『図解塾』では、「梅棹忠夫著作集」大7巻の「日本史のしくみーー変革と情報の史観」の講義を開始。テーマは「水軍説」「陸軍国の誕生」「おんな・情報から実体へ」「合理化の時代」。
以下、塾生の学び。
- 本日もありがとうございました。中学や高校の歴史の授業で習った断片がつながったとき、それまでは無味乾燥だった一つ一つのことがらが意味をもってくる、そんな体験をしました。梅棹忠夫先生独自の史観で日本史の「?」が明らかになったような気がします。3世紀の卑弥呼の時代と5世紀の大和朝廷の時代の間の空白、ここを「水軍」というピースで埋めました。誰も思いつかなかったことです。そして結局は陸、すなわち「馬」が主役になるのですが、ここで馬を情報伝達の手段と結び付けているのはすごい。現代でも残っている大安・仏滅などや恵方その他、道教に源を発する陰陽道から来ているのを初めて知り、日本人の宗教観、というより風俗習慣の不思議が一つ解けました。飛鳥時代や奈良時代に女帝が活躍したことも、認識を新たにしました。明治時代にだいぶ歪められて、女性天皇を認めないということになりそれが現在でも一部の国会議員などが強硬員に主張しているのはあまりに馬鹿馬鹿しいと再認識しました。次回以降もどんな新たなことを知るか、楽しみです。
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本日もお疲れ様でした。今回は、邪馬台国と大和朝廷の間は文献がない空白の1世紀とし、水軍がやってきて大和朝廷を打ち立てた。というお話。出土品に馬具がないことから、なるほどと思いました。その後馬の時代となり、大和国家は、陸軍国となった。ここでは、ウマを輸送や情報の伝達に使い、ウマがコミュニケーションの手段となった。と流れがよくわかるお話でした。馬喰の豪族→馬喰町。この気づきは面白かったです。次は、卑弥呼から始まる女帝の時代。飛鳥、奈良とこんなにも長く女帝の時代が続いていたとは知りませんでした。争いがなく平和だった。平安時代には国家が女性的体質となり、近代は宗教の開祖に女性が多い。女性に注目した流れもよくわかりました。天皇が女性でもよいのではと思いました。最期に平安時代に道教陰陽道がでてきて、仏教にとってかわっていったけれど、今では大安とか仏滅とか、、、残っていて、知らずに気にしているなぁと、思いました。 図にまとまっているので、本を読むとわけわからなくなりそうですが、お話として面白く聞けました。これらの時代のことが書かれた漫画など読むのも楽しいかもしれませんね。次回は予定があり参加できないので残念ですが、その次、またよろしくお願いいたします。
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- 10月の図解塾に参加させていただき、大変有意義な時間を過ごすことができありがとうございました。梅棹忠雄先生の著作「日本研究」を図解で学び、皆さんと共有することができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。図解塾で学んだ内容は、私の視野を広げ、新たな知識を得ることができました。特に、「水軍説」についての学びは、日本の歴史に対する新たな理解をもたらしました。ツングース族の水軍が大和朝廷を打ち立てたという考え方は、私にとって全く新しい視点でした。これまで考えたこともなかった視点から歴史を見ることで、歴史に対する理解が深まりました。また、「陸軍国」についての説明も興味深かったです。ツングース族の水軍の舟の時代から大和国家として勢力を広げた物部氏や大友氏の時代である馬の時代へと移り変わる過程で、情報メディアやコミュニケーション手段がどのように変化したかを理解することができました。これにより、時代背景や文化が、情報伝達の方法にどのように影響を与えたかを理解することができました。 