「代表的日本人」シリーズを始めますーー2024年の「幸福塾」

「幸福塾」は本日から「代表的日本人」シリーズというテーマで始める。第1回はオリエンテーション。この2年間のおさらいと、次の構想を語った。

以下、塾生の学びから。
  • 久恒先生、皆様、お疲れさまです。本日。幸福塾。先ずはコミュニティ・マガジン『イコール』(橘川幸夫編集長)のゼロ号ついに発刊の話題から。クラファンで3,000部を印刷。出版取次会社からは想定以上の引き合いが有ったとか。幸先良し!執筆陣は多彩。シェア書店主、○○研究所、△△大学教授、クリニック院長、ライター、画家…すべての方は主催する橘川先生と交流も持つ同志との事、引き出しの多さ多彩さに圧倒。今迄の概念を打ち破る新たな「面白さ」がウリの同誌をめぐり今後読者と編集者とのDeepな関係発展が期待されワクワク致します(当方も昨日受領)。今後当塾も執筆編集に参加の機会が得られるとの事で大変楽しみです!さて本題。「幸福塾」は本日新たなフェーズへ移行する記念すべき1回目。その前に今迄の総おさらい。6年間に及ぶブログの「名言との対話」で2000人超、16年間に及ぶ人物記念館の旅を継続された久恒先生の「アーカイブス」より降り注がれる「偉人シャワー」は、当初図解塾の「課外編」としての機会限定でしたが、「幸福学」としての手応え気付きから定期開催の「幸福塾」へ成長。①人生100年時代では、孔子の説いた『人生訓』の1.6倍でライフデザイン、定年後の「壮年期」「実年期」の過ごし方がカギである事、②人生は「自由の拡大」追求の旅、カネとヒマ、カラダとココロが夫々反比例する自由度の折り合い、③「個」「公」「私」の人生3要素夫々の比重は加齢に伴い変化、ライフステージに応じて俯瞰しバランスを取るという構造学…様々な切り口で思考するという手法も登場し、まさに「走りながら思考する」という成長過程をたどる事が出来ました。まさに「幸福学」を名乗るに相応しい一つの研究分野である事を改めて認識する事が出来、これらを踏まえていよいよ新分野『代表的な日本人』へ突入。「真の日本人」探求において今の問題点は、「モデルの少なさ」「偏り」。先述の「アーカイブス」をベースに『代表的日本人の資質』として①仰ぎ見る師匠、②敵との切磋と友人との琢磨、③持続する志、④怒涛の仕事量、⑤修養・鍛錬・研鑽、⑥飛翔する構想力、⑦日本への回帰の以上7つを定義。これをベースに老若男女問わずアーカイブスはじめ情報源より塾生が作図し持ち寄り、お互いにレクチュアを重ねコレクションしていくプロセスを提案頂き、新たな久恒先生の野望に大変ワクワク致しました。今を生きる「旬」な人物、女性、若者など、テーマに対し塾生が準備~レクチュアするという進め方も楽しみです。新刊雑誌「イコール」への定期掲載など、想像するだけで大変ワクワク致しました。2月3日「蜃気楼大学」における図解塾・幸福塾メンバによるレクチュアも鋭意計画進行中。こちらも大変楽しみです。怒涛の企画に圧倒されぬよう、しっかりと受け止め前進したいと考えております。有難うございました、次回も宜しくお願い致します。
  • 久恒先生、皆様、本日は幸福塾ありがとうございました。今日は年明け最初の幸福塾ということで、新しいテーマ「代表的日本人」のオリエンテーションでした。久恒先生の人物記念館訪問と「名言との対話」の膨大なデータベースの中から、「代表的日本人」を「7つの資質」という観点から探し出していくというもの。この「7つの資質」として挙げられているのが、師匠、敵と友、志、仕事量、研鑽、構想力、日本への回帰。で、それぞれの「資質」に秀でた人物を各々100人ほど挙げていく(合計700人)という壮大なテーマ。凄いと思いました。どんな人物が上がってくるかとても楽しみです。また、人物を知るということも、もちろんありますが、この「7つの資質」について、一つ一つ掘り下げて考えていくという点も面白いと思いました。例えば「師匠」とは何か、師事するとはどういうことか、といったことなど。また1人の人物について、「7つの資質」から眺めてみることに加えて、「人物鳥瞰図」の視点を重ねると、より立体的にその人物を知ることができるのではないか、とも思いました。来月からの幸福塾がとても楽しみです。
