村上龍の次のテーマは?

村上龍「おしゃれと無縁に生きる」(幻冬舎)を読了。

おしゃれと無縁に生きる

おしゃれと無縁に生きる

著名な文化人や仕事ができる人には「おしゃれ」な男はいない、と著者の村上龍は言う。
充分に魅力があるので、特権的にそういうものとは無縁に生きることができるからだ。

こういうテーマとそれを巡る意見から始まって、編集部の提出するテーマにしたがってミニエッセイを書くき、それをまとめた本だ。

贈り物、クールジャパン、韓流ドラマ、企業の不祥事、インターネットと読書、政治意識、日本語、アベノミクス、幸福、夢、高齢化社会、地方の自立、加齢、物流、イノベーション、観光立国、住まい、歴史に学ぶ、定年、など。

私は村上龍の優れた小説を若いころから比較的読んでいる方だし、一時は仕事でつき合ってもいたから、こういうエッセイから染み出る本音にも興味がある。

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  • 北朝鮮のコマンド部隊が福岡ドームを占拠するところから始まる「半島を出よ」は、映画に向いているが、資金不足で未だに作品になっていない。
  • デパートに入っても欲しい物がない。需要の拡大の本質は、欲望と想像力の復活であろうが、そういうことが起こることには悲観的になっている。アベノミクスが失敗すれば絶望はさらに深まる。
  • 心身の衰えはあるが、それなりの収入があれば、不幸をある程度回避できるのは真実だ。金で買えないものは信頼であり、それは継続的なコミュニケーションによって形成される。
  • 小説を書くという仕事をしていると、情報の氾濫のなかで取捨選択に迷うことはない。そして大事なのは「想像力」である。(創造力の源泉は想像力)
  • 韓流ドラマの根本には「恨」がある。復讐と精神的浄化という思考様式だ。言いたいこと、言わなくてもいいことまで全部言う。
  • 理想の住まいなど考えたことはない。原稿が書けるスペースとプライバシーがあれば充分だ。
  • 景気が悪く需要が出ないのはデフレのせいではなく、単に使えるお金が不充分だったからだ。
  • 革新のスピードが緩み、ITフロンティアの限界がみえたときに世界はどう変わるか、を想像している。
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村上は「カンブリア宮殿」でさまざまの経営者と接してわかったこととして、「小さな経済圏」を作る動きが広がっていると感じているようだ。他に依存することなく、理念を共有して信頼に基づいた独自のネットワークである。それは「共生」という新しいムーブメントである、というのが著者の結論になっている。

村上龍の次のテーマは、IT革命の終焉と、その後に訪れる共生による小さな経済圏の未来の物語ではないだろうか。

午前。

  • 授業評価(VOICE)を受領。
  • ゼミ4年生の金子君:内定報告
  • 水嶋課長:教授会議事録。出勤掲示板、、、。
  • 客員の荻野先生から電話:土曜日のインターゼミの件、アメリカ出張。沖縄調査の御礼。

午後。

  • 客員の渡辺先生と歓談。
  • 本日から出勤の河合客員教授(歴史)に情報提供。
  • グローバルスタディーズ学部の安田学部長と電話:人事案件。自己点検ヒヤリング、、、。
  • 川手総務課長:12月の京都出張の件。
  • ゼミ4年生の斎藤君:内定報告。
  • 酒井先生:アクティブラーニング発表祭。
  • 高野課長:ペッパー君、、、、。
  • 杉田先生:全国経営学長会議、、。
  • 彩藤先生:卒業生の起業家。
  • 出原先生:漱石の「私の個人主義」。
  • 松本先生:多摩大総研、、。
  • ホームゼミ:4年生の斎藤君のスピーチ。進路希望届。グループ作業。
  • 金教務委員長:教務関係の細かな課題と方向の摺合せ。
  • 杉田学長室長:懇談。

[名言の暦]9月24日
命日

  • 西郷隆盛1877:人を相手にせず天を相手とせよ、天を相手にして己を尽くし人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし。
  • 芦原義信2003:
  • 丹波哲郎2006:世のため、人のために尽くし明るい笑顔で人生を頑張ったのちには、それに見合った素晴らしい世界があります。

生誕

  • 宇都宮徳馬1906:核兵器に殺されるよりも、核兵器に反対して殺される道を私は選ぶ。
  • 加山又造1927:日本独自の何かをつくってみようとね。できなければ、その芽だけでもつくっておいてやろうと思う。
  • 川口順一郎1955:新しい塔を建ててみなければ、新しい水平線は見えない。