知研主催の白洲次郎をテーマとしたセミナー−−北康利

k-hisatune2009-07-13

国会議事堂前で降りて、首相官邸内閣府などを見ながら、日本財団ビルへ向かう。

白洲次郎 占領を背負った男」を書いて、白洲次郎ブームをつくった評伝作家・北康利さんのセミナーを日本財団のセミナールームで開催した。以下、キーワードのメモ。
白洲次郎 占領を背負った男 上 (講談社文庫)

  • 白洲次郎はノブレスオブリージの体現者
  • 「プリンシプル」が重要と言った次郎は、原則、筋、武士道などの日本語をあてた。
  • プリンシプルは「美学」ということではないか。自分なりのこれをまもる、貫くという生き方
  • 一人一人が美学を持った生き方を持てば国も美学を持てる
  • 白洲次郎のようなプリンシプルを持った生き方、背骨が通った生き方が大事であり、それを伝えていきたい。
  • 次郎の祖父は福沢諭吉(1901年没)に影響を受けた人。「独立自尊・自分の頭で考える・先を見る力。次郎(1902年生)も影響を受けている。
  • 九鬼水軍(海賊)の末裔が兵庫県三田(さんだ)に押し込められた
  • 次郎は、乱暴者でもあったが、やさしさを持っていた
  • ケンブリッジで先生に感銘を受ける。「自分の意見がないと叱られた」「ジェントルマンとしての扱い」「食堂でみんなで食べながら紳士のマナーを学ぶ」
  • 英国には騎士道というノブレスオブリージがあった
  • GHQは日本に二度と戦争を起こさせないという意図があったため、リーダーを排除した。公職追放財閥解体、農地解放、、、。
  • 白洲次郎「「俺たちは戦争に負けたが、奴隷になったわけではない」
  • 日本水産加工貿易を体現した次郎は、内需拡大がテーマの商工省をつぶし、外務省の一部を取り込んで通産省を設立し、加工貿易を先導する。戦後もっとも成功したビジネスモデルだ。
  • 電源開発(Jパワー)創設にも東北電力会長という立場でありながら賛成した。水力発電が急務だった。弁解しない。汚れ役も。陰徳を積む。
  • 松下幸之助「好況よし、不況さらによし」
  • 戦前はたくさんの伝記があったが、日本は伝記や評伝が少ない国になってしまった。
  • けなさないで誉めよう
  • 西郷隆盛、安田善治郎
  • 政治家は結果が大事だ
  • 2代目、3代目という世襲は、重要な社会インフラ。為政者の側にあるという意識。
  • 早い時期からのエリート教育による人材の再生産が大事
  • 一隅を照らす
  • プリンシプルを持って生きた人には、人生の後悔がない。次郎「葬式不用 戒名無用」
  • eagle eye

終了後、中華を食べながら、北先生を中心に、今日の会の主催者である知的生産の技術研究会の八木会長、秋田事務局長、そして友好組織である日本計画研究所の竹内会長夫妻、シャーロックホームズ研究で有名な河村幹夫先生で懇親会。北先生と河村先生には、拙著「志」を贈呈。

プリンシプルという言葉は、「志」という言葉に近いと感じた。評伝を書くのは、優れた先人の生き方をよみがえらせて現代を生きる人にモデルを示すということであり、私の「人物記念館の旅」と趣旨が近いので、北康利さんの姿勢、仕事に共感を覚える。
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