青山の岡本太郎記念館は何度訪ねただろうか。

岡本太郎記念館で開催中の「岡本太郎の言葉」展で買った四冊の本を読み終わった。

不思議なことに岡本太郎は自画像は一枚も書いていない。
自伝的な文章には、みすず書房の「リリカルな自画像」と「疾走する自画像」などいいものがある。
「リリカルな自画像」は、性に目覚める青春時代の思い出がいい。
子供時代、パリ時代の体験が叙情豊かに描かれている。
若い心が揺れ動いている様子がよくわかるが、岡本太郎の直線的な物言いとは異なって、豊かな情感と青春の惑いが描かれている。
「あとがき」で岡本敏子は「無邪気で、お茶目で、ダンディで、詩人でもある。エロティックな太郎さんも素敵だ」と語っている。

「疾走する自画像」の方は、32歳からの5年間に及ぶ軍隊生活の記述「わが二等兵物語」「戦地の読書」などの文章に
興味が湧いた。生涯最暗黒時代を、「オレは最悪を引き受ける」と賭けて、生き延びる。
意外なのは原稿を断る時の辛さだというエッセイもあった。気の弱さにいやになると書いている。岡本太郎でもそういうことがあるのか。
朝は書き入れ時で孤独な充実した時間で、10時過ぎると電話が鳴り始めるから、その前に仕事を済ます。
養女で実際は奥さんだった岡本敏子は「あとがき」で、「笑っても、憤っても、走っても、寝転んでも、そこに岡本太郎がいる」と愛情をこめて書いている。

「これから---岡本太郎の書」
「字は絵だろ。」という以下もと太郎の自由奔放な字体の書。

ピカソ講義」(ちくま学芸文庫
20代そこそこの岡本太郎と50代のピカソとの出会い。

  • 彼はとじこめられてしまったんだ。「成功」の中に。
  • 人間であるというよりも、むしろ美術の神にされちゃっている。そこが逆にピカソの悲劇だけれど。
  • 逆だと思うんだ。つくらからエネルギーがわき上がり、衝動が確認される。
  • 人生の中で共感した存在、その出会いについて語るとき、学者や評論家ふうに、己を抜きにして外側から解説しても、意味はないように思う。

ピカソゲルニカは、渋谷の「明日の神話」だ。

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1月31日。
本日が命日の先人の言葉。

  • ジャイアント馬場:基本である1、2、3をきちんと練習しないで、いきなり4とか5をやるな

本日誕生の先人の言葉。

  • 徳川家康
    • 強敵がいなくなれば、こちらの力も弱くなる。
    • 諫言は一番槍にまさる。
    • 人の一生は重荷を背負て遠き道をゆくがごとし、いそぐべからず。不自由を常とおもえば不足なし。こころの望みおこらば、困窮したる時を思ひ出すべし。堪忍は無事長久の墓、いかりは敵とおもへ。勝事ばかり知りて、まくることを知らざれば害其身にいたる。おのれをを責て人を背むるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。
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今日の収穫
楠木早紀(競技かるた永世クイーン)

  • 集中力が極限まで高まっていると、札が光るときがある。
  • 私は、自分の研究はしますが相手の研究はしません。自分の最高のパフォーマンスができれば勝っても負けてもいいと考えているからです。私が勝負しているのは、目の前の相手ではなく自分自身