「図解塾」:「梅棹忠夫著作集」第13巻の図解講義の最終回。

「図解塾」第6期の34回。「梅棹忠夫著作集」第13巻の講義の最終回。

テーマは「多民族国家の論理」「日本のなきどころ」「国際交流の未来」「国際交流と未来」。

以下、塾生の学び。

  • 久恒先生、皆様、おつかれさまです。本日、図解塾。3週間ぶりの再会で近況報告も充実。知研イコール編集で活動、博物館探訪、梅棹先生の著作を入手し読破に奮闘中、AI小説で自然災害のワーストシナリオを作成し防災会議をリード、ASR & NZLへ原住民の生活実態調査旅行、などナド。久恒先生からは、①臨床心理士が集う『心の健康』シンポジウムで講演、②村上隆現代美術家)と村上裕二(日本画家)との兄弟対談(文春)では「生き方見極め」の重要性を説く、③ザ・デストロイヤー(1930-2019)は米名門私立大学の教育学マスターコース卒業という意外な経歴、④谷沢永一(1929-2011;国文学者)「運は、ヒトのカタチでやってくる  」「チャンスは、ピンチのカタチでやってくる」…困難にぶち当たったら回避せずまっ直ぐ突っ込め!、⑤「イコール」創刊号(5月)に掲載予定の『知研「イコール」創刊宣言!』と題した8ページ分の編集が佳境。梅棹文学をはじめ「図解塾・幸福塾」で培った知的生産エッセンスで世に問う「はじめの一歩」がいよいよ振り出されるワクワク感!。さて本題、梅棹文学第13巻「地球時代に生きる」はついに最終回、4つの図メモで久恒先生よりレクチュア頂きました。1) 『⑥多民族国家の論理』:宗教、イデオロギー、軍事、経済で民衆は統制できない、歴史から学ぶ事実⇒民族(言語、風俗、習慣が同じ人々の集団)で括る事が大切。民俗文化間に良し悪しは存在しない、お互い認め合い根気強く交流していくことが大事。2) 『⑦日本のなきどころ』:かつての日本は帝国主義の時代が有った。満州、東南アジア、朝鮮半島、当時併せて20数種類の複数民族国家を形成、日本名に変えさせた事が失敗、摩擦が生じ、秩序が崩壊して行った過去を振り返えれば、江戸時代までの鎖国で島国日本には紛争への免疫が無かった。紛争問題は根気強く解きほぐすこと、「民俗学研究」の重要性がカギ。俯瞰して関係性を理解することが大事である事を再確認出来ました。3) 『⑧国際交流の未来学』情報共有不足で国際交流の不全が孤立状態を生む⇒もはや国際直流!。日本語を外国人が理解し使えてこその「交流」ではないか?梅棹文学著述から半世紀が経過した現在、マンガ・アニメは今や世界共通文化として定着。これが日本語を学ぶきっかけになったという外国人の声を多く耳にする今、梅棹先生の提唱は実際のカタチとなっていると実感、今後このような成功分野を上手に育てていくことが大事と思いました。4) 『⑨国際交流と日本』:情報の全面公開で不信や誤解の解消は国際紛争回避に欠かせない、「北風と太陽」の昔話を思い出し「誠実・誠意」基的考えは今後益々重要になる事を確信しました。…以上で第13巻を全て学ぶ事が出来ました。次回は全体的な総括とブラッシュアップを行い、4月からはいよいよ新シリーズ『図解Japam プロジェクト』が始動。大変ワクワク致します。おわりに去る3月9日に東京国立博物館特別展の『本阿弥光悦の大宇宙』へ訪れた際の気付きを共有させて頂きます。既に久恒先生ブログや新聞記事で「スゴイ展示」である事は既に認識していたのですが、『視覚で顧客を楽しませる技で世に問う』という目標をセンターピンに掲げ、あらゆる造作分野へ果敢に挑戦し続けた光悦の心意気に大変感銘を受けました。信長、秀吉、家康といった戦国武将の世に生きながら『視覚で顧客を楽しませる技』にこだわった氏の心意気を表した言葉に強く感銘を受けたので今回の気付きとしたいと思います。『一生涯へつらい候事至てきらひの人』…へつらうことが大嫌い、(当方の理解⇒)どうせ侍が支配するこの世界で逆らっても仕方がない。だが、ご機嫌取りなんかはまっぴらだ。日蓮様の教えのもと、良いモノ創りに拘って生きろ!俺らにしか創れない至極の逸品で奴らのハナを明かしてやれ!それが俺らの生き方だ!次回も宜しくお願い致します、有難うございました
