「世界経済上昇。日本経済好調」--嶋中雄二(多摩大リレー講座)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二所長。
名刺交換。嶋中さんは旧知の学長ともご挨拶。

嶋中さんは日本経済に関するあらゆる最新指標を丹念に追いかけているのに驚く。配布資料は、「12月12日15時時点」という注釈がついている。http://www.sc.mufg.jp/inv_info/business_cycle/index.html

結論は「2012年は景気は悪くならない。新興国は力強い。日本は復興需要。米国は良くなってきた。」「日本経済は2013年度末にかけて景気拡張局面が続く。ただし13年度はやや減速。11年度マイナス1.9%、12年度2.7%、13年度2.4%。」ということだ。
世界経済は良くなってくるし、日本経済は今から2年は好調になるそうだ。

  • 2012年は米国を中心に世界中で盛り上がる年に。景気上昇圧力。

 米国:11月大統領選挙、中国:秋に共産党大会、ロシア:3月大統領選挙、フランス:4月大統領選挙、韓国:12月大統領選挙、台湾:3月総統選挙、北朝鮮:秋に労働党大会。英国:夏にロンドン五輪

  • 米国オバマ大統領が米国新雇用法案(9月8日):3371億ドルの大規模対策。12年の上期は絶好調に。
  • 米国:雇用は改善基調。製造業のマインドにも底入れ感。消費者マインドは底入れ。
  • EU:債務危機対策に包括的戦略。金融安定基金の機能強化・IMFの活用・中央銀行の関与。加えて欧州安定メカニズム(EMS)設立・財政規律強化の新たな枠組み・ユーロ共同債。(日本政府の債務残高はGDP比212.7%と高いが国内消化できており信任は高い)
  • 欧州景気:年末に底入れ。
  • 為替:12年央までドル高・円安か? ユーロは回復へ。
  • 中国:ソフトランディングの様相。不動産は下げ止まった。自動車と粗鋼生産は弱含み。金融政策は引き締めから緩和に移行。
  • 新興国BRICS)は既に底入れ。

以上まとめると、2012年は景気は悪くならない。新興国は力強い。日本は復興需要。米国は良くなってきた。

  • 日本経済:政府「緩やかに持ち直している」。日銀「持ち直しのペースが続いているものの、そのペースは緩やかになっている」
  • 第三次補正予算:実質GDPを1%引き上げ(1年間)。補正規模は1次ー4次で合計20.8兆。
  • 公共投資は上向きの動き。マンション、家電、、。
  • 機械受注・輸出:足元はやや踊り場的な様相。
  • 景気動向指数:直近はやや踊り場的様相。
  • 生産活動:10月、11月、12月は、前月比2.4%、マイナス0.1%、プラス2.7%
  • 自動車:12月以降年明けまで堅調。
  • 日銀短観・業況判断:なお水面下だが、12年に上昇。
  • 中小企業と地方:ばらつきはあるものの、改善の動きも。東北・東海・北陸好調。
  • 公共事業の効果でマインドは持ち直しへ。
  • 首都圏:物流・広告・人の流れ・地価に動き。交通、ホテル、空室率、、。
  • 株価と長期金利:転換点
  • マネーと貸し出しで金融緩和の効果が出始める
  • デフレ基調は変わらず。

以上まとめると、日本経済は2013年度末にかけて景気拡張局面が続く。ただし13年度はやや減速。11年度マイナス1.9%、12年度2.7%、13年度2.4%。

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