「宮崎学 イマドキの野生生物」展ーー独学者。「自然界の報道写真家」。死体の変遷は輪廻の物語である!。

恵比寿ガーデンの東京写真美術館「宮崎学 イマドキの野生生物」展。

「自然界の報道写真家」を自称する宮崎学の写真展。自らが開発した「無人カメラ」がとらえた動物の生態写真は見ごたえがある。ショップで『森の探偵』(AKISHOBO)を購入。

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宮崎学は1949年生まれの団塊の世代。野山を駆け回る少年だった。中学を卒業し、すぐに社会にでる。カメラのレンズや部品を扱う会社でカメラに興味を持つ。「動物写真家」になろうと決心し、独学で勉強する。

17歳、ワシとタカの撮影という難しいテーマに挑もうと考える。15年の歳月をかけて目標を達成する。

並行して試行錯誤の連続の先に、動物が利用する「けもの道」に赤外線を照射し、動物が通ると自動的に撮影が行われる無人カメラのシステムを完成させる。謎につつまれた動物の世界を明らかにしようとする。オリジナルな写真はオリジナルの機材から生まれるのだ。売ってないものは自分でつくる主義だ。

写真は視覚言語だ。写ったものをヒントにして、そこから動物の習性や自然の仕組みについて考える日々。毎日が発見の連続だ。動物から学ぶ人である。

動物の死体の変化を定期的、自動的に撮影するというプロジェクトも今回の写真展でみた。死体の変遷を追っている。スズメバチ、ガ、チョウ、イノシシ、ハエ、ウジ、シデムシ、野鳥、哺乳動物、クマタカ、イニワシ、カスケ、カラス、、などが死体を処理し、死体は完全犯罪のように消える。自然界の複雑なバランスをあらわすドラマのようだ。死が生になり、次に繋いでいくという有機的な連鎖、それは輪廻の物語なのだ。

けもの道を見つけるには、生き物たちの目線になって周囲をみることという。遊歩道、登山道、車道、建物、橋、電線、ブロック塀、ガードレールなど人工物もけもの道になっている。森の賢者・フクロウ。梟という漢字は木に止まるフクロウの姿だ。フクロウは耳の位置が左右でずれていて立体的に音が聴きとれる。

同世代にこんな人がいるのかという驚きをもって、写真を見、本を読んだ。

 

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朝はヨガ教室。一週間の生活のリセット。カラダ。

散髪で気持ちもスッキリ。アタマ。

深呼吸学部56回目、以下、もらったヒントから。ココロ。

  • 二期生募集。一期生の役割。プロジェクト参加。深呼吸新聞。子ども図解塾。
  • 純喫茶「ツネ」。レイランドの建物。高層ビル、地下、温泉、大吟醸マホガニー、。知研・図解・OB会(高校・大学・JAL)・ゼミ同窓会・記念館・名言、、。
  • 毒まんじゅう」:帝国主義の植民地。胃袋の耐性強化。免疫力の獲得。解毒力。毒とは影響力
  • 日本近代文学、戦後文学、そしてコロナ文学の登場。
  • 橘川は新型コロナ説(強い感染力と低い致死率)。
  • 「つねちゃん」という呼称もだいぶ定着してきた感じ。

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「名言との対話」11月6日。内田庶「時間と空間の歪(ゆがみ)が少しでもあれば、きみたちは異常な世界に投げこまれてしまうのです」

内田 庶(うちだ ちかし、1928年11月6日 - 2019年3月14日)は、日本の児童文学作家、翻訳家、著作権コンサルタント、実業家。享年90。

東京都出身。明治大学文学部文学科中退。 1952年から早川書房の編集者となり、ハヤカワ・ポケット・ミステリの創刊を企画する。のち1955年に退社。勤務するかたわら、ペンネーム内田庶名で数多くの児童書の執筆・翻訳を手がける。

1970年、「日本ユニ・エージェンシー」と改称して社長に。1991年、「日本ユニ著作権センター」を設立して代表。少年文芸作家クラブ代表。

戦前戦後のわが国の翻訳権、出版権の変遷の歴史を熟知する数少ない一人。翻訳著作権に関する著作も多い。若い出版人に知識を伝えることにも熱心で、出版界への貢献は大きい。

以下、受賞歴。1979年 『朱筆』(出版太郎名義)で第1回日本出版学会賞佳作。1999年 『翻訳権の戦後史』(宮田昇名義)で第21回日本出版学会賞。2002年 第23回著作権功労賞(日本著作権協議会)。2018年 『昭和の翻訳出版事件簿』(宮田昇名義)で第71回日本推理小説作家協会賞(評論・研究部門)。

1999年の日本出版学会賞の評価を探った。審査結果。「、、日本を著作権保護後進国とする神話を解体させた力作である、、、。GHQ占領下における著作権統制の変遷と、その真のねらいが反共の砦としての日本民主化政策の一環であったことなどが明らかにされる。、、、」。

本人の受章の言葉がある。「、、不明であった戦前戦後の「無断翻訳」の実態や、占領下の入札の真の目的を、私は解明したと思う。、、、「出版者の権利」の法制化の必要さを理論化することこそ、実学としての出版研究が出版界になしうる貢献であったはずである」。

著書は11冊であるが、コナン・ドイルなどの翻訳書も多い。今回、ショート・ショート集『ねじれた時間』(文化出版局)を読んだ。一話完結の短いストリーが続く。主人公は数人が交代でつとめる。結果として一つのSF物語となっている。以下、内容。

もう一人の私。三つ目の眼。過去に戻る薬。不気味な殺気。通知表の異常。当たる予言。コンピュータから指示される職業。超音速ジェット機の事故。未来のラジオ放送。、、

SFというと、宇宙、地底、過去、未来が舞台になっているものが多い。しかし、日常の生活の中にもテーマがあると内田庶はいう。逆行する時間、超異常空間現象などが日常生活にあらわれた世界もSFなのである。

著作権研究という仕事とSF作家という、二刀流の人生も参考になる生き方だ。