5月分「名言との対話」(大正から昭和へかけて生まれた人が対象)の人選と25冊の本を注文。

5月分「名言との対話」の人選と25冊の本の注文。「大正から昭和へ」かけて誕生した人を選んでいます。私の父母と同世代の人たちです。生存している人、亡くなった人も。
宗左近。岩橋明子。金沢弘和。井筒俊彦。オーソン・ウェールズ。小泉清子。逸見謙三。橋田寿賀子。椎名武夫。佐々木正由利徹瀬戸内寂聴池宮彰一郎加藤九祚ポル・ポト。太田敏郎。半藤一利村松喬。深沢邦朗。野上照代。佐原眞。キッシンジャー。西尾孝。安芸ノ海。神戸淳吉。
名前しか知らない、名前も知らない、そういう人が多い。不案内な分野も多い。最近亡くなった敬愛する人も交じっている。さて、5月にはどんな人生を垣間見ることができるでしょうか、楽しみです。
人選がまだの日:5日。9日。14日。26日。29日。
本日で「名言との対話」は1836日目。6月には2000日となる予定。
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図解塾の準備。
・今週水曜日の図解塾の準備:図解文章法について。
・来週の図解塾・課外授業の準備:ライフワークについて。
・6月初めにプレジデント社から出る新刊の表紙デザイン案が6つ届きました。図解塾の塾生にアンケートをとってみようかな。
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「名言との対話」4月19日。千宗室(第15代)「伝統と伝承」
千 玄室(せん げんしつ、1923年大正12年)4月19日 - )は、茶道裏千家家元15代汎叟宗室
14世家元淡々斎宗室の長男として生れる。学徒出陣で海軍に入隊し特攻志願。 1946年復学した同志社大学経済学部卒業後、ハワイ大学美学を専攻し人文博士号を取得。1949年京都市大徳寺で参禅得度し、鵬雲斎玄秀宗興居士の号を受けるとともに虚心庵住職となる。1964年  15世を襲名 
茶道文化の普及発展に努め、50数ヵ国を訪問。フランス政府よりコマンドール芸術文化勲章を授与されたのをはじめ、ブラジル、西ドイツ、イタリア、フィンランドからも勲章を贈られた。
1989年文化功労者。 1997年文化勲章受章。『茶の精神』『茶の真諦』『茶経とわが茶道の歴史的意義とその展開』など著書も多い。
いい機会なので「お茶」について第16代宗室のNHKテキスト『趣味どきっ! 茶の湯 心を通わすお茶』で少し勉強した。
茶の湯は、美術工芸、建築、造園、禅、料理、香、花、書、和歌など幅広い要素で成り立っている。「賓主歴然」(異なる立場)「賓主互換」(互いに慮る)「無賓主」(一体感)を大切にしながら、「一座建立」(主客が心を通わす)を目指す遊芸である。
侘び茶を大成した千利休の茶道は、裏千家(加賀前田家)、表千家紀州徳川家)、武者小路千家(高松松平家)にわかれていく。
戦国から江戸時代では大名や武家、明治時代は欧米文化の流入で危機を迎えるが裏千家11代は『茶道ノ源意』という建白書を提出して伝統を守った。鈍翁、三渓などの財界人がたしなんだ。茶道を学ぶ女性が増え、学校の授業やクラブ活動でも盛んになる。そして宗室の時代に、国際化が進んだ。
利休は「利休七則」。「茶は服のよきように点て 炭は湯の沸くように置き 花は野にあるように 夏は涼しく冬暖かに 刻限は早めに 降らずとも雨の用意 相客にせよ」
92歳の時に最新鋭艦「出雲」で行われた海上自衛隊シンポジウムの基調講演の映像をみた。帝国海軍の戦闘機乗りだったこの人の講演のテーマは「海軍の伝統と伝承」だった。古巣で青春時代を思い出しながら語っていた。体格もよく、眼光鋭く、表情豊かに、身振り手振りを縦横に使った熱の入った話しぶりだ。朝4時起きで、5時からは今でも「海軍体操」をするとのこと。
伝承とは伝統を絶やさず受け継いでいくこと。実践、実社会で活かしていく。口で伝える、体で体得し、次代を担う後輩たちに魂を引き継いでいく。自身は文武両道の見本で、文はお茶、武は海軍だそうだ。そして、お茶と海軍も伝統と伝承が重要と締めくくった見事な講演だった。大正12年生まれだから私の父と同じ年で、本日で98歳だ。
「伝統」という言葉には、「革新」が続くケースをよくみてきたが、「伝承」がペアになったのを聞いたのは初めてだ。伝統を伝承によって受け継いでいくには、時代に応じて新しいことにチャレンジして伝統を覚睡させていくことが必要だ。だから伝統があるということは革新の連続である。そう理解しておこう。
 

茶の湯 裏千家 心通わすお茶 (NHK趣味どきっ!)