一週間、酒を飲まないでいたら、、、

あるきっかけがあり、この一週間、酒を飲んでいない。

この間、別に飲みたいとは思わなかった。不思議である。

今日まで体調が悪い時を除いて、酒をきらした日はほとんどない。別に酒豪とか大酒飲みというわけではなく酒量は少ない方かも知れないが、家でも食事の時には必ず何か酒を添えるのが長年の習慣だった。


ビール、ワイン、ウイスキー、日本酒、などその時代によって好みも違ってはいるが、アルコールは欠かせない、と思い込んでいたが、そうでもないらしい。食事時に酒を飲むのは一種のクセだったのかもしれない。たんたんと普通にお茶や水を飲みながら、家族と会話をしながら食事を摂る新しい自分を発見した一週間であった。

別に禁酒や断酒をしたつもりはないから、今日は金曜日でもあり久しぶりに飲んでみようかとウイスキーを何杯か飲ってみた。しかし懐かしいとか、おいしいとか、そういう感じは全くなかった。


昔、酒好きだった父が体の調子が原因で一時酒をやめていたことがある。ひいきにしていた洋服屋に行くと酒豪であることを知っていた主人が、湯飲みでお茶を出してくれたそうだ。飲むと不思議な味をした飲み物だったので、「これは何という飲み物ですか」と父が真顔で聞くと、「ご冗談を!」と笑って取り合わなかったそうだ、それは実は日本酒だった。そうだ、これが酒の味だったなあと思い出したものだ、と父が愉快そうに語ってくれたことがあった。


この頃の父は、酒を飲む代わりに甘党になりお菓子を食べるようになったが、この一週間は私も同じだった。ドラ焼き、ケーキ、栗、さつまいもなど家族が食べるデザートを一緒に食べていた。そこで久しぶりに父を思い出したわけである。



この先、どうなるかは予断を許さないが、酒は飲んでも飲まなくてもやっていけるかもしれない、というのは新しい境地を開拓したような不思議な感覚である。