  • 1月の幸福塾に参加させていただきました。久恒先生、皆様ありがとうございました。今年から幸福塾は、「代表的日本人」について考えるというテーマになりました。「代表的な日本人」として膨大な日本人の偉人のタイプから、共通する特徴として7つの資質があるということがわかりました。今まで日本人の偉人をなんとなくとらえていました。その特徴として①仰ぎ見る師匠の存在がある②敵との切磋、友人との拓真③持続する志④怒涛の仕事量⑤修養、鍛錬、研鑽⑥飛翔する構想力⑦日本への回帰があるなどがわかりました。確かにいつの時代であっても時代を問わず、偉人といわれる人物にはそのような7つの特徴が共通してあるように思えました。偉人とは影響力の大きい人のことを言い、その7つ特徴を持った偉人が深く広く長く人々に影響があるように思います。その偉人の特徴は、とても現在の自分には実践することはできませんが、自分の進むべき方向性になるかもしれません。近現代の偉人で、自分にとっては、どの偉人が代表的な偉人か考えてみたいと思います。今回もとても興味深い内容でした。次回も楽しみにしています。ありがとうございました。
  • 本日は、ご講義をありがとうございました。色々とバタバタして遅れたのにも関わらず、参加させていただけたこと感謝申し上げます。代表的な日本人には7つの資質があるとのこと。日本に影響を及ぼした方たちをこの観点で分析すると面白そうだと思いました。師の存在、敵との切磋、友との琢磨と聞いて、日本人ってご縁で生かされているのではないかと思いました。 可能な限り参加して、自分の生きるヒントを得たいと思いました。
  • 2024年1回目の講義、ありがとうございました。偉人の名言とは、幸福になろうとする人々の言葉。偉人とは影響を与えた人。だから人物記念館の旅とは幸福論なのだ。という改めてこの幸福塾のあり方をお聞きしました。また100年時代と言われる現在、時間があり、どう生きるかと自分を見つめることの必要性と、コロナ禍で自分を見つめなおす時間があったことから、幸福学という言葉を耳にするようになった。ということでしょうか。
    2024年は、代表的な日本人を久恒先生のおっしゃる7つの資質の観点から深めていき、日本人とは何かを突き詰めていく。参加型で、ということで、楽しみにしております。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
  • 本日もありがとうございました。2024年第1回の「幸福塾」。新しく「代表的日本人」シリーズが始まるということで、本日はその構想について語っていただきました。梅棹忠夫森嶋通夫両氏が予言したとおり、日本は今没落への道をたどっているかのように見えます。政界にも、経済界にも、論壇にも、学界にもリーダーと目される人のいない中で、国際的にも主体性のない外交、産業でも寺島実郎氏の提言しているようなイノベーション、ファンダメンタルズが見当たらない現状。いま必要なのは日本文明の全体像を見直し価値観や志をもち、自信を取り戻すことが大切です。その意味で、「代表的日本人」は、モデルとなる人物を示し(居ないのではなく見えていない)自分たちの生き方を考える上で重要なプロジェクト(?)だと思いました。代表的日本人としての7つの資質も、なるほどと感心いたしました。抽象的な言葉ではなく、具体的な候補者まで挙げられていたので十分に納得し、期待を持ちました。現在生きている方で該当しそうな方をそれぞれが紹介するのも、楽しみです。 今後はぜひ、自分たちだけが学ぶのにとどめず、イベントという形でも広報して一人でも多くの方に聴いていただきたいと思っています。
  • 本日もありがとうございました。2024年第1回の「幸福塾」。新しく「代表的日本人」シリーズが始まるということで、本日はその構想について語っていただきました。梅棹忠夫森嶋通夫両氏が予言したとおり、日本は今没落への道をたどっているかのように見えます。政界にも、経済界にも、論壇にも、学界にもリーダーと目される人のいない中で、国際的にも主体性のない外交、産業でも寺島実郎氏の提言しているようなイノベーション、ファンダメンタルズが見当たらない現状。いま必要なのは日本文明の全体像を見直し価値観や志をもち、自信を取り戻すことが大切です。その意味で、「代表的日本人」は、モデルとなる人物を示し(居ないのではなく見えていない)自分たちの生き方を考える上で重要なプロジェクト(?)だと思いました。代表的日本人としての7つの資質も、なるほどと感心いたしました。抽象的な言葉ではなく、具体的な候補者まで挙げられていたので十分に納得し、期待を持ちました。現在生きている方で該当しそうな方をそれぞれが紹介するのも、楽しみです。 今後はぜひ、自分たちだけが学ぶのにとどめず、イベントという形でも広報して一人でも多くの方に聴いていただきたいと思っています。
     

