卑弥呼(1位)から大久保利通(最下位)まで--人物と業績の相関

k-hisatune2008-06-28

学力テスト「特定の課題に関する調査(社会)」の調査結果が公表され、新聞で紹介されている。
日本の歴史上の人物と業績との関係を組み合わせる問題(小学校6年生)では、正答率のワーストから並べると、大久保利通木戸孝允大隈重信小村寿太郎明治天皇勝海舟伊藤博文陸奥宗光板垣退助西郷隆盛となった。ベストから並べると、卑弥呼、ザビエル、ペリー、野口英世雪舟杉田玄白福沢諭吉織田信長聖徳太子伊能忠敬となった。明治維新以降の近代日本を建設した人物に対する認識が著しく低い。福沢がこれほど高いのは一万円札の影響だろう。
私が最近熱中している「人物記念館の旅」は、主として明治以降に活躍した人物に焦点をあててきたが、小学生たちはちょうどこういう偉人についてあまりよく知らないということになる。時間軸での遠近の見え方の問題もあるのだろうが、近代日本に対する認識を深めていく工夫が必要と思う。
また、国立教育政策研究所の考察を読むと、小学校・中学校とも指導の工夫では「表現」(人物年表・人物事典、関係図、まとめ)が重要なテーマとなっていることがわかる。ここでも「図」がキーワードとなると思う。

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特定の課題に関する調査(社会)結果のポイント(国立教育政策研究所

小学校
教師が重点的に指導した人物については正答率が高い傾向。その際、児童に興味を持たせるエピソードを扱ったり、人物年表や人物事典作りなどの表現活動を取り上げるなど、指導を工夫していると回答。(小学校:基礎・基本となる知識・概念)
解決策を自らの知識や経験と結びつけ、具体的な取組やその効果までを取り上げて、表現することは不十分。(小学校:問題解決的な学習)

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中学校
歴史的分野では、歴史上の人物や歴史的事象の正答率は約70%。新しい用語の意味を調べたり、年表を利用したり、学習内容を関係図にまとめる学習を行っている生徒は正答率が高い傾向。(中学校:基礎・基本となる知識・概念)
地理的分野では、地形図や資料を読み取り、比較しながら、分かったことをまとめる力が十分に身に付いていない傾向
(中学校:問題解決的な学習)

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土曜日の午後は、新宿区落合の林芙美子記念館を訪問した後、夜は渋谷で青年海外協力隊の一員としてラオスでの2年間の看護師・保健師の仕事を終えて帰国した姪のかずよちゃんの歓迎会。この2年間でたくましくなっていた。こういう若者がいることは素晴らしい。