認識力・構想力を高めるには図は欠かせない

本日のリレー講座。
講師はNHKチーフプロデューサー兼解説委員の片岡利文さん。始まる前に少し懇談。
NHKスペシャルETV特集クローズアップ現代などを手がけている人で、寺島さんが出演した1995年の「トライアングルクライシス--歴史に見る日米関係」のディレクターだ。
最近ではNHKスペシャル・シリーズ「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」が記憶に新しい。
主に、産業・技術、中国をテーマとした番組に取り組んでいる。

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現場ですばやく本質を見抜く「認識力」が重要だ。
認識力を高める方法は3つある。「準備・図示・継続」。
・準備:シミュレーション・仮説・物差し
・図示:寺島の認識力への回答は「白紙にデータ・情報を書いていく。関係を線で結ぶ。見えない糸を紡ぎ出していく」だった。
・継続:流れの中で見えてくるものがある。

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認識力をテーマに語っていただいたのだが、「図解を使う」という方法を示していた。
理解力・企画・伝達力を私はコミュニケーション力と呼んでいるが、認識力という言葉は「理解力」に相当する。




新聞に「天下 家康伝」を作家の火坂雅志さんが連載している。「小牧・長久手の戦い」のところで、家康が図について語るところがある。

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かつて、囲碁の名手から次のような話を聞いたことがある。
囲碁というのは、盤上に描く図と図の勝負にほかならない。相手よりも優れた図を描くことができたとき、はじめて勝利をつかみ取ることができる」
なるほど、と家康は心中でうなずいた。
囲碁の世界だけではなく、群雄が競い合う戦国の世にも同じことがいえる。すなわち、しのぎを削る諸将のなかで、もっともすぐれた図を頭に描くことができた人間だけが、最後に生き残っていくことができるのではないか。
戦国武将における図とは、その人間の持っている哲学---言い換えれば、国家構想といってもいい。

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これは私の図に関する考え方と同じだ。構想・企画に図は欠かせない。どちらがより大きな図を描けるのかという勝負になる。