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関連する画像の詳細をご覧ください。第52期会長 | 学会概要 | 一般社団法人 日本物理学会

「名言との対話」1月17日。米沢富美子「人生、これかあれか、ではなくて、これもあれも、という人生が可能なんだ」

米沢 富美子(よねざわ ふみこ、女性、1938年10月19日 - 2019年1月17日)は、日本物理学者理論物理学)。慶應義塾大学教授。日本物理学会会長。享年80。

NHKラジオアーカブス「声でつづる昭和人物史」で、昨年「昭和」の女性科学者として、猿橋勝子に続き、米沢富美子の壮絶な人生を知り感心した。今回、ようやくこの人のことを書ける。

大阪府吹田市生まれ。米沢の母は高等女学校時代に数学の虜になり、食事の時間も惜しんで好きな幾何学の問題を解いていた。家人の反対で上級学校への進学を諦めた人だ。この母は5歳の娘・富美子に証明法を教えたところ、すぐに理解した。「もっと教えて、もっと教えて」とせがんで教えてもらう。

富美子の知能指数は175という高いものだったは、自分では「170台という数字は自分では不満で、実際には200以上でもとれたはずだと考えていた」という。

湯川秀樹のいる京都大学理学部物理学科で学んだが、大学院生のときに先輩から結婚を申し込まれる。物理をさらに学びたいと二者択一で考えていたのだが、両方をとることを考えよといわれ開眼する。人生は「あれか、これか」ではなく、「あれも、これも」でいこうと決め、23歳で結婚する。しかし結婚後は、多忙な証券マンの夫は家事も育児も全く手伝ってくれなかった。夫のロンドン、ニューヨークなどへの赴任にともなって、富美子も同伴し、その地で師を見つけ研究を継続している、

つわりで動けなくなってしまった時、「君が勉強している姿、このごろ見なくなった。怠けているんじゃないか、研究をちゃんとしないとダメじゃないか」と言われる。「一番痛いところを突かれた」と感じ奮起する。

3人の娘を育てながら世界的な研究成果を上げていく。「学会の子連れ狼」と呼ばれていた。また米沢には、子宮筋腫乳がんなどの病魔が襲い、子宮も両方の乳房も失っている。

映画、コンサート、飲み会の時間がなくなるが、「研究の時間自体はそんなに影響を受けない」と前進していく。京都大学助教授から、44歳のときに慶應義塾大学教授に招かれている。

物理学とは何か。「物理というのは、日本語で“物の理(ことわり)”と書くんですね。(だから)物理とは物の理を解き明かす学問なわけです。じゃ、物ってなんだといわれると、森羅万象。宇宙に存在するすべてのものです。(中略)正しく学べばとっても面白い学問です」

「研究そのものの魅力というのは、世界中の誰も知らないこと、新しいことを見つけていくという、その楽しみがある」という米沢富美子はこういった環境の中で、コヒーレントポテンシャル近似や、金属絶縁体転移の理論など物理学研究に大きな功績をあげた。アモルファス電池、液体金属などが成果だ。1984 年の猿橋賞をはじめ、1996 年のエイボン女性大賞、2005 年ロレアル‒ユネスコ女性科学賞など,女性科学者に与えられる賞を多く受賞している。

女性初の日本物理学会会長であり、「女性科学者に明るい未来をの会」会長として後輩の支援にも熱心だった。物理学会は2019年に米沢富美子記念賞を設立している。科学の分野にも猿橋勝子、米沢勝子など女性の列があるのだ。

結婚前の夫の言葉から、「これも、あれも」と、全部手に入れようとした。それがすべてを決めたのだ。その生命力、バイタリティに感心した。その夫は、60歳で亡くなったが、その悲しみも乗り越えている。

私も学生時代に「あれか、これか」で悩んだことがある。そのとき、ある先輩から「あれも、これも」という考え方をしたらどうかとアドバイスを受けて、危機を脱したことを思いだした。社会人になってからの二刀流の生き方は、その影響だろうと今になって感じる。