「おんな・情報から 実体へ」では、卑弥呼から影響を受けた女性支配の日本の構造を学ぶことができました。特に持統天皇が政治的に優れた人物であったことを改めて認識しました。女性が社会や政治において重要な役割を果たしてきた歴史をあらためて学ぶことができました。「合理化の時代」については、陰陽道がどのように発展し、日本社会全体に広がったかを図解を通じて理解することができました。これは、私たちが今日目にする神社や祭りなどの背後にある歴史的な背景を理解することができました。今回の図解塾を通して、私は自分自身の知識や視野が広がったと感じています。また次回も楽しみにしております。
- 久恒先生、みなさま、本日もありがとうございました。今回は、梅棹忠夫著作集第7巻「日本研究」の中の「日本史のしくみー変革と情報」について、4枚の図解「①水軍説」、「①′陸軍国の誕生」、「②おんな 情報から実体へ」、「③合理化の時代」で解説がありました。図解の中に学生時代に学んだキーワードが所々にあったのですが、学校では聞いたことがなかった形でつながっている関係性を見て、梅棹先生の斬新なまとめ方というか、研究の切り口(独自の視点)に今回も驚き、今頃になって新しく学び直しできたことが嬉しかったです。特に「③合理化の時代」にあった時代とともに変化した思想については、(日本の)神様から道教、仏教へとの変化した関係性について、まじない合戦といったふうに表されていてわかりやすかったですし、各時代の権力者の影響もあったはずなのに他方を根絶やしにせず、合理化を図ったとのこと。少なからず共存させていることを知り、日本独特の文化というか、日本の多様性がこんなところにもあったんだと再認識できました。 また、現代において、この日本独自の文化を題材、ベースにしたマンガ本やアニメーション映画などがたくさん発表され、現在、国内外を問わず人気が高い作品も多いです。絵やストーリーの技術面以外に、人間として何か共感できる点があるのかなと少し興味が湧きました。もし、梅棹先生がご存命であったら、どのような分析をなさるだろうかとも思いました。次回も新たな学びを楽しみにしていますので、よろしくお願いいたします。
- 久恒先生、皆様、おつかれさまです。本日、図解塾。先ずは久恒先生よりブログ紹介頂きウォーミングアップ。 a) 寺島先生の『世界を知る力』:3年9か月ぶりのロンドン、『エコノミスト』誌の「インテリジェンスユニット」を取材、解析され優先度が加味された情報、統合された総合情報(=インテリジェンス)。本質の理解が求められる場。『Covid19』:イギリスでは23万人が死亡、国民健保が破綻、入れない人びとが犠牲に。一方日本での死者数は7.5万人で致死率は低い、しかし国産ワクチンが作れなかった事、コロナ病床の不足は今後に生かすべき教訓。『BREGRET』:BREXITを後悔(Regret)するイギリス人、これにEUは様子見。『ウクライナ』:キッシンジャー・ドクトリン(Doctrine:政治外交軍事における基本原則)、ヘンリー・キッシンジャー1923年生まれ100歳!元米国国務長官、現在も絶大なる影響力!ウクライナのNATO加盟について、最近「支持」に転じた、ただし「クリミヤ半島とドンバスは諦める事」。これにゼレンスキーは反発。『日米英3国同盟今昔』:かつては世界GDPの半分をこの3国でカバーした、いまそれが1/3以下に。実力以上のインフレに喘ぐ日本、対ドル為替のピーク値は75JPY/USD(2011年)、いま150JPY/USD(2022年10月)で価値は半減。 b) 『世界遺産、大シルクロード展』東京富士美術館にて入手された、平山郁夫画伯自著「ぶれない」を読了。「生立ち」「出会い」「出来事」「価値観」「関心・能力・性格」「キャリアデザイン」「学習歴」「仕事歴」…久恒先生ご提唱の「人生鳥観図」と同じ構成!画伯の集大成であり、生きた証の感。「一流人と付合う」「ひとつの課題を継続し続ける」「教養を幅広く養う」大切な要素。 