩しながらこういう気持ちのいい家に住みたいなと思い、理想の家だといつも感じていたのだが、それはライトのユーソニアン住宅がモデルだったのだろう。確かに名前まで「自然館」だ。また私の住むマンションは水平面であり、外の庭とのつながり、カシータ(離れ)への連続性など、プレイリーな感覚だ。こうやって考えてみると、フランク・ロイド・ライトの思想は腑に落ちる。ライトの弟子になった感じがする。 

自然の家 (ちくま学芸文庫)

自然の家 (ちくま学芸文庫)