「月刊ヒサツネ」をやってみようかーー深呼吸学部関係者の出版パーティ(表参道)

橘川幸夫さんの深呼吸学部関係者の出版パーティが表参道で行われて参加。

単行本、イラスト本、共著本などが紹介された。参加者は、まっさん親子、あやこ、田原、安川、都築、エイミー、ボックル、ワッキー空海、、。茨木や愛知からの人も参集。

橘川「絵葉書ポンプ。雑誌。シェア書店。身銭をきって伝えたい。発信者負担。フリーペーパー。時代ミーハー。コミュニティマガジン。コミケ。絶版の復刊、、、。

私は、2023年に刊行した9冊の本を紹介した。年内にあと数冊の準備をしているので、思わず「月刊ヒサツネ」という言葉がでた。一丁、これを目標にやってみるか。


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「名言との対話」10月7日。仙厓「〇△▢

仙厓 義梵(せんがい ぎぼん、寛延3年(1750年4月 - 天保8年10月7日1837年11月4日))は江戸時代臨済宗古月派の禅僧画家。禅味溢れる絵画で知られる。

1750年美濃生まれ。臨済宗古月派。39歳、博多の聖徳寺(栄西が建立)の住職。56歳、湛元が弟子に。宝満山、彦山に登る。88歳、米寿、死去。2000点に及ぶ作品を残した。

40代、習画期。布袋画賛。62歳、隠棲してから本格的に絵を描く。「書画を通して禅を広める」。型破り、滑稽味。博多の仙崖さん。重責から解き放たれて各地に遊び、市井の人々と交わり、語録を執筆し、書画制作に本格的に取り組む。73歳、「崖画無法」を宣言。自身の画には他の作品のように一定の法がない。自由度が増した。

三聖画賛:神道儒教仏教は大同小異。同じことを説いている。

三徳聖図:三教を三段に分けて比較し、異同を詳述。図形を交えながらそれぞれの要点を簡略にまとめた。互いに関連づけられる。内容はほぼ同じと示した。

円相図:茶を好む者は茶を薦め、図を好むものは図を作る。これが親子の道であり、それを天性と呼ぶのだ。

あくび布袋図:年をとってしまったが、まだやり残した仕事を山ほどある。新しい一日が来た。もう一がんばり。

双画画賛(出光佐三最後の蒐集品):鶴は千年、亀は万年。我れは天年。

自戒五か条:欲を出さず、慎み深く、身分の尊卑にとらわれず、位階などに左右されず、公の事は不必要に論ぜず、人の短所を云々して悪口なども語らず。

気に入らぬ風もあろうに柳かな よしあしの中を流れて清水哉
うらめしや 我が隠れ家は雪ちんか くる人事に 紙置いて行く

老人六歌仙画賛:、、、、、、、聴たかる死にともなかる 淋しかる心か曲る欲深くなる
くとくなる気短になる 愚痴にになる 出志やはりたかる 世話やきたかる 心かひかむ欲深になる 又しても同じ噺に子を誉る 達者自まんに人はいやかる

2023年。博多の聖福寺を訪問した。源頼朝の命により栄西((ようさい)が建立した日本最古の禅寺だ。この寺は、博多織の祖「満田弥三郎」。総理大臣「広田弘毅」。玄洋社を創業した「平岡浩太郎」の菩提寺だった。

同じ日に大濠公園に面した福岡市美術館で、『仙厓 BEST100』(出光美術館)を購入した。仙厓の絵、書、画賛は、「人間賛歌」だ。仙厓については命日の10月7日に語りたい。今日はその日だ。以下、その本を読んだメモ。「厓画無法:自由闊達。ルール無用。自在。ゆるさ。ユーモラスな自画像。神仏はゆるキャラ七福神(福禄寿、稲荷、弁財天、毘沙門天、恵比寿、大黒天、布袋)のめでたさ。布袋は仙厓の分身。博物学的。かわいい。隠居後は旅。「呑水冷暖自知」。「富莫大於知足福莫盛於無禍」。コレクター魂。」

  • 指月布袋画賛:指は経典、月は悟り。双鶴画賛:鶴は千年、亀は万年、我は天年。老人六歌仙画賛:くつろいだ6人の老人。淋しがる、くどくなる。短気。愚痴っぽい。でしゃばる。世話を焼く。同じ話。子自慢。達者自慢。仙厓の「老人力」賛。
  • 円相図「〇△▢」とは何か。〇は禅宗、△は真言宗、▢は天台宗。三教一致)仏教・儒教神道)。密教の三大要素。修行の三段階。
  • この

この「円相図」には、さまざまな解釈がある。

加島祥造は「尖がらず(△)、角ばらず(▢)、転がっていく(〇)」と解釈している。幼いころから〇く転がっていたのに、死の恐怖を感じる軍隊で△にされ、20代から50代の社会人の壮年期に▢となり、60代からまた〇くなろうとし、70代からやっと転がり(〇)始めた。「いま・ここ」にいる自分だけを意識するのが、〇の時代だ。これが加島の一生であるとの人生観だ。 

ピエトロ創業者の村田邦彦の「自伝」には、円相図があり、「仕事も遊びも一生懸命」という賛が添えてある。円相図は「円満具足の境地を表す。完全円満の象徴。悟りの境地」となっている。そういう境地にあるということだろう。遊びは陶芸を筆頭に、絵画、書、音楽ではサックス、ピアノ、ドラムなどを十分に楽しんでいる。

臨床心理学の藤原勝紀「三角イメージ体験法」では、クライアントは〇△▢の動きとともに緊張が誘発され変化する独特の身体感覚を体験し、セラピストとの関係性を通じて新たな関係とその意味が生成する体験となっていくという主張だ。私の「図解コミュニケーション」のもつ可能がここにもある。

 出光佐三は、若い頃から仙厓和尚の作品を始めコツコツと趣味で美術品を収集してきた。そして1966年には丸の内に出光美術館を作った。この 出光美術館で「〇△▢」を購入している。この作品のコピーを購入すると、実際は▢△〇順番に次第に墨を濃くしながら描いていることがわかる。図録などを参照すると以下のように説明している。

  • ▢が天台宗、△は真言宗、〇が禅宗
  • 神道儒教仏教真言宗禅宗。円満完璧な教えが禅宗。「即心是仏」の悟りの境地に対応)
  • ▢は地、△は火、〇は識。
  • ▢は修行以前、△は修行中(自身)、〇は修行の成就。
  • この作品の英訳を仙崖の弟子と自称した鈴木大拙は「ユニバース(宇宙)」とした。出光佐三は「宇宙を表した作品」であるとし、〇はゼロ・無限、△は閉じた形を示して一つ、▢は△が二つ合わさったもので多数。宇宙そのもの。▢の現実的世界から○という絶対無へと時間をさかのぼると考えている。

2011年に金沢の鈴木大拙館を訪問したtき、大拙解釈の絵をみた。この図では、▢の中に△を含ませているが、△は少しはみ出ているのも面白い。

私の書斎には、「吐鳳」(亀井南冥)の額と、仙厓の「〇△▢」の図を掲げてる。この図はみるひとに解釈をゆだねている感じがある。一生かけて私の解釈を育てていこうと思う。

 

参考:『仙厓 BEST100』(出光美術館