学生は「裁判員制度」に高い関心

先代の自宅近くの紫山公園

隔週で仙台に通っている。宮城大学での講義と卒業研究の指導のためである。久しぶりに馬渡学長に会った。来年4月に県立大学から公立大学法人に組織形態が変化するので、その準備がたけなわというところだが、相変わらずお元気で陣頭指揮にあたっておられた。学長は大学一の仕事師で、研究科長や学長補佐として仕えた私は人柄と能力と熱意に深く触れ今も尊敬している。40分ほどの時間だったが、大学の状況をお聞きした後、私の東京での近況も報告しておいた。

今日の講義では6つの課題を与えた。「裁判員制度」「公務員改革」「デフレ」「財務省」「独居高齢者」「地域自立」で、題材は朝日新聞日経新聞日経ビジネスからとった。それぞれの課題のうち関心や興味をもったものを選んで図解するという趣向である。40分ほど取り組んでそのあと30分ほど同じ題材を選んだ人たちと小グループで発表し議論するというやり方をとってみた。
若者(大学2年生中心)がどの題材を何人が選んだか、なかなか興味深かった。
1位は裁判員制度で50人、2位は独居高齢者で20人、3位は公務員改革で17人、4位はデフレで11人、5位は地域自立で7人、6位は財務省で4人という結果となった。記事のタイトルや中身にもよるのだが、これが現時点での関心の順位である。
裁判員制度については、日経ビジネスの「ビジネス世論」というアンケート調査の記事を配ったのだが、賛否はほぼ拮抗していて、賛否それぞれの読者の具体的な声も入っている。また補足で「法の番人はどこへ行く」という丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)氏の議論の記事もつけておいた。
発表の時間には白熱した議論が展開していた。最後のアンケートで図解に取り組んで議論をした後、結論として裁判員制度について賛成か、反対かという意見を書いて欲しいと依頼したところ、結果は反対30、賛成8と、導入については厳しい数字になった。
水曜日には多摩大学でも同じ題材で授業を行う予定。
(写真は仙台の自宅近くの紫山公園。実にきれいな風景だった)