c) 『本居長与』(もとおりながよ1885-1945)作曲家、本居宣長の6代目子孫、「七つの子」「赤い靴」…、だれもが知る童謡を多く世に送った「日本童謡の祖」。 d) 浅沼稲次郎(1898-1960)政治家・日本社会党党首、活気にあふれる一方粘り強い気質、演説中に暴漢に襲われ死去、国会での追悼演説を池田隼人氏が務めた、ライバル政党の党首が行う慣習は現在も残っている。 e) 前野良沢(まえのりょうたく1723-1803)『解体新書』の主管翻訳者、図中の単語を本文中に見出し類推して意味を探るという手法、図を通して理解を深めるアプローチはもはや図解。f) 生成AIを使って川柳を作画。今後動画作成にもチャレンジしたい由。米ロサンゼルスではYouTuberが話す言葉を自動翻訳、演者の声でリアルタイムに世界へ発信できる世の中。新しい世界への広がりに期待。…さて本題、本日は『梅棹忠夫著作集』第7巻「日本研究」「変革と情報の時代」の1回目。前回に続き、久恒先生お手書きの図メモに基き各塾生が起こしたパワポを使ってレクチュア頂きました。① 日本史のしくみ『水軍説』:3世紀(邪馬台国)~5世紀(大和朝廷)との間にできた「空白の1世紀」についての見解。歴史家には「物的証拠」が必須だが、何も出てきていない。騎馬民族説も有ったが馬具の出土がない。梅棹先生は「ツングース海軍が大和朝廷を築いた」なる学説を世に問うた。騎馬民族説も有名だった ツングースがルーツ とする説、大陸の奥地暮らす騎馬民族が 高句麗、百済を経て日本へ。 証拠はないが補助線を引くように「仮説」を立てる事で不明点が解ける。 ①dash 日本史のしくみ『陸軍説』:西から強くなり、武士となって鎌倉(源氏)へ。「舟」から「馬」へ、『情報メディア』(新聞と同じ)は形を変えて伝承。『馬喰』(ばくろう)という職業、全国の村々を踏破し馬を売る、のみならず情報を伝えメディアの役割を担う。② おんな・情報から実態へ:女性支配の時代飛鳥、奈良、平安時代、ずっと続く。女性が情報伝達者だった。近代は宗教家として活躍。世界的に少数の女帝、飛鳥・奈良時代では5代続いた。トップは女性が良い。権力争いがないから ?③合理化の時代:古代日本には神様が居た、お祓い=消毒の意、平安時代、「陰陽師」疫病、動乱を鎮める⇒防災の役割、天文学:陰と陽、陰陽師。権力闘争に敗れた人々の魂、恨みの情念を抑える…お祭りの意味…悪霊退散。やがて仏教が入り、陰陽道との思想闘争へ。その後廃れるが、「大安仏滅…」など今に伝わる生活様式となり残っている。全体を通じて、(1) 今に繋がる地名(馬喰町)、習慣(大安吉日など)に見られる陰陽道の存在や、昭和初期まで続いたといわれる職業(馬喰)、など、駆逐される事の無い日本文化の寛容性への気付き、(2) 飛鳥・奈良時代では「女帝」が5代続いたという今迄認識の無かった事実、(3) 『ツングース』(ユーラシア大陸奥地に暮らす民俗)の移動~馬喰としての日本への定着といった、歴史・地理双方視点のみならず、世界~東西日本という大小さまざまなスケールで幅広く考察された梅棹先生のご研究成果は今回も見事に「腑に落ち」、具体的・論理的であった事、以上が本日の学びとなりました。有難うございました。次回も宜しくお願い致します。
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本日。
書斎のかたずけ。谷村新司「昴」「サライ」(「サライ」の気持ちで故郷を出て、今は「昴」の心境)。日本保守党結成会見(百田尚樹)。井口資仁氏インタビュー「走攻守。3割30本30盗塁。2000本安打。キャリアハイ」(NHKラジオ深夜便アーカイブ)。NHKeテレ「民博の裏側」。
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「名言との対話」10月18日。トーマス・エジソン「私は一日たりと、いわゆる労働などしたことがない。何をやっても楽しくてたまらないから」
