図解塾第3期「トレーニング編」開始のお知らせ

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図解塾(ZOOM)第3期「トレーニング編」は次の要領で行いたいと思います。
 
 〇日程。URL。:水曜日の20時から2時間ほど。月2回。課外授業1回程度。日程は前月末までに(なるべく早く)決めて周知します。URLは、参加者にお知らせします。
  
〇9月は1期・2期の参加経験者に加え、初の参加者も募集します。経験者も同窓会気分、お試し感覚で気楽にご参加ください。「全集」第3巻「よむ・考える・かく」(9月中に刊行予定)をアマゾンで購入(本体4000円)することで月謝に代えます。感想をアップしてもらえるとありがたいですね。初回は9月8日です。
 
〇10月から3か月コース(月1万を予定):塾の場で図解の演習をし発表し批評を受けることが基本。テーマ性のある図解の練習は「課外授業」で行います。基礎が身につくようにやさしいテーマから始め、段階的に学べるようにします。いずれ人に教える立場になるときの準備というような位置づけです。
 
〇リアルタイムで参加できない場合は、動画で見ることができるようにします。撮影動画の塾生へのアップについてはご意見があれば要望に応じます。
 
〇支払い:現行のnote以外にも多様性が欲しい、月ごとに参加・不参加を決めたいなど要望もあり、ネット銀行、paypalなども含めて研究し9月中に決定します。
 
〇ある出版社から、具体的なテーマの「図解本」の出版の相談がきています。近々作る予定の「図解スタジオ」で別途製作編集を行いますが、あるレベルに達した塾生は参加が可能となります。図解の力を示していく社会的プロジェクトとなります。
 
 〇9月に参加される方は9月5日(日)までにご連絡ください。hisatune@gmail.com
 
参考 

note.com

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「名言との対話」8月31日。江橋節郎「行き当たりばったり、偶然にまかせて、その時自分が面白いと思うものに身をまかせていく」。

江橋 節郎(えばし せつろう、1922年8月31日 - 2006年7月17日)は、日本薬理学分子生物学者

東京生まれ。東京帝国大学医学部卒業後、東大助手を経て、1959年より36歳で教授に就任。その間米国ロックフェラー研究所客員研究員(F・リップマン教授に師事)、カリフォルニア大学、ハーバード大学客員教授を務める。1983年退官。岡崎国立共同研究機構生理学研究所教授となり、生理学研究所所長、機構長を歴任。

この間、国際生物物理学連合会会長、国際薬理学連合会会長を務める。ロンドン王立協会ほかいくつかの外国学士院会員。1972年日本学士院賞、恩賜賞。1975年文化勲章文化功労者。1978年日本学士院会員。

公益社団法人日本薬理学会は、生命科学への貢献を末永く顕彰するため、江橋節郎賞を創設し、独創的、飛躍的な業績をあげ、今後薬理学の発展にますます貢献することが期待される会員に授与している。

以上のような経歴をみると、順風満帆な感じがするが、苦労もあったようだ。以下、私なりに江橋の理論を追ってみたい。

筋肉は神経インパルスの電位変化を呼ぶことで収縮と弛緩を繰り返す。そのメカニズムは長く謎だった。それにカルシウムが関与しているのではないかという仮説が浮かぶ。タンパク質のトロポミオシンと江橋が発見命名したトロポニンの混合物が関与していることを実証した。このことによって神経伝達物質やホルモンの放出、代謝切り替え、遺伝子発見など数卯多くの細胞過程でカルシウムが制御していることがわかった。こうして江橋はカルシウムシグナル伝達という新領域を切り拓き、生命科学全体に大きな貢献をしたのである、また、筋ジストロフィー症などに関する薬理学、生物物理学、分子生物学などの分野においても、数々の発見やその業績をあげている。

JT生命誌研究館の機関誌「生命誌ジャーナル」には、「地球上どこにでもあるありふれた無機質のカルシウム そのカルシウムが筋肉収縮の鍵だった。江橋博士に孤立無援の中で自説を貫かせたのは何だったのだろうか―」という記事がある。その中で、 1962年には「私が筋収縮カルシウム説を主張していた頃は、世界のほとんど誰も信じようとしなかった(という話は今では誰も信じないくらい、当たり前のことになっている)」「カルシウム説が本当に認知されたのは、さらに3年後の65年、カルシウム結合能力の極めて高いたんぱく質を私が発見、トロポニンと名づけてからである」という苦労話が掲載されている。

また、東大で同僚であった遠藤實 は、追悼文で「研究室での彼の働きぶりは猛烈をきわめ、ほぼ連日、夜中の 12 時すぎまで研究を続けた」「江橋は魅力的な人物であった。カリスマ性があり、同僚たちに対して思いやりがあり、助力を惜しまず、信に厚く、また母国を愛する心が強かった」と書いている。

ノーベル賞級の世界的科学者たちの伝記や自伝を読む機会が増えているが、興味に任せて「いきあたりばったり」で研究にのめり込んでいる過程で、偶然にヒントに出会い大きな発見につながるというケースが多いように感じる。豊かな好奇心を持つこちで大きな謎に挑むことになり、強い執念が偶然を引き寄せ、思いつきである大胆な仮説を生み、それが大発見につながっていく。

大きな謎に挑む。突飛な思いつきを大事にする。新しいものへの好奇心。偶然に身を任せる。運を招き寄せる。広い視野と多角的な視点。、、いきあたりばったりで進んでいくと、運がよければ「いきあたりばっちり」になることがあるということか。それが創造である、そういうつもり進んでいこうか。創造は深い。