    間取り図、地図、チケットの半券、青写真・設計図、テキストの画像のようです
  • 久恒先生、皆様、本日は図解塾ありがとうございました。前半は、今年から始まる雑誌 知研『イコール』の創刊号についての紹介がありました。「人生100年時代を生きる」をテーマに、秋口頃の完成を目指して原稿に取り掛かる、とのことで、期待と不安の両方の気持ちで、興味深く伺いました。雑誌の制作に関わるのは、初めての経験ですので、どんな展開になっていくのかとても楽しみです。 後半のメインテーマは梅棹忠夫著作集第13巻「地球時代に生きる」の続き。「多民族国家の論理」「日本のなきどころ」「国際交流の未来学」「国際交流と日本」の4つのテーマを、いつものように久恒先生の図解で学ぶことができました。印象に残ったのは、民族問題は、文化摩擦であり、宗教、イデオロギー、軍事、経済のいずれをもってしても解決できていない難しい問題であるということでした。とりわけ日本は、民族問題に関して「無菌状態」で、不得手な領域とのこと。理論と実践を踏まえた体系的な「国際交流」を目指し、「日本」を発信していくべき、とのことで日本語の海外普及にまで言及されているところは、凄いと思いました。確かに、常日頃、海外からの情報には反応することが多いですが、海外に向けての発信はあまり意識したことはなく、個人レベルでは何ができるだろうかと、ふと思いました。次回は「地球時代」の全体総括。お浚いも含め楽しみです。
  • 本日もありがとうございました。久々の図解塾でしたが、前半の近況報告も後半の本体(地球時代に生きる)」もたいへん充実していて学びの多い2時間でした。近況報告の中では「いっぱい知っているが分かっていないことが多い。図解にする過程で本当に分かっているかが試される」というコメントが印象的でした。「地球時代に生きる」の発表では、これまで国家という単位で世界を見ていたが民族という視点がいかに大切かを改めて思い知りました。自分が担当した「日本のなきどころ」が一番印象的でした。日本が純粋培養文明であり、そこから多くの問題が生じていることを改めて認識しました。極めつけは「創氏改名」という恥ずべき行為。人権を否定することで、私たちはこの過去を忘れないよう伝えるべきだと思います。しかし今でも角界で外国人が親方になれないなどのことが存在することも改めて知りました。保守的な考えの人たちがまだ影響力をもっているでしょうが、日本はもっと移民受け入れなど開いていくべきだと思います。 人々をつなぐアニメや映画の力ももっと評価されていいと思います。今回のアカデミー賞受賞をきっかけに変わっていくことを期待しています。今後の幸福塾の「新・代表的日本人」、図解塾の「日本とは何か」に、大いに期待していますし、自分なりに考え情報を集めたいと思います。
  • 本日もありがとうございました。塾生の皆様の近況をお聞きし、活動的でさすがだなぁと思いました。いつものことながら久恒先生もすごい。もう春ですね。どんどん活動していかなくちゃと、思いました。『梅棹忠夫著作集』の13巻、『地球時代に生きる』の、最後の講義でした。「多民族国家の原理」では、民族紛争いわゆるよその文化を徹底的に信頼しないという文化摩擦について、乗り越える原理が未発見。日本はカプセルの中にいて無菌状態だったため、分からないことばかり、根気よく、対話していかなければならない。なるほどとイメージができました。だけれど「日本のなきどころ」で、大日本帝国は20数民族の複合民族国家で大和民族が支配していた。この時代のことを学ぶことの必要性を感じました。「国際交流の未来学」と「国際交流と日本」では、日本に関する情報を提供することを強く述べていて、ローマ字を推していることが良くわかりました。日本の文明の全体像を理解してもらう。日本語の普及を!というのが、一貫されている考えなのだと思いました。
