全国戦略経営塾2017--ウーバージャパンの高橋社長。経済産業省の前田審議官。三重大の西村副学長。寺島塾長。

全国戦略経営塾2017が九段のグランドパレスで開催された。全国から100名の経営者たちが参集。

冒頭は寺島塾長の挨拶。

続いてウーバージャパンの高橋正巳社長「Future of Mobility テクノロジーに夜交通の変革」。

ボタンを押すと車が来るサービス。77ヶ国600都市。一日1000万乗車。現在は全体の4%、10-15年後には25%へ。ウーバー・プールでの乗り合いにより交通量の削減。ライドシェア(所有から利用へのパラダイムシフト。ウーバーブラック(高級車)、バン、SUV、2輪、小型、タクシー、アシスト、、、。都市の抱える問題を解決していく。タクシーとのパートナーシップ。

テクノロジーによる安全安心の提供。ユーザー:相互評価(ユーザーとドライバー)。情報の対称性。リアルタイムで情報共有。カード決済。ドライバー:200万人以上。自分の責任・自由な働き方。週15時間以下が多い(一日1-2時間)。副業や子育て者。専用アプリは50言語。需給が見えるのでマッチング。ダイナミックプライシング。

海外:フランス:成長の2%に貢献。収入、保険、リース、販促、飲食、観光に影響。

日本:東京は3年半前からハイヤーと提携したハイエンド向きサービス。地方では2つの過疎地域で自治体と組んで実験。京丹後ではNPOに提供(タクシー・バス無し)。北海道中頓別町(JR廃止。高齢化4割)では住民ボランティアに提供(代理配車・現金。病院・買い物)。

ウーバーイーツ:フードデリバリーサービス(料理の注文・配達)。1年前から東京17区。1000店舗以上が参加。世界29ヶ国100T都市。横浜も。ユーザーeater(ホームパーティ・オフィス)は今どこか、配達車の名前、やりとりも分かる。手軽で選択肢が増える。一人前もOK.レストランはコスト安い、マーケティングに有効。配達者(パートナー)は5000名以上、大学生・高齢者・主婦・芸人・役者が登録。ゴールドパートナープログラムも。豊かな食生活。新しい働き方。

ウーバームーブメント:ビッグデータ(雨・災害時の動きなど)を都市開発者・シティプランナーに提供し都市づくりに貢献していく。自動走行サービスの提供を実験中(ピッツバーグ・アリゾナ)。ウーバーエア(空飛ぶ車)の研究開発。人を運ぶ。2020年にドバイ、ダラスで実用化を目指す。2時間が15分に短縮。トラック版ウーバー(物を運ぶ)。スマホさえあればOK。新しい働き方の提供。

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 経済産業省の前田泰宏審議官(IOT担当)。

ディープラーニング協会(松尾先生)。AIという用語もデータという用語も使わない。産業利用にフォーカス。目的。課題発見。テーマ設定。何のためのデータか。何処にどういうデータがあるか。重要なデータ。プライバシー・セキュリティ・権利配分が加わればビジネスモデルになる。日本はデータの利活用が遅れている。整理ができれいない。異業種交流が大事。教育産業政策、町工場とDJのコラボ、文学と数学、、。遊んでいる量に比例する。経営者は方向性を大胆に指示せよ。(飛騨高山にイスラエル人の記念館。誰か?) f:id:k-hisatune:20171107203234j:image

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 西村訓弘三重大学副学長。「三重から世界を見て最近思うこと」

末端から見える。テクノロジーによってライフスタル(生き方)が変わる。中国はフィンテック大国(スマホ決済)。カンボジア。Leapfrogingで一気に進展する。M-PesaでGDPの10%になったが、GDPは増えていない。イノベーションは起こっていない。社会は豊かになったのか?社会の背骨であるインフラに新たな技術を組み合わせる。組み合わせを生み出す能力がカギ。

三重県は南北格差。エア・ビービーの人気のおばあちゃん。若い農業者が定着しつつある。新結合。本居宣長伊勢商人。地方でじっくりと取り組むのもいい。「井の中の蛙大海を知らずされど空に青さを知る」

