ノーベル賞受賞者の言葉から

夜は日本工業倶楽部で寺島文庫リレー塾の3回目を受講。
元東大総長の佐々木毅先生が講師で、テーマは「デモクラシーの現在」。

寺島塾長による紹介
「見上げるような存在。秋田の知性。東大総長。アメリカのリベラルと保守に詳しい。ベースとなる論客。ピケティの21世紀のキャピタルを話題に。」

佐々木毅

  • デモクラシーは政治の仕組み。問題を解決・処理できるか。
  • 民主化とは、不満・クレーム・要求・反抗・暴動・運動。それを制度化するのが選挙という制度。選挙という労力のかかる仕組みで、参加と統治を実現しようとするのがデモクラシー。
  • デモクラシーの3つのタイプ。大統領制(大統領と議会の抑制と均衡)。半大統領制(大統領と首相というハイブリッド)。議会制(議会選出の首相)。
  • 二つのデモクラシー:同調(選ばれた独裁者)と競争(政党)。イデオロギー政党、利益を守る包括政党、そして現在はメディアの力が強くなってきた。この時代は人に焦点があたる、公的助成制度(上からお金が降ってくる)が充実する。
  • デモクラシーと市場経済。平等と格差。日本の平等の時代のピークは1973年あたり。それ以降は自由になっていくが、無責任にもなっていく。
  • 21世紀は格差の拡大の時代。資本への分配が多くなる。努力の意味がなくなる。労働力の持つ意味。介護や医療という労働集約形態が増える。
  • アメリカと日本は変わっていない。しかし欧州は大きく変化した。新しい政治体制。EU.ドイツがはーみないぜーションの中心。イギリスでは議会の解散はなくなった。EUとローカルに引き裂かれた国民国家
  • 日本のデモクラシーは不動。政府の改変には慎重。重い。エネルギーがとられる。欧米は役所は身内であり自由に改変。
  • デモクラシーでは問題の解決能力は期待できない。しかしコミュニケーションはとれる。難題先進国をどうすべきか。
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今年のノーベル物理学賞受賞者に日本人が3人(正確には中村修二氏は米国籍)。
マスコミのインタビューで、彼らの言葉を拾う。

赤崎勇
「一人荒野を行く」
「はやりの研究にとらわれず、自分が本当にやりたいならやりなさい。、、自分がやりたいことだったら、仮に結果が出なくても続けることができる」

天野浩
「自分は平均的な人間。才能がある人はいっぱいいる。普通にやれば勝てるわけがない。他の人がやっていないテーマをやろうと常に思っていた」

中村修二
「私は四国から出たことがない人間だった。若い人には、誰でも頑張ればこういうチャンスがあるということを示せたと思う」「原動力は怒り」

10日のノーベル平和賞で、「憲法9条と日本国民」が選ばれるか。