「図解塾」:テーマは梅棹忠夫「文明の情報史観」。お布施、こんにゃく、メタバース、、、。

「図解塾」。「梅棹忠夫著作集」の図解化プロジェクトが進行中。「文明の情報史観」テーマ。

前半は前回講義した手描き図の各自の担当の部分のPPT化した図解の発表。

後半は私の7枚の手描き図の講義。

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以下、塾生の学び。

  • 今日もありがとうございました。手書き図をパワポに直したものを発表し合いましたが、足りなかった所や理解が十分でなかった所などが分かりました。それにしても、梅棹先生の先見性はすごいですね。2022年の現在始まりつつある「全体一律主義から個別最適化の教育」「仮想空間における活動、コミュニケーション(メタバース)」が半世紀前から予言されていたことが分かりました。現在の視点から、梅棹先生のこのような先見性を紹介するだけでも、一つのまとまった本、あるいは雑誌記事になるのではと思いました。冒頭で紹介された「遅咲き偉人伝」のYoutubeも大いに期待しています。5月1日から友達の杉原米和さんのまねをして始めた「ブックカバーチャレンジ」、No2は「遅咲き偉人伝」を取り上げましたがかなり「いいね」がつきました。やはり時代が強く求めているものだと思います。
  • 久恒先生、みなさま、本日の図解塾ありがとうございました。前半の『情報と文明』の手書き図解のパワポ化の発表では、担当していた「精神産業時代の予察」のところを報告させて頂きました。農業の時代、工業の時代を経て、現代は情報の時代。人間の精神的生産が技術的発展に支えられ、質・量ともに拡大しつつ組織化・産業化されていくという内容で、パワポにしていく過程でより一層理解が進みました。情報量が爆発的に拡大している現在の状況をまさに言い当ているとともに、そうした未来を信じる梅棹先生の意思も感じられる部分でした。後半では、手書き図解の続きの講義がありましたが、中でも「情報」について、栄養価値はなく消化器官を素通りして満腹感を得られるコンニャクのようなもの、と例えて説明されている部分があり、大変面白く聞きました。次回までのパワポの宿題は「情報経済学のすすめ」のところで、こちらも楽しみです。引き続きよろしくお願い致します。
  • 今晩もありがとうございました。梅棹先生の先見の明と、意表をつきつつも解りやすい「例え」。本当に、全体を掴むことに長けておられたんだと今回も感じました。久恒先生の解説も、私の中で前回より消化が早くなってきた気がします。初回の図解の手直しと、今回の課題に着手していきます。
  • 本日も先生、みなさまお疲れ様でございました。前半は前回①~⑦のパワポ化した図をみながらの説明でした。手書きをパワポにおこす作業で、腑に落ちるところ、分からないところが分かって、それを先生にその場で聞けるという、すばらしい環境の講義でした。後半は⑧~⑭まで説明していただきました。なんといっても、たとえの「こんにゃく」ですね。身近なものにたとえてくださるので、とても理解しやすいです。1970年代の情報産業論ですが、前回も思いましたが、今の時代のことを説明してくださってるかのような感覚でした。それよりも先にいってるかも?しれませんね。次回もよろしくお願いいたします。
  • 久恒先生、今日もありがとうございました。前半部分、前回説明いただいた手書き図をパワポに清書し、その図から説明するという流れを経験して、皆さんが図を清書するステップで自分なりに理解して説明されている姿を拝見し、自分の姿勢が手書き図をなるべく忠実にパワポにすることに注力し図を理解する意識が足りてなかったことに気付かされました。後半、手書き図を使っての梅棹先生著書の説明を受け、現在の中に未来が紛れているというグラデーション的な流れがとても腑に落ちました。次回も宜しくお願いします。

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午前は、母の「遺歌集」の編集作業。

昼食は橘川さんと食事をしながら、次い向かっての意見交換。

本日の図解塾の準備とウオーキング。1万歩。

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「名言との対話」5月11日。サルバドール・ダリ「ダリの作品は誰にもわからない。ダリにもわからない」

サルバドール・ダリ1904年5月11日 - 1989年1月23日)は、スペインのカタルーニャ出身の画家である。

カタルーニャのフィゲラス生まれ。早くからデッサンに異常な才能をみせる。マドリードの美術学校へ進学。印象派キュビスムの影響をうける。シュールレアリスムの代表的画家となる。1926年、ピカソと会う。1932年、ガラと結婚。ガラはモデルとして、敏腕マネジャーとして活躍する。ダリは特徴のある口髭という風貌や、マスコミへのアピール力などで話題をさらった。幻想的な絵画以外にも、単行本の出版や雑誌への多くの寄稿がある。

ダリは自身を「天才」と称した。歴史上の著名な画家たちを10年にわたって検討し、9項目にわたる比較表を作成している。技術、インスピレーション、色彩感、素描力、天才性、構成力、独創性、神秘性、真実性がそれだ。ダ・ヴィンチ、ヴェラスケス、ピカソラファエロフェルメールらがあがっている。もちろんダリも。それによれば、独創性をのぞきすべての項目が満点のフェルメールと、ラファエロがトップランクだ。ピカソとはいい勝負であるが、ピカソには神秘性、独創性、真実性には辛い評価をつけている。

