橋本大也『頭がいい人の ChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)を読了した。
ビジネス・コミュニケーションには「理解」「企画」「伝達」の3つのシーンがある。この3つをバランスよく大きくしていくのが、仕事で成長することである。それぞれ、学校教育では「よむ」「考える」「かく」だ。難しい言い方をすると、「認識」「創造」「表現」となる。私たちは生まれてから死ぬまで、この3つの能力を磨いているともいえる。
そういう私の考えから、「生成AI」を使うにあたってのこの本の主張を整理してみよう。
- 「理解」ーー学者として使う。
数十億冊を読んだ前代未聞の物知りから援助してもらう。
- 「企画」ーー思考のパートナー、アシスタントとして使う。
思考(調査。考える。要約。分類整理。シミュレーション。BS)。
企画(アイデア。新商品開発。企画書)。
- 「伝達」ーー中級テクニックを身につけたエンジニアとして使う。
プレゼン。可視化。各種生成AI(音声、動画、音楽など各種)
「生成AI」については、いくつか概念的な本、テクニックに偏った本をみてきたが、この本は、生成AIとは何かを噛んで含めるように説明してくれている。また具体的なプロンプトの書き方とAIの応答を並べてくれているので威力がよくわかる。そしてQRコードを使って、スマホで音声や動画などにアクセスできるという配慮も嬉しい。
今のところ、初級から中級あたりの読者にとって、この本以上の本は無いと思う。
2023年2月のデータを使って、2024年3月18日に刊行しているので、実際にプロンプトを打ち込んでみると、応答は進化している。開発のスピードが速いことを感じる。
この本の表紙には「仕事時間が3分の1になる!」になると書かれている。仕事と作業は違う。仕事は人間が行い、作業はITにまかせる。社内に仕事を残し、作業は外注する。こういう考え方からすると、仕事は人間が行い、そのための作業は生成AIにやってもらうということになる。
実際に時間を費やすのは、作業の方が多いのが実態だろう。そうすると今までの仕事時間の3分の2が削減されることになる。削減された時間は、創造的な時間として活用するか、あるいは仕事以外の時間として使えることになる。勤め人にとっても仕事革命が劇的に進行することになるだろう。また自由人にとっては、創造的な時間が増え、楽しみの時間も増えて、さらに豊かな人生が待っていることになるはずだ。
この本に沿って一人で学ぶのもいいが、初級者による読書会で、一緒に勉強するのもいいかも知れない。
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「連作と大作」。
「図解塾」の準備
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「名言との対話」3月26日。萩原健一「ジェットコースターのような人生だったけども、今後は2人でメリーゴーランドのようなゆっくりした人生を歩みたい」
萩原 健一(はぎわら けんいち、1950年〈昭和25年〉7月26日 - 2019年〈平成31年〉3月26日)は、俳優・歌手。享年68。
グループサウンズの代表格、テンプターズのボーカルとして「エメラルドの伝説」を歌うなど華々しい活躍をした人である。タイガースの沢田健司研二(ジュリー)と並び、ショーケンとして人気を二分していた。その後、歌手だけでなく、俳優としてもい仕事をしている。『誘拐報道』でニホンアカデミー賞の優秀主演男優賞、『青春の蹉跌』でキネマン旬報ベストテンで最優秀主演男優賞も受賞している。
最期にみたのはNHK大河ドラマ「いだてんーー東京オリムピック噺ーー」の高橋是清役。このシーンは死後に放映された。
めまぐるしい生涯であった。飲酒運転での人身事故、交通事故、恐喝事件などでの逮捕歴。4度の結婚歴(2度目はいしだあゆみ)。一方で、生き方や演技のなどで、同世代や若手の芸能人に対する影響力も大きかった。
私とは同い年でもあり、この人のアップダウンのニュースには時折触れていたが、詳しくは知らなかった。今回ショーケンの言葉を少し知ることができた。
「今、新しい映画の脚本を書いているんだ。何かやりたいなら自分で動かないとね」。自分で動くから、トラブルも多くなったのだろう。
「団塊世代よ、脱皮して新しい50代を楽しもうぜ」と語ったが、実際には、10年遅れたようだ。2011年の60歳での4度目の結婚の時には「ジェットコースターのような人生だったけども、今後は2人でメリーゴーランドのようなゆっくりした人生を歩みたい」と語っている。その後は芸能活動をしながら、東洋思想や仏教研究に取り組んだ。
「でも死なんて、メイビー、無になることでしょ。死の世界はホワイト。真っ暗じゃなくて真っ白って感じ。何も残らない。オレにはそれで充分ですよ」と死生観を語っている。
60代の前半にで空海と真言宗を語っている。「空海との縁でいうと、20年ほど前に四国88カ所を巡礼しているんです。あのときは66番札所の雲辺寺、毘沙門天の前ですごい達成感を覚えてね。オリエンタルなものを直観した。空海を演じる前に、あの感覚を再確認するため、もう一回88カ所を巡ったんです」。そして、「金剛峯寺というか、真言宗側は僕に対してとってもジェントリーですよ。とってもソフトでね。一歩、譲ってくれてます」。東洋思想、仏教、真言宗に心を奪われていたようだ。
「オレの人生は壮大な無駄使いでした」と総括したが、最晩年の10年近くは、落ち着いて、空海との同行2人を楽しんだのだろう。