御殿場で学長杯ゴルフ、そして虎ノ門で郷原信郎セミナー

k-hisatune2009-09-09

御殿場の篭坂ゴルフクラブで、初めての学長杯ゴルフが開催された。学部教員、職員、大学院教員、非常勤教員が集まり3組でプレー。
朝の内は雨が残ったが、だんだん晴れてきて、最後は天気はよくなった。
私の組は、多摩キャンパスの菅野先生、湘南キャンパスの松林先生、そして非常勤の井上先生の四人。菅野先生と私は、アウトが同スコアだったので、昼食後のインはプレーオフで9ホール戦おうとということにしてのだが、一進一退で追いつ追われつという展開になった。まるで優勝争いをしているような感じで(もちろん極めて低いレベルだが)、最終日のトッププロの気持ちが少しわかったような気になった。決着は最終ホールまで持ち越され、後半も最後は同スコアという結末だった。適度の緊張感があり、今まで経験したことのないプレートなって、楽しめた。
菅野先生は日本石油出身、松林先生は三井物産出身、井上先生はリコー出身、私は日本航空出身ということで、全員が民間企業の出身だ。多摩大の特色がよくでた組だった。私たちの前の組には金子先生という若い大学院の客員がいたが、この人も日航に5ー6年ほど勤めて、今は公認会計士をやっているとのことだった。

終了後、パーティがああったのだが、一風呂浴びて私はタクシーで御殿場へ向かう。沼津、三島。そこから新幹線で東京へ。そのままタクシーで日本財団へ。

知的生産の技術研究会のセミナーで、今回の講師は元検察の郷原信郎さん。小沢秘書逮捕問題で、検察の非を鳴らしている勇気ある法曹関係者である。テレビでの発言を聞いて、司法の分野について話してもらおうということになった。最近、著書も連発しており、時の人だ。

今回のテーマは、「思考停止社会−−遵守に蝕まれる日本」。

  • 司法制度改革は大失敗。これほどひどい改革はない。自分たちと同じタイプの人間の拡大再生産。
  • 法科大学院は、司法サービスの供給者を増やそうとしてが、マーケットメカニズムを意識していないから司法の需要は広がっていない。300万円弁護士も。
  • 裁判員制度も失敗
  • コンプライアンスは、本来個人のセンシビリティを鋭利にすることで、コラボレーション(協力)を通じて組織のパワーをあげていくことである。法令は共通認識を高める道具だ。
  • 不二家問題は、ひどい誤解によって企業が苦境に立たされた事例。食品衛生、品質維持上問題はない。社内規定に抵触した面があったが公表義務もなかった。これが針小棒大に取り上げられた。マスメディアは紙面上では誤りを認めていない。これが、自主回収ブームというおかしな風潮になっていった。
  • 伊藤ハム問題。地下水のシアン化合物が若干みられたが、この基準自体が国際的にも厳しすぎるものだった。健康への影響はない。公表義務もない。それを保健所が公表してしまったケース。不当なバッシング。
  • 政治資金問題も思考停止。小沢秘書問題は、賄賂ではない、検察の自己過信でおきた問題。違反かどうかに問題がある。
  • ライブドア問題も大した事件ではなかった。
  • 法務大臣の指揮権問題。造船疑獄事件は、暴走した操作を大臣が止めたというケース。上司が全体的視点からチェックするのは本来当たり前。
  • 民主党政権への期待。族議員、官僚(情報独占・立法)、法令遵守というのが今まで。これからは、コンプライアンスを携えた企業等からの要請で、政治主導による立法が行われるか。
  • 民主党は、情報公開によって事態を転換しようとしている。本当にできるかどうか。この流れを皆で助ける必要がある。その上で、皆が賢く考えるようになればいい。

終了後、講師の郷原先生を囲んで10人ほどで懇親。隣にすわっていろいろとお話を聞く。司法の分野も専門が分化しており、全体を見渡す人材が枯渇しているという印象を持った。また、供給の論理が先行しており、消費者の目線をもっと戦略的に取り入れることも必要だと感じた。この分野も「合意学」が必要である。

(ゴルフ場で時計を無くし、セミナー懇親会でデジカメを紛失。やれやれ、、)