「6歳のとき、私はナポレオンになりたかったーーが、果たせなかった。15歳のとき、私はダリになりたかったーーので、ダリになった。25歳のときには世界一センセーショナルな画家になろういと願ったが、それはなし遂げた。35歳のときには生活を安定させるために絵を売りまくったが、おかげで大成功だ。そして45歳になったとき、私は後世に残る傑作を描き、混乱と怠惰のただなかにある現代アートを救済したいので、必ず果たしてみせる! 本書をこの聖なる闘いに捧ぐ。そして、真実の絵画芸術を信ずるすべての若者に、わたしは本書を献呈する」と『私の50の秘伝』に書いている。

2005年のゴールデンウイークに磐梯山の麓にある諸橋近代美術館を訪問した。ゼビオ創業者の諸橋廷蔵(1934-2003)が蒐集した美術品を保存する美術館で、諸橋はダリの絵画に惹かれ、ダリの作品を346点を所蔵している。世界有数のダリ美術館である。壮大な美実観で、幻想的なダリの作品が並んでいるのに衝撃を受けた。

ダリの大きく見開いた目、10時10分を指している世界でもっとも有名な口ヒゲで知られている人物だ。ダリについて書こうと資料を漁っていて、ダリの言葉をみつけた。それを読んでいたら、絵画と人物を解説するより、その名言を並べる方が、ダリの思想や、人物をよく理解できると感じたので、以下に並べてみよう。

  • 6才の時、コックになりたかった。7才の時、ナポレオンになりたかった。そして、私の野心は、それ以来着実に成長し続けている
  • 私はドラッグなどしない。私自身がドラッグだからね
  • 毎朝起きるたびに、私は最高の喜びを感じる。サルバドール・ダリであるという喜びを
  • 人生で起こりうる悪いことは二つしかない。パブロ・ピカソになることか、サルバドール・ダリになれないこと
  • 天才を演じきると天才になれる。
  • 本物の画家というのは何もない砂漠で異常なシーンを描ける人だ。
  • 「志」のない知恵は、翼のない鳥に等しい。
  •  多くの人が80代まで生きれないのは、彼らが長期に渡って40代で止まろうと努力するからだ。
  • 私は永遠に生きる。天才は死なない。
  • 私は天才になるし、世界は私を称賛するだろう。評価されないかもしれないし、理解されないかもしれない。しかし天才になる、偉大な天才にね。なぜなら私はそのことを確信しているからさ。
  •  私の人生を通じて、市民の衣装を着るほど自分をおとしめるのは稀だった。私はいつもダリという制服を着ている。

以上は、「歴史上の人物の名言 | LIVE THE WAY (live-the-way.com)」から。

  • 世間が決して飽きない唯一のものは誇張表現だ。
  • あなたは、あなたの一生以外の何ものでもない。
  • 我々は何をするにも、常に自分自身に問わなければならない。もし皆がそうしたら、どんなことになるだろうと。
  • 私が生まれるということは不条理である。私が死ぬということも不条理である。
  • 一人一人の人間が究極の絶対的な自由を持っている
  • 天才になるには天才のふりをすればいい
  • 人生とは自らの道である。一つのことを試みることであり、一つの道を端的に示すことである
  • すべての答えは出ている。どう生きるかということを除いて
  • 私が生きているのは国王のため、スペインのため、カタロニアのためだ。天才は決して死なない。人類の進化は我々の手中にある。国王、万歳!スペイン、万歳!カタロニア万歳!
  • 制服は征服するためにかかせない。私の人生を通じて、市民の衣装を着るほど自分をおとしめるのは稀だった。私はいつもダリという制服を着ている
  • 悪趣味とはクリエイティブなもので、生物学を知識で操るようなもの
  • 嘘とは私がつくったものではなく、階級に分かれた社会に生まれたものである。だから、私は生まれながら嘘を相続している
  • 過去とは、所有者の贅沢だ。過去を整頓しておくには一軒の家を持つことが必要だ。私は自分の体しか持たない
  • 大切なことは混沌を拡大することだ。混沌を消し去ってはいけない
  • 私が独りでいることは決してない。いつだってサルバドール・ダリといるのが習慣なんだ。信じておくれよ、それは永遠のパーティーってことなんだ
  • 青春というものは奇妙なものだ。外部は赤く輝いているが、内部では何も感じられないのだ
  • 他人に興味を持ってもらいたければ挑発しなければならない
  • 本物の画家というのは歴史の騒乱に囲まれながらも洋ナシを根気強く描ける人だ
  • 恋はその始まりがいつも美しすぎる。だから結末が決して良くないのも無理はない
  • 私は暴力に対して一つの武器しか持っていなかった。それは暴力だ
  • 自由であるとは、自由であるべく呪われていることである
  • みんな神話が好きだ。だから私の絵を愛するのだ

以上は、「名言格言.NET (meigenkakugen.net)」から。

 

ダリはスペインからの独立問題があるカタルーニャ出身であり、同時代のライバルのピカソを超えているとの高い自己評価、縦横な文学的哲学的な言辞、そして不思議な驚きに満ちた絵画作品で、確かにダリは世界中にセンセーションを巻き起こした。ダリとは何者かは、よく出される問いであるが、ダリは「誰にもわからない」、そして「ダリにもわからない」という警句を発している。世界はこの問いの答えを探そうとし続けるだろう。

 

 

 

ジル・ネレー『サルバドール・ダリ』(TASCHEN)