NHKテレビテキスト『内村鑑三 代表的日本人』を読んで。

内村鑑三『代表的日本人』は西郷隆盛上杉鷹山二宮尊徳中江藤樹日蓮を取り上げた英語の書である。NHKテレビテキスト『100分で名著 内村鑑三 代表的日本人』を読んだ。

原型は1894年の『日本及び日本人』で、その人物論のみの改版として1908年に出版されたのが『代表的日本人』である。他者の伝記のかたちをした内村鑑三の精神的自叙伝でもある。1894年の講演録『後世への最大遺物』の下巻的位置づけだ。

アメリカの哲学者・エマソン『代表的人間像』ではプラトン、スエーデンボルグ、モンテーニュシェイクスピア、ナポレオン、ゲーテの6人を取り上げている。それに倣ったものだ。

内村鑑三の思想。

  • 人間の生涯とはこの世だけのものではなく、死んだ後も持続する。人間は永遠なる存在である。
  • 人間が何かをするのではなく、人間は無私になって天の道具になるのがもっとも美しい。
  • 使命は一人の個人で完成されることはなく、必ず受け継がれる。「私」の使命ではなく、「私たち」の使命である。
  • 人間における「樹木的成長」。種は光と水と時の力が加わって。いずれ木になる。果実を食べた者がその木が何であるかを知る。
  • 人生とは業績ではなくて、その過程すなわち生きる事への態度におてのみ測られる。
  • 「生涯」はいつも個に始まり、個には終わらない営み。未知の他者とともに創造的な営みに従事する。

私たちには、自分の生涯を書くことができます。さらに私たちは自分の「代表的日本人」を書くことができます。書かれた言葉は読まれることによって完成に近づき、さらに書かれることによって変貌していきます。

「余の愛する者は生涯の目的を達せし者なり。彼の宇宙は小なりき。されどもその小宇宙は、彼を霊化し、彼を最大宇宙に導くの階段となれり」(「キリスト信徒のなぐさめ」)。ここでいう「彼」は内村は妻のことを言っているのだが、それは「真面目なる生涯」を送った人々のことである。

さて、私が「幸福塾」で始めた「新・代表的日本人」シリーズと、「図解塾」で始めた「図解ジャパン」プロジェクトを合わせて、「日本・日本人」が究極のテーマとなったのだが、それは日蓮中江藤樹上杉鷹山二宮尊徳西郷隆盛を100年前に内取り上げた内村鑑三の後を継いでいることになることを発見した。この代表的日本人たちは、孔孟の教えを代表とする中国の影響を多分に受けている。つまり東洋思想を体現した人物たちなのだ。

そして内村と同じように、近現代を対象とする「新・代表的日本人」シリーズとその基礎資料となっている「名言との対話」は、私の自伝的、精神的要素も含んでいる。内村鑑三は私の先達である。

この学びは、内村が参考にしたエマソンの『代表的人間像』につながっている。日本人の研究が西洋のプラトン、スエーデンボルグ、モンテーニュシェイクスピア、ナポレオン、ゲーテという西洋の歴史に登場する偉大な人間像につながっているのだ。

「使命は一人の個人で完成されることはなく、必ず受け継がれる。「私」の使命ではなく、「私たち」の使命である」という内村鑑三の言葉の通りだ。

東洋と西洋の人類全体の人物と思想、人間の生き方の研究の流れの中に今の私の日々があることを認識するいい機会になった。

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朝:寺島さんから電話:近況の交換。近々、会うことになった。

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「名言との対話」4月23日。岡江久美子「人と関わるだけで、自分が生きてる証が残っていく」

岡江 久美子(おかえ くみこ、1956年昭和31年〉8月23日 - 2020年令和2年〉4月23日)は、日本女優タレント司会者

東京都出身。1975年、18歳TBSドラマ『お美津』でデビュー。1978年から5年間、『連想ゲーム』の赤組」レギュラー解答者。白組のレギュラー解答者の大和田獏と結婚。

1991年から1999年の『天までとどけ』では母親役を演じた。

1996年から2014年までの17年半、朝の『はなまるマーケット』の総合司会を薬丸裕英と二人でつとめ、全国に知られる。放送ウーマン賞を受賞。

2020年4月3日、新型コロナの疑いを受ける。6日、容態が急変。集中治療室に入り人工呼吸器を装着。8日、PCR検査で陽性。23日に死去。6日から17日間、家族は接触はできなかった。全国的に顔を知られた女優の新型コロナによる63歳の死のニュースは、衝撃を与えた。

その一月前の2020年3月29日に新型コロナでコメディアンの志村けんが亡くなった。1950年生まれの志村の場合は3月15日から体調に異変があり、陽性と判断されてエクモを装着するも29日に亡くなった。新型コロナによる70歳の志村けんの死去は国内外に衝撃を与えた。

志村と岡江の二人の死は、新型コロナの恐怖を身近にした。その後、2020年には経済界も含めて数人の著名人が亡くなったが、それ以降は死因は明らかにされていないようで、調べてもわからなかった。報道上の配慮があったのだろう。

私の母の場合は、ワクチンを打って数日後に体調が急変し、その10日後の2021年6月21日に94歳で亡くなった。死因は別のものだったが、私は今でもワクチンの影響だったのではないかと疑っている。

健康オタクであった岡江久美子は、明るい性格と人懐っこい笑顔が印象的な女性だったが、新型コロナによるごく初期の感染による死亡であったため、その名前が国民の記憶に象徴的に深く刻まれることになった。