     この13巻「地球時代に生きる」は、国家や人種ということではなく、民族・文化の単位に世界を見ることが大切で、お互いを知ってもらい、認め合うことが、その努力をしていくことが大切だということを学びました。最後に松本さんが見せてくださった、『地球時代に生きる」の本のぶ厚さに、びっくりし、これを図解で学んできたのかと、もう一度図解を見直してみようと思いました。次回が総まとめですね。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 久恒先生、みなさま、本日もありがとうございました。今日の図解は梅棹忠夫著作集第13巻「地球時代に生きる」の最終回として、「⑥多民族国家の論理」「⑦日本のなきどころ」「⑧国際交流の未来学/文明の全体像を伝える努力を」「⑨国際交流と日本」の4つについて解説がありました。かつての日本は大日本帝国という20余りの民族の複合民族国家であったとのこと。海を越えた土地に住む人々をまとめるため、そこを大日本帝国とするために、民族問題の解決は大問題。全人類の問題でもありますが、日本が国際交流を進めるうえで求めたことは「日本語の普及を!」だったようです。日本への不信や誤解の解消のために、各地で経済分野や教育分野などから試行錯誤しながら国家形成が展開されたとのこと。日本語は世界的に見て稀な言語ですから、その普及を目指したとすれば、失敗も多かったでしょうし、無理難題な話だったことは想像に難くないですが、現在では、外国の人が日本を知ったり、日本語に興味をもつきっかけとなっているのはマンガやアニメ。国際交流に大いに貢献しています。
     さらに、今日のお話の中で、今後そこに図解が加わり、図解を通じて「日本」や「日本文明」、「日本人」を理解してもらえるようになるかもしれないというのもありました。それを聞いて、これからの図解塾や幸福塾の学びや活動に対してワクワクする気持ちが湧いてきました。私は、わかりやすい図解をなかなか作成できない状態ですが、引き続き学びながらチャレンジしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  • 3月の図解塾に参加させていただきました。久恒先生、皆様ありがとうございました。今回は、梅棹忠夫著作全集第13巻「地球時代に生きる」の中から、①「日本のなきどころ」②「多民族国家の論理」③「国際交流の未来学/文明の全体を伝える努力を」④「国際交流を伝える努力を」が図解にて紹介されました。①「日本のなきどころ」では、現在の日本の純粋培養文明が日本の最大の課題であることがわかりました。 ②私は、「多民族国家の論理」を説明させていただきました。私は、今まで「国家」や「人種」で世界の人は、区分されると思っていましたが、「民族」で区分されることが地球時代に生きる私たちにとって最も大切だということがわかりました。「民族」とは、言語、習慣、風俗が同じで固有の民族的伝統をもって生活している人たちの集団のことであり、お互いの伝統や言語、文化を尊重して認め合うことが大切だと気づきました。以前は、日本は資源のない国だから物資の貿易による輸出入で日本を豊かな国にし、世界にも貢献していくことが日本の役割だと考えていました。しかし日本の文化を世界に知ってもらったり、他の民族の伝統や文化をよく知り交流することで心の豊かさや平和を築くことが地球時代を生きる上で大切であることがわかりました。これからもますます民族問題は増えていくであろうと梅棹先生は述べておられ、解決策はないが忍耐を持って取り組むことが大切であると言われています。私は、このお話を聞いてこれからは「民族」や「民族問題」の事をしっかり考えていきたいと思いました。③「国際交流の未来学/文明の全体を伝える努力を」では、国際間の人材交流にも投資し学び合うことが大切であることがわかりました。④「国際交流を伝える努力を」では、日本文明の全体像を他の国にも理解してもらったり、外国でも日本語を学びたい人もいるので日本語を普及させることの大切さがわかりました。今回はやっと購入した梅棹忠夫著作集「地球時代に生きる」の本が届き、本の重厚さに驚いています。また、とても読みやすい文章で内容もよく理解が深まりました。皆さんとの感想共有の時間もとても楽しかったです。また次回も楽しみにしています。
     
