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クラウス・シュワブ「第四次産業革命」--ダボス会議が予測する近未来

 クラウス・シュワブ「第四次産業革命」(日本経済新聞出版社)を読了。

 「世界経済フォーラム」、いわゆるダボス会議が予測する未来の姿が書かれている。

著者のシュワブはダボス会議の創設者として世界の経済と政治を40年間にわたって観察し続けてきた人物。

第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来

第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来

 

第一次産業革命(1760年代ーー1840年代):蒸気機関の発明と鉄道建設。機械による生産の到来。

第二次産業革命(19世紀後半ーー20世紀初頭):電気と流れ作業の登場。大量生産。

第三次産業革命(1960年代ーー):1960年代の半導体、メインコンピュータ。1970-1980年代のパソコンの開発と1990年代のインターネット。コンピュータ革命。

現在は21世紀から始まった第四次産業革命の入り口にあり、これはデジタル革命である。偏在化しモバイル化したインターネット、小型・強力なセンサーの低価格化、AI、機械学習が特徴。大変革。根底からシステムが変革される。大きな利益と不平等の悪化。懸念の第一はリーダーシップ不足と変革への理解不足。第二は共通構想と説明がないこと。

物理的なメガトレンド:自動運転車。3Dプリンタ。先進ロボット工学。新素材。

デジタルなメガトレンド:IOT。センサーでモノをつなぐ。細かい監視と最適化。

生物学的なメガトレンド:遺伝学イノベーション。合成生物学。臓器、個別医療、バイオプリンティング、デザイナーベイビー。、。人間とは何か。

 

2025年(わずか8年後)までに起こること。(ダボス会議参加者の情報通信テクノロジー分野の役員・専門家への調査)。

  • 10%の人々がインターネットに接続された服を着ている。91.2%
  • 90%の人々が容量無制限の無料ストレージ(広告付き)を保有している。
  • 1兆個のセンサーがインターネットに接続される。
  • アメリカで最初のロボット薬剤師が登場する。
  • 眼鏡の10%がインターネットに接続されている。
  • 80%の人々がインターネット上にデジタルプレゼンスを持っている。
  • 3Dプリンタによる自動車第1号の生産
  • 政府が初めて国政調査の代わりにビッグデータの情報源を活用する。
  • 体内埋め込み式携帯電話の販売開始。
  • 消費財の5%が3Dプリンタで生産されたものになる。
  • 人口の90%がスマホを使用。80.7%
  • 人口の90%がインターネットに常時アクセス。
  • アメリカの道路上の10%が自動運転車になる。
  • 3Dプリンタ製の肝臓の初移植。
  • 法人の会計監査の30%をAIが実施。
  • 政府がブロックチェーンを介して初めて税金を徴収。73.1%
  • インターネットトラフィックの50%超が家電製品とデザイス用。
  • 自家用車ではなくカーシェアリングによる移動や旅行が世界的に増加。
  • 人口5万人を超える都市で初めて信号機が廃止される。63.7%
  • 世界GDPの10%がブロックチェーンノテクノロジーで保管される。57.9%
  • 企業の取締役にAIマシンが初登場。45.2%

労働市場への悪影響:労働代替的なイノベーションの波が発生。

  • 機械的反復と精緻な手作業を伴う労働の死。弁護士、金融アナリスト、医師、記者、会計士、保険業者、図書館司書、、などは部分的・完全に自動化。新産業で生み出される仕事は少ない。労働市場は二極化する。高収入の認知的・創造的職業は増加。定収入の単純労働も増加。中収入の機械的・反復的職業は大幅に減少。
  • 2020年には複雑な問題解決や社会的スキル、システムスキルの需要が高まる。雇用確保は悪化。男女不平等の悪化。

以上が、この本のポイントだ。

近未来に起こると予想されたことは日本にはほとんど起こるだろう。

中間層の没落は不可避である。。

人間の肉体と精神に関する高い知見を持つ人が行う仕事、人間が織りなす組織や社会に対応するスキルを有する人が行う仕事、等が生き残るということだろうか。近未来の職業人とは「人間通」の職業人である。

 

「副学長日誌・志塾の風」170412

研究室:秘書とスケジュール調整。授業・講演の準備。

ラウンジ:高野課長

 

「名言との対話:4月12日。頭山満「人間は火のついた線香じゃ。それに気がつけば誰でも何時かは発奮する気になるじゃろう。老若誠に一瞬の間じゃ、気を許すな」

頭山 満(とうやま みつる、安政2年4月12日1855年5月27日) - 昭和19年(1944年10月5日、幼名:乙次郎)は、明治から昭和前期にかけて活動したアジア主義者の巨頭。玄洋社の総帥でもある。

明治・大正・昭和期のの国家主義者。玄洋社を結成。日露開戦を主張、戦後は講和条約反対運動を展開。大アジア主義者として金玉均孫文、ボースらの亡命者を援助。政界に隠然たる影響力を持った。

私の九州の実家には亀井南冥の「吐鳳」の書と頭山の書が九州の実家の座敷に飾ってある。また、頭山満は父らの会話の中で何回か耳にした記憶がある。福岡の玄洋社記念館を訪問してわかったのは、頭山は南冥の長男・亀井昭陽の息子の亀井玄谷に陽明学を学んだことだ。私の父は福岡出身だったから、この玄洋社頭山満に関心があったということだろう。ビルの2階に記念館はあった。商法制以前、社は志を同じくする人間が集まって研鑽をはかる士族の結社という意味を持っていた。玄洋社は「皇室を敬載すべし」「本国を愛重すべし」「人民の権利を固守すべし」との三原則を基幹とした政治結社で明治12年にこの名前になった。佐賀の大隈記念館で大隈外相を襲い条約改正を葬った来島恒喜が玄洋社社員だったことを思い出した。玄洋社は、自由民権運動憲法の新設、国会の開設、祖国の国力伸張に奔走する。また屈辱的外交条約の破棄、アジア主義に基づくアジア民族の自決独立の援助を行う。孫文を助けるなど中国革命における玄洋社の存在は大きく第二次世界大戦終了直後まで日中平和工作を継続していた。記念館入り口の写真や関係者の名簿に度肝を抜かれる。頭山満広田弘毅中野正剛緒方竹虎、進藤一馬などそうそうたる人材を輩出している。1946年に玄洋社は占領軍により強制的に解散される。

「ふるさと博多」シリーズという小冊子には「無位、無冠。在野の頭領。不思議な大きなひと」との評が出ている。萩の乱連座し投獄、出獄後は板垣退助と交わる。向陽社・玄洋社を組織。福稜新報を創刊し社長。大隈外相爆弾事件にかかわる。満州義軍結成を支援。浪人会を結成し大正デモクラシーの風潮と対決。純正普選運動を展開。孫文、ボースら亡命政客を保護。戦前右翼界の長老として晩年は神格化される。

「人間は魂さえ磨いて居ればよい。ほかに何も考えることはいらん。国も人も魂じゃ。魂の無い国、魂の無い人は国でも人でもない」

「反省をしなければならない。しかし、改心をしてはいけない」

「青年は圭角がなければならぬ」

火のついた線香である人間は、時限爆弾を抱えながら生きていることになる。時々刻々とその日は迫りつつある。この短い期間に気を許して時間を無駄にするな、発憤せよ、それが頭山の気概に満ちた言だ。