「アマゾンミュージック」で「偉人の名言」(提供・久恒啓一)などが聴けるようになりました。

アップルのAIホームスピーカーで「アレクサ!「偉人の名言」」と指示すると、「アマゾンミュージック」よりということで岡田社長の「こえラボ」で流していた「偉人の名言」(提供・久恒啓一)が流れてくることを発見しました。

そういえば、アマゾンから数か月前にそういう話があり、同意した記憶がよみがえってきました。拙著「偉人の名言366名言集」で取り上げた1年間366の名言が流れてきます。

「アマゾンミュージック」を開いてみると、30分番組の私の「ビジネスに活かす偉人の名言」の5分ほどの説明のコーナーも50本出てきました。

Amazon Music:は「音楽やポッドキャストが聴き放題」となっており、ミュージックだけでなく、最近ポッドキャストの番組が数多く入りコンテンツが豊富になったということになります。

因みにライバルのグーグルのホームスピーカー「OK!グーグル」で「偉人の名言」を呼び出してみましたが、入っていませんでした。

 「こえラボ」

 

koelab.co.jp

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名言との対話」5月9日。泡坂妻夫「あわさかつまお」

泡坂 妻夫(あわさか つまお、1933年5月9日 - 2009年2月3日)は日本の推理作家、小説家。

東京・神田生まれ。「松葉屋」の屋号を持つ紋章上絵師(和服に家紋を描き入れる専門の絵師)の家に生まれる。定時制で高校に通いながら約5年の会社勤めを経て、家業を継いで上絵師として働いた。

家業の傍ら幻影城新人賞に応募した短篇『DL2号機事件』が佳作入選して1976年に43歳で作家デビューした。1978年『乱れからくり』で日本推理作家協会賞、1982年 『喜劇悲奇劇』で第9回角川小説賞、1988年『折鶴』で泉鏡花文学賞、1990年『蔭桔梗』ではついに直木賞も受賞している。

泉鏡花文学賞を受賞した『折鶴』は「縫箔の職人田毎はパーティでかつての恋人だった鶴子と再会した。かたくなに手仕事をつづける田毎と手広く事業を広げる鶴子。この二人の出逢いが悲劇へとつながる」作品である。

直木賞を受賞した『蔭桔梗』は、下町の紋章上絵(うわえ)師を主人公職人の世界と男女機微を描いた作品だ。

泡坂本人が紋章上絵の職人であることで、縫箔職人や紋章上絵職人など職人の世界を舞台にした「人情もの」小説を書くことができたのだ。

逆説を多用する作風から「日本のチェスタトン」と呼ばれた。ギルバート・キース・チェスタトンはイギリスの作家、批評家、詩人、随筆家で、推理作家としても有名な人である。「私の成功の秘訣は敬意を持って最善のアドバイスを聞き そのアドバイスの全く逆を行ったことである」という考え方の人だ。「『本を読みたい』という熱心な人間と、『読む本が欲しい』という退屈した人間との間には、大変な違いがある」「それは失われるかもしれないのだ、と考えてみれば、どんなものでも愛することができる」「人は、あるいは宇宙を知っているかもしれない。でも、自分自身のことはわからない」「「考える機械」などと言う言葉は、近代的な運命論や唯物論の愚にも付かないたわごとである。機械は考えることが出来ぬからこそ機械なのだ」「解決策がわからないのではない。問題がわかっていないのだ」「酒はハッピーな時に飲もう 不幸だからという理由で飲んでは決してならない」「徹底的に現世的な人々には、現世そのものを理解することさえできぬものだ」などいい箴言が多い。

日本推理作家協会賞受賞作の『乱れからくり』以外にも、人気のある作品をあげてみよう。劇中で用いられているトリックのタネを書籍自体に施した『しあわせの書』の説明では「驚愕! こんなことが出来るとは。マジシャンでもある著者が企んだ、「紙の本ならでは」の仕掛け。 未読の人には、絶対に本書のトリックを明かさないで下さい」とある。袋綴じされているページを切り開くと内容が変化する『生者と死者』では、「「消える短編小説」入ってます!そのまま読むと短編小説。袋とじを開いて読むと、なんと!〔お願い〕はじめは各頁を切り開かず、必ず袋とじのままお読み下さい」とある。こういう紙媒体でしか成立しない仕掛けを施した、遊び心と技巧が一体となった作品にもファンが多い。

作中で活躍する探偵役たちはつながっているし、シリーズを終了させる際にパーティ場面を設定して、これまでの全主要人物が一堂に会する恒例のパターンなど、こまかな遊びがファンを喜ばせている。

作家活動と並行して家業の紋章上絵師の仕事も続け、その経験・知識から、家紋についての本もある。

奇術愛好家兼奇術師(マジシャン)としても有名で、1968年には創作奇術で第2回石田天海賞を受賞している。また、自身の本名を冠した奇術の賞に厚川昌男賞がある。厚川昌男賞はオリジナルな発想をするクリエイターに焦点を当て、「厚川昌男氏が気にいったマジシャンを選ぶ」という方法で選出される。2005年まで15回続いた。受賞者のほとんどが、マジック界の第一線で活躍しており、それは選択眼の確かさを証明している。

本業である紋章上絵師としての職人渡世、仕掛けの多い推理小説の作者、人情ものの手練れの作家、玄人はだしのマジシャン趣味など、この人の経験した世界は、広範でかつ深い。そういった独特の宇宙を生み出した泡坂妻夫という意味深なペンネームを名言として取り上げたい。

泡坂妻夫というペンネームは、本名の厚川 昌男を「アナグラム」を使ってつくりだしたものだ。アナグラムとは単語または文の中の文字をいくつか入れ替えることによって、全く別の意味にさせる遊びである。「あつかわまさお」を並び替えた「あわさかつまお」を漢字に直したもの意味深な作品である。説明が難しかったようで、他の理由でペンネームを説明していたという。わたしもアナグラムでに挑戦してみたがうまくいかなかった。不思議な人である。さて、何を読もうか。