台湾出張報告から

同行のバートル先生筆の出張報告から、一部抜粋。近々ホームページに掲載。

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6月13日の9時から17時半まで、今回の学長会議の共通テーマである「グローバル社会を生きる大学の人材育成」をめぐって、日本から参加した開南大学姉妹校の大学関係者(国立6・公立5・私9、計20校)による基調講演が行われた。
学長会議に先立って、日本交流協会、新台湾和平基金会、台日文化経済協会、台湾日本人会の担当者から来賓として祝辞を述べられ、続いて開南大学の高安邦学長より主催者を代表してご挨拶された。
日本の姉妹校からは、岡山大学の森田学長、名桜大学の山里学長、熊本県立大学の古賀学長、奈良県立大学の伊藤学長、愛知工科大学の安田学長、名古屋外国語大学の亀山学長、国際教養大学のウィリアムズ副学長、山口大学の纐纈副学長、了徳寺大学の佐々木副学長、宮崎大学の伊丹副学長、広島大学の佐藤副学長、埼玉大学の伊藤副学長、神田外国語大学の窪田副学長、多摩大学の久恒経営情報学部長、拓殖大学の立松教授、星城大学の小林国際センター長、京都学園大学の古木国際センター長、松陰大学の広本教授、日本大学の堀江学務委員長、愛媛大学の楢林教授の順に基調講演が行われ、それぞれの立場からグローバル人材の育成状況について紹介された。
上記各大学のグローバル人材育成の取り組み状況を拝聴したが、日本の大学業界の縮図を伺わせる内容が多かったこと、本学が掲げるグローカル人材の育成という教育方針に多くの大学は共通の認識を持っていること、また、多くの大学は文部科学省のグローバル人材の育成方針に沿った形で改革を進めており、各大学がそれぞれの個性と特色を意識して改革を進めるべく、必死で頑張っていることを垣間見ることもできた。
本学からは、寺島学長の代理で出席された久恒啓一経営情報学部長が「日本型グローバル人材―3つの新条件」と題する基調講演を行った。多摩大学を中心とした多摩地域の鳥瞰図を始め、本学の人材育成の取り組み状況について図解をふんだんに用いて自説と本学の改革の現状を紹介された。久恒学部長が出張された日本型グローバル人材の3つの新条件とは、?アジア・ユーラシアを主たる対象とするグローバル人材論、?英語を代表とする言語コミュニケーションに対して、「図解」という日本独自の新しい国際言語を紹介し、グローバルな舞台で活用する。?グローバルな世界でリーダーとして活躍するためには、日本人はまず真の日本人になるべき。オリジナリティ溢れる取り組みの現状に出席者の皆さんに深い印象を与えたようで、色々な方が久恒学部長と意見交換を行っていた。  
本学は、多摩大学の建学精神の一つである「国際性」、そして寺島実郎学長が教育方針として掲げている「アジア・ユーラシアダイナミズム時代を創造する志と地政学的知を身に付けた人材の育成」という教育方針に基づき、アジアの教育機関との連携強化方策を模索している中での今回の学長会議は、台湾を含むアジアの教育機関との連携強化を図る上で、非常に示唆に富む貴重な機会となった。、、、。

本学では、現在グローバル人材の育成の一環として、これまでは海外協定校との交換留学に加えて、学生に海外を体験する機会を与えるべく、毎年アジアダイナミズム研修視察を実施してきた。今後においては、より多くの学生にこうした海外を体験する機会を増やすために、語学等の学習のみならず海外で様々な文化交流や実地研修等を行い、学生の学習意欲の向上と就業観を確立させる契機作りを行う必要があると認識している。
そこで、今回は台湾における本学学生のアクティブラーニングの研修先の調査と選定を兼ねて、台南市台北市を中心に以下の行程で現地調査を行った。、、、

今回は、台湾開南大学主催 日本21姉妹校学長会議に参加して以下の点を理解することができた。?全国の国公立大学の改革の様子を伺うことができた。?文部科学省の方針に沿った大学改革が進められていることが分かった。?グローカル人材の育成という点では本学と共通認識を持っている大学が多かった。?各大学とも、それぞれの個性と特色を意識して改革に立ち向かっている。
また、本学のアクティブラーニング研修先に関しては、今回訪問見学した所は、台湾の先住民の歴史を始め、鄭成功孫文、蔣介石など台湾の歴史や現代政治社会に大きな影響を与えた人たちの人物像、そして日本統治時代の台湾と深い関わりのあった日本人(児玉源太郎後藤新平⇒政治行政、都市インフラ整備、八田與一⇒水利建設、伊沢修二⇒教育の礎、岡本要八郎⇒鉱物研究、伊能嘉矩⇒台湾先住民の学術研究、森山松之助⇒水道インフラ・都市建設)の足跡を辿り、日本と台湾の歴史的関係を理解する上で非常に有益であった。その意味では、今後本学において、アクティブラーニングの研修先として台湾は有力候補地の一つとなり得る上、今回我々が訪問見学したコースは総合学習プログラムの一環として取り入れていく教育的価値は十分あると考えられる。