毎日書いているこのブログの中に、2012年から2014年までの3年間「学部長日誌・志塾の風」、2015年から2016年の2年間「副学長日誌・志塾の風」というコーナーを設け、業務に関する動きを記してきた。
その内容を抜き出して、冊子にしたものが出来上がった。
私個人の仕事の記録であるが、学部長や副学長という役職のマニュアルとしても読むことができるかも知れない。
学部長日誌:1035ページ。
・2012年版:361ページ
・2013年版:294ページ
・2014年版:380ページ
副学長・学部長日誌:521ページ。
・2015年版:276ページ
・2016年版:245ページ
---------------
杉田先生:松田義幸先生との面談スケジュール、科目担当者の件
小林先生:著書の件
飯田先生:読書への回帰イベント
