文庫リレー塾4回の講師は佐高信。テーマは「経済小説で読む「会社国家ニッポン』。
内容は、新刊に沿っての解説の「佐高ブシ」。早速、注文。
以下、ポイントのみ。
- 城山三郎。大下英治。田原総一朗。山崎豊子。梶山俊之。三好徹。竹内好。横光利一。
- 言論の自由とは批判する自由。批判がなければ企業はよくならない。学者は現実を実態的にとらえていない、会社原論を。本人に会わない方が書ける。汚物があるからハエがたかってくる。小説は悪の魅力も書ける。五味川純平『戦争と人間』全18巻。ソニー、ホンダなどの異端企業が戦後日本をつくった。ソニーの松下化、ホンダのトヨタ化。福沢諭吉「公正の論は異端の論より生ず」。武井正直(北洋銀行頭取)「バカな大将、敵より怖い」。五味川純平「戦争は経済だからね」。
- 城山三郎ー内橋克人ー佐高信。人間を考える経済の流れ。
- 長谷川慶太郎ー堺屋太一ー竹中平蔵・橋下徹。利息計算しか知らない人々の流れ。
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知研幹部会を開催。3月以降のゲストの人選。
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今日の収穫。北京オリンピックの日本人選手の言葉を追う。
- 高木美帆「金メダルを取れなくても悔いはないと思えるレースができたことがまずうれしいし、金メダルがとれてうれしさ倍増。形になってよかった」「自分の全てを出し切ることができた」「1000メートルで渾身の滑りができた。やりきったと思える」「悔いがない」
- 小平奈緒「全身を使って滑ることができた」「不格好な作品となてしまったけど、自分なりの今を乗り越える滑りができたかな」
- 平野歩夢「選手は命を張って、リスクを背負っている」。
- 鍵山優真「もっともっとオールラウンダーに近づけていけるような、本当に今回、優勝したネイサン・チェン選手もそうですけど、羽生選手や宇野選手みたいに演技やステップだったりいろんな部分が評価される選手になりたい」「100%を引き出せたことに関して自分をほめたい」
- 渡部暁斗「山頂にはたどりつけなかったけど、いろんな角度から山を見られていい時間を過ごせたかな」「現状維持は後退と同じ。守りに入ったことはない」「メダルは重たい。かけてきた時間の重みと重なる」
- 羽生「9歳の自分と一緒に跳んだ。挑戦、みんなしていること。それが生きることだ」「自分の生き様にふさわしい演技だった」
- 小林陵脩「メダルはやっぱり特別」
- 高梨沙羅「皆様を深く失望させる結果となってしまった事、誠に申し訳ありません」
- 堀島行真「本当の夢は金メダル。またここから、、、先に、、、、」
- 村瀬ここも「ビタビタにちゃくってやろうという気持ちで跳んだ」
- 岩淵麗楽「チャレンジできてよかったです」
- 坂本香織「自分の中で決めたノルマを1個ずつ達成していって、五輪の舞台では最高の演技ができるようにしていきたい」
さらに、追加していく予定。
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今日のヒント
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オーディブルで大作の山本一力『ジョン・マン 波濤編』を聴く。本を読むより、ハードルが低く、快適な読書(耳読)。0.7万歩。
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「名言との対話」2月18日。岩田弐夫「平凡の凡を重ねよ、いつかは非凡になる」
愛知県常滑市出身。東京帝大卒。1934年東京電気(現東芝)に入社する。石坂泰三社長の秘書をつとめる。土光敏夫社長に抜擢されて専務となり、1976年には社長に就任した。
不採算部門の見直し、関連会社の経営刷新などで東芝の基盤を強化した。歯に衣きせずに直言する岩田は、部長時代には左遷されるなどの危機にも遭遇するなどの苦労もしている。岩田は、後に1988年には日本たばこ産業の初代会長に就任した。
岩田は石坂、土光など上役に恵まれた運の強さがあった。そして公平な人事を行うことで部下に慕われた。「責任者として最も大切なことは、あらゆる意味で私がないということです」。人を挙ぐるには、すべからく退くことを好むものを挙ぐるべし、である。仕事は「ちょこんと打ったり、バントしたり、フォアボールをもらったりしてに出ていくよりしょうがない」という凡人のスタイルだった。社長になってもこのスタイルで通している。
本を読む習慣が身についたのは、読書家で有名な石坂泰三社長に仕えてからだ。そして社長になってからも原書を毎日1時間読むという習慣を獲得している。(「黄金の昭和・リーダーたちの直言」http://tskeightkun.blog.fc2.com/blog-entry-6883.html)
岩田は大学を出る時、総長の祝辞で、『諸君は実社会へ出てからも、長年学校でやった外国語に10分でいいから接してもらいたい。それを続けてもらえば、やがて諸君の人生にどれだけ裨益することになるか、はかりしれないものがある』といわれたそうだ。
「何だ。たいしたことではないじゃないか。朝の十分ぐらいはジャパン・タイムスを読むよ」と思ったが、若い時代は麻雀などで実行はできなかった。部長になった頃から本を読み初めて、ようやく総長のいうことがよく理解できたという。
毎日、本を読む、外国語に短時間接するなどという、平凡で誰にでも実行できそうなことは、実はなかなかやれるものではない。知ってはいるが、実行は難しいものなのだ。知ることと行うことはべつものである。本当に若い頃から、そういう習慣があれば、前途は洋々であることは間違いがないと思う。
岩田は「平凡に徹せよ」という。そして「当たり前のことを当たり前にやる。そして、この積み重ねがホンモノとなった時、それは非凡に通ずるのです」と語る。
平凡の凡を重ねて行くと、いつしか非凡になっている自分を発見する。冒頭に掲げた「平凡の凡を重ねよ、いつかは非凡になる」という言葉は私のもっとも愛する言葉の一つだ。凡才を自覚するものにとって、勇気をもらえる至言である。この路線で行くしかない。