トーマス・アルバ・エジソン(英: Thomas Alva Edison、1847年2月11日 - 1931年10月18日)は、アメリカ合衆国の発明家、起業家。
「発明王」エジソンは、生涯で1300もの発明と技術革新を成功させた。この人の異名は多い。「映画の父」、「メロンパークの魔術師」、そして「訴訟王」というのもある。GEの創立者の一人でもあった。
エジソンは「独学」の人であった。子どもの頃から異常なほどの知りたがりであり、「1+1」はなぜ2なのかというような問いで周囲を困らせている。
「蓄音機」、「白熱電球」、動画撮影機「キネトグラフ」、「トースター」などの発明が有名だ。
エジソンは昼夜を問わず、発明に没頭した。80歳を過ぎても一日16時間のペースで研究を続けた。要するに24時間働いてたのである。
「天才は1%のひらめきと99%の努力」
自動車王ヘンリーフォードは16歳年上のエジソンとは、一時エジソンの会社で部下的存在として働いていたこともあり、友人関係にあった。T型フォードで大富豪になった後には、いくつかのエジソンの危機に際して援助している。「エジソンは発明家としては優秀であったが、経営者としては最悪だった」と評している。二人とも自動車の殿堂に入っている。
以下、私の知っているエジソンと日本との関係の一部をあげてみる。
- エジソンの白熱電球のフィラメントは京都八幡村の「竹」の発見まで8000回のトライアルを行っている。岩清水八幡宮には記念碑がある。電気・電波・コンピュータの守護神の電電宮のある京都嵐山の法輪寺にも記念碑がある。
- 野口英世はエジソンと子供の頃の貧しい境遇が同じであり意気投合している。
- エジソンが発明した「蓄音機」で、日本で初めて肉声を吹き込んだのは東京日日新聞社長の福地源一郎(桜痴)だった。そのとき、「こんな時代になると、新聞は困るぞ」と発言してる。音声のラジオ、映像のテレビと時代が移り、紙の新聞の危機を予言している。
- 日本の真珠王・三木本幸吉はエジソンとの会談でエジソンは「どうしてもできないものが二つ。ダイヤモンドと真珠だ」と讃えられている。
- 「シャープ」の創業者・早川徳次の「まねされる商品をつくれ」が口癖であり、次々とヒットを飛ばす発明家であった。その結果が総合電機メーカー「シャープ」の誕生であり、早川は日本のエジソンと呼ばれた。
- ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎が、小学校に上がる前のヒーローは、エジソンだった。
- 2012年に冨田勲先生と同時に朝日賞を受賞した香取秀俊(物理工学者)は100億年の時を刻んでも1秒も狂わない時計を開発した。魔法波長の光格子を使った光格子時計を実現。国際的な「秒」の定義の有力候補。香取の「エジソンになりたかった」という発言をパーティ会場で聞いた。
エジソンは「失敗は成功の母」と語っている。因みに同じことを言っている日本人をあげていよう。本田宗一郎(ホンダ)「成功は99%の失敗に支えられた1%」。・柳井正(ユニクロ)「失敗は必要。むしろできるだけ早く失敗し、失敗を積み重ねることで成長が見えてくる」。塚本幸一(ワコール)「失敗を恐れず、成功を自惚れません」
2045年のシンギュラリティの到来予言が叫ばれている。その予言の主のレイ・カーツイワイルは、現代のエジソンと呼ばれる発明家である。
人物記念館1000館をみてきた私の「偉い人」の定義は、影響力の大きな人である。その観点からエジソンをながめると、同時代のアメリカはもちろん、世界の人々の生活に革命的な影響を与えている。その中には日本ももちろん入っている。そして、死後もなお、優れた偉業をなした日本人が大きな影響を受けていることがわかる。エジソンは、深く影響を与え、広く影響を与え、長く影響を与えて人である。その影響は生前にとどまらず、死後も永く続いている。こういう人を真の偉人というのだろう。