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寺島塾長。

時代認識:プラットフォームが大事。戦略経営塾もそれ。

中年の危機:出会いと使命感。

異次元の高齢化社会:80歳1000万人・100歳7万人。2050年に80歳1600万人・100歳53万人。80歳の7割は健常者、社会参画のしくみが必要。

知の再武装:ジェントロジー(学際的老年学)。レジリエンス(心の回復力)。時代と向き合う気迫が必要。価値観、メソドロジー(方法論)、情報基盤が必要。

世界をどう見るか?トランプ政権の経済政策(産業政策は保護主義。金融政策は規制緩和。エネルギー政策は化石燃料原子力維持)。株高。西海岸と東海岸の亀裂。西海岸シリコンバレーの光と影。ベンチャー経営者には天国、中間層には地獄(不動産2億円以上)。コンビニの無人化。時給1000円のレジはなくなる。中間層の没落が起こっている。トップと末端で成り立つ経営。バーチャル(IT)とアナログ(生身)のバランス。映画「ザ・サークル」。世界同時好況。アジアダイナミズム。日本との貿易:大中華(31.6%)は米国(15.8%)の2倍。中国:2000年は日本の4分の一。2010年並ぶ。2018年は日本の三倍。10数年後には6-7倍に。エネルギー:供給ではアメリカの原油天然ガスの京供給力が強くイランも登場。エネルギー弾性値の低下(日本はマイナス1.8%。世界は0.32%)で需要はあまり増えていない。需給関係からはバーレル70ドルを下回るはずだ。ただしマネーゲームの対象となれば100ドルもあり得る。日本は現在の50ドル前後が望ましい。脱石油。サウジとカタールの断交で湾岸産油国が割れた。イランの台頭とトルコの野心。ペルシャ帝国とオスマン帝国の再現という先祖帰り。100年前のサイコス・ピコ協定という大国の横暴。

日本:トランプへの接近。親米を装った反米。プーチンロシアへの接近。核兵器禁止条約への不参加。ASEAN9ヶ国とモンゴルが署名。東南アジアの非核化と北東アジアの非核化への構想。奇妙な状態。日本の政治:絶対得票率17.9%(投票率53.68%X比例自民党33%)。安倍政権支持は10数パーセント、議席は61.1%。国民とのギャップ。マグマの高まり。

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終了後のパーティ。モンゴル旅行でご一緒した方々と旧交を暖める。宮城大時代に交流のあった盛岡の山田裕幸さん(山田総合労務事務所長)とも久しぶりに近況交換。寺島さんから拙著『図解で身につく!ドラッカーの理論』の話題も。

 

「名言との対話」11月7日。久保田万太郎「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」

久保田 万太郎(くぼた まんたろう、1889年明治22年)11月7日 - 1963年昭和38年)5月6日)は、大正から昭和にかけて活躍した俳人小説家劇作家

生粋の浅草生まれの江戸っ子慶応義塾予科時代に森鷗外永井荷風に学び、運命が決まった。小説では伝統的な江戸言葉を駆使して滅びゆく下町の人情を描いた。

1934年昭和9年)4月、水原秋桜子富安風生らによって「いとう句会」が発足、その宗匠として招かれ、死の年まで続けた。晩年には日本全国各地を旅して紀行を執筆する。

 

戦後に俳誌「春燈」を主宰し文人俳句の代表作家となる。「神田川祭の中をながれけり」「竹馬やいろはにほへとちりぢりに」「さびしさは木をつむあそびつもる雪」「あきかぜのふきぬけゆくや人の中」「水中花咲かせしまひし淋しさよ」「時計屋の時計春の夜どれがほんと」「あきくさをごつたにつかね供へけり」「叱られて目をつぶる猫春隣」

句碑も多い。桑名「獺に燈をぬすまれて明易き」。浅草神社「竹馬やいろはにほへとちりぢりに」。駒形どぜうの庭「みこしまつのどぜう汁すすりけり」。慶應義塾大学構内「しぐるるや大講堂の赤煉瓦」。

1957年昭和32年)に文化勲章を受章しており、同時に文化功労者にもなっている。

戸板康二『あの人この人 昭和人物誌』は、交流のあった人物のエピソードを語る名作である。この中に何度も久保田万太郎が脇役で登場する。以下、記してみる。

徳川夢声と同じく久保田万太郎もスキャンダルや猥談をしなかった。明治の人のたしなみだった。川口松太郎は10歳年長の久保田万太郎のいちばん古い弟子で師匠としていた。「久保田万太郎と私」は名著。

渋沢栄一の末子渋沢秀雄は田園調布の生みの親であるが、久保田万太郎を俳句の宗匠にして渋亭と号していた。渋亭が「俳句なんて一向に進歩しないものですね」と言うと、ニコリともせずに「いえ、あなたの俳句は退歩しております」といったという。秀雄はこの話を嬉しそうに話していたという。

「茶の間の会」という親しい後輩が集まる会の席上でで、1962年の11月に銀座の「辻留」で野誕生会で「死後の著作権一切を、ぼくの慶応義塾に贈与する」とつげる。そして翌年5月に急逝。慶應義塾では「久保田万太郎記念講座」があり、内外の著名人を招いている。

晩年に酒を飲むと泣く癖があった。小泉信三が「君の作品は戦争中に書いたもののにも嘘はない」というと、突然泣き出したと小泉は追悼文に書いている。

以上、久保田万太郎という人物が匂うようなエピソードだ。自身は俳句は余技だとして位置づけていたのだが、そもそも俳句という文芸は本来は本業の合間に親しむ余技なのではないか。冒頭の俳句は久保田万太郎の人生をうたった傑作だ。