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    イベントスケジュール
    ・3月15日:公文読書会
    ・3月16日より:「鎌倉FM」の「理系の森」で久恒啓一インタビューが毎週土曜日に3週連続で放送。16時30分。
    ・3月21日:知研幹部会。セミナーは松本さんの「AIと認知症
    ・3月28日:知研読書会
    ・4月13日:「立体イコール」。執筆者とのリアル交流会。外苑前。
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    今日は3月13日で、本来は内田康夫を取り上げるはずだったが、間違えて3月14日の松本道弘について書いてしまった。
    (惜別)松本道弘さん 英語の達人:朝日新聞デジタル
    「名言との対話」3月14日。松本道弘「武道の心を英語に吹き込み、英語で日本一になってやろう」
    松本 道弘(まつもと みちひろ1940年昭和15年3月6日 - 2022年(令和4年)3月14日)は、日本の英語通訳者、英語講師。享年82。
    大阪府出身。関西学院大学卒業後、日商岩井に入社。その後、同時通訳の草分けで、アポロ11号の月面着陸のテレビ中継で知られた西山千に師事。駐日アメリカ合衆国大使館の同時通訳や、NHK教育テレビ上級英語の講師をつとめた。産業能率大学助教授、名古屋外国語大学教授。
    1986年には英語と異文化交流を学ぶ私塾「道弘館」を開設。これは道弘という名前をもじった命名だった。2005年には「紘道館」と改名している。本名の廸紘の文字を使った。1997年からはホノルル大学教授に就任。2021年には松本道弘オンライン・アカデミアを開校した。
    子ども時代から柔道という武道に取り組んだこと、宮本武蔵に心酔しており、「英語界の宮本武蔵」を標榜した。英語を武道としてとらえ、黒帯英語など「英語道」を提唱するようになった。
    松本道弘は、ディベートの提唱者でもあった。ディベートを知的格闘技としてとらえていた。1993年には国際ディベート学会を創設し会長に就任している。著書は200冊以上に及んでいる。
    松本道弘は私の所属する「知的生産の技術」研究会で講師をつとめていただいた先生だった。私が「図解」の本を書き始めた頃に、ディベートに図解を入れたいとして接触してこられ、ディベートの行事によく招かれた。図解は、闘いではなく合意にいたるコミュニケーションであるとの考えであり、ディベートに使うとなれば、闘いではなく、全く違うものになる。結果的にディベート教育に図解を織り込むことにはならなかったが、面白い経験をさせてもらった。
    「英語の神様」松本道弘の二枚看板は「同時通訳」と「ディベート」であった。同時通訳の極意は自分を殺して相手の意図を表現することだとし、ディベートは反対に自分を殺さず考えを通すことだとの考えであった。
    動画をいくつかみてみたが、相手が話していると同時に英語に翻訳している。真を置かない。それはなぜかと問われて、方程式ではなく幾何学だと語っていた。話し手の意図をカタチとして受け止めているという。なるほど、話されている内容の構造を図解的に見抜き、通訳しているとのだ。今にして思えば、松本道弘が図解に関心を持ったのは当然だった気がする。
    大学時代に「武道の心を英語に吹き込み、英語で日本一になってやろう」という志をたてた。そして武道家の心意気でその道を邁進し、それを実現した82歳の戦いの生涯であった。