寺島実郎の「世界を知る力」ーー日本再生への道「成長モデル」「構造改革」「分配」

女郎花(オミナエシ

男郎花(オトコエシ)

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東京MXテレビ寺島実郎の「世界を知る力」。

10月の世界と日本

  • 1871年1ドル1円。1897年1ドル2円。1940年1ドル2円。1949年1ドル360円。1971年308円。1973年変動相場制。1985年200円。2011年75円32銭。2022年145円。9割の円安。購買力平価の均衡点は92円前後。
  • 異次元の円安:アベノミクスの罪深さ。債務残高1255兆円(6月末)でGDPの2.5倍。受け皿の日銀はに528兆円。日銀によるETF買い36.8兆円で日本の株の5.5%を保有し日銀は日本の筆頭株主外資による日本買(M/A、技術、水資源)は8割引き。政治、国民、メディアも安きに流れた結果だ。このため日本は動けない状態に陥っている。
  • コロナの直撃で世界中がゼロ金利になり44兆ドルを喪失(世界GDPの半分)。マジックマネーの終り。
  • 英国:1ポンド5ドルだったが、今は1ポンド1ドルに迫っている。

日本再生への道

  • 岸田政権:つぎはぎ。小さい。円安のメリットの活用。介入で2.8兆円を失った。物価高騰に補助金で対応。リスキリング、、、小手先
  • 日本再生:市場メカニズムへの回帰が必要。ゆるやかな金利高は弱者に重くのしかかる。日本型モデルをつくろう1:新しい成長モデル「食・エネルギー・水」「医療・防災産業」というファンダメンタルズ。2:構造改革行政改革(コスト)。政治改革(1人2億円の議員の最低3割削減)。規制改革(市場)。3:分配への新しい視角「世代間継承」(無利子国債など)。新しい公を育てる。個に埋没せずに目線をあげよ(子ども食堂、、、)

日本と英国。

  • イギリスの二人の女王:エリザベス1世(1558年生):25歳で即位し45年間女王。6人の妻を持った父・ヘンリー8世英国国教会設立。キャサリン・バー(継母)が一流の教育を与えるなどで救った。エリザベス2世:1952年25歳で即位。70余年在位。
  • 日英交流史:明治天皇昭和天皇日英同盟。ガーター勲葬。立憲民主制・
  • イギリスの未来:ネットワーク力「ユニオンジャックの矢。英連邦56ヶ国(元首14)。緩やかに束ねる。エンジニア力」。ソフトパワー「世界に占めるGDP比は1952年6.0%から半減。影響力を残しつつ好かれながら後退していく」。トインビー「節度ある立憲民主制。植民地主義の限界」という歴史の教訓を得ている。

読書:8万冊、本同士のつながりが大事。全体知を磨く。ポケット詩集など。

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「名言との対話」10月16日。二階堂進「趣味は田中角栄

二階堂 進(にかいどう すすむ、1909年明治42年10月16日 - 2000年〈平成12年〉2月3日)は、日本政治家。享年90。

鹿児島県肝付町出身。旧制志布志中学卒業後、アメリカの南カルフォルニア大学、大学院を卒業。1941年に帰国。

1942年衆議院選挙で落選。1946年、初当選。1947年、1952年、1953年。連続落選。1955年から連続当選し、計16期を数えた。

1966年、佐藤内閣で初入閣。田中角栄内閣で官房長官自民党幹事長。ロッキード事件で灰色高官と呼ばれる。総務会長、幹事長を歴任。木曜クラブ田中派)会長。1984自民党副総裁。中曽根再選に反対する野党も含めた勢力からの働きかけで「二階堂擁立構想」にこたえる形で意欲を示すが、田中の反対で断念し、幻の二階堂擁立劇となった。

1987年に竹下登が創政会を結成し、田中の派閥を離脱。以降、残ったメンバーは二階堂グループとなる。10月の総裁選の立候補もかなわなかった。1990年、田中角栄の引退に伴い二階堂グループも解散。1996年に引退する。

二階堂進は、初入閣以前の時代に田中角栄と出会い、「趣味は田中角栄」と公言するようになった。商工委員長であった二階堂は、ジェトロ(日本貿易振興会)の杉会長から5億円の政府出資を懇願され、大蔵大臣であった9歳年下の田中角栄に掛け合う。「わかりました。約束しましょう」、「男の約束ですね」と二階堂。ところができあっがた予算案には計上されていなかった。二階堂は田中に「男の約束」の履行をせまり、田中はわびて即刻、大臣命令として予算に組み込んだ。このため閣議は1時間遅れたという。この時以来、二階堂は惚れこみ、「趣味は田中角栄」と公言するようになる。そして田中の政治活動を支える役割を果たしていった。

「趣味は田中角栄」という言葉は、人が人に惚れこんだ時の最上級のものだろう。私も若い時代に、この言葉を雑誌記事で読んで、心にとめたことがある。田中と親しかった政治評論家の戸川猪佐武も同じ言葉を使ったという記憶がある。また最近でも、野田一夫先生の秘書役をながくつとめた藤村さんが、「趣味は野田一夫」と本人の前で語った言葉も直接聞いている。それほど、有名な言葉なのだ。

二階堂進という政治家は、その言葉どおり、科学技術庁長官北海道開発庁長官内閣官房長官自由民主党総務会長自由民主党幹事長自由民主党副総裁などを歴任する87歳までの長い議員生活で田中角栄を支え続けた。 これも「男の約束」だったのだろう。