図解革命

大学教授になってから、そしてベストセラーを書いてから、随分と多くの講演やセミナーをしてきました。中央省庁、省庁の出先機関、県庁、市町村までの行政のタテの系列。そしてトヨタ・日産を代表とする自動車メーカー、キャノンやパナソニック富士ゼロックス資生堂、またエーザイなど多数の製薬企業、新聞社を中心とするマスコミ、そして大学医学部、病院、看護師や保健師の業界、ついにはパチンコ産業の総元締めの団体などへのヨコの広がり、、、。

この10年ほどで500回を超える講演やセミナーの経験が積みあがっていますが、私にとっては、産業の現場、医療の現場、教育の現場、海外援助の現場、行政の現場など自分の知らない分野のことがわかる機会なので、少々の無理なテーマであっても引き受けてきました。
「いったい何を講義しているのだろうか。相手先の事情や専門分野のことを知っているのか?」といぶかしく思う人もあるようですが、私の述べているのは様々な現場の共通の課題とそれを解決する考え方と方法の提案なので、どのような分野からの依頼であっても引き受けることができるという面があります。

依頼者である経営者や人事担当者と頻繁に接触した結果、彼らが異口同音に言っていることは「わが社には(役所)には、考える社員(職員)がいない」という嘆きでした。「考える力の欠如」こそが日本全体を覆う本質的な課題です。
その課題に立ち向かう考え方、方法論が欲しい、そういった強い要請の中で、「図解コミュニケーション」という考え方を土台に、ビジネスマンとしての20年ほどの経験、県立大学教授として地域の問題に深く突っ込んでいった10年の経験、そして日本のタテとヨコの様々な現場を垣間見た経験、そういったものが組み合わさって、現在の自分の立ち位置が形成されてきたと思います。

「文章と箇条書き」に凝り固まった日本の組織と仕事のやり方は、すでに限界に達しています。欧米から直輸入したままの理論の無理な適用による失敗、前例の踏襲による無気力の横溢、マネとパクリの解決策の押し付けによる疲弊、、、。未来への希望がない中で、仕事の現場には疲労感と徒労感が充満しています。
講演やセミナーの終了後、記述式のアンケートを自由に書いてもらうのですが、必ずと言っていいほど「目からうろこ」という感想があります。
このような言葉は大人は普段あまり使わないと思いますが、「常識を真向から否定された」ことが新鮮だということなのでしょう。
この「図解革命」は、はまだまだ続ける必要があるようです。

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10時:学部運営委員会。昇格人事。一年秋のゼミの件。問題解決学総論の進め方。私からは学部中期計画の素案を提示。学長から問い合わせの電話。
12時半:編集ライターの柴田さんと蕎麦屋で昼食。ビッグニュースあり。
13時:S出版社の仁科さんと柴田さんと書籍刊行の打ち合わせ。最近は、出版社でも営業主導になってきている、いわゆる書店よりもTSUTAYAなどの店での仕掛けが売れ行きに影響が大きいということだそうだ。今回の本はそういう仕掛けをすることになっているので楽しみ。
15時半:多摩市の阿部市長と飯高市民経済部長が年始の挨拶に来訪。諸橋学部長と対応。多摩市・多摩信・多摩大の三者協定にもとずく関係をさらに推進することになった。
18時:調布のパルコで知研の八木会長と打ち合わせ。
19時半:会員の高山さんが到着したので、三人で食事をしながら今後の活動について話し合いながら懇親。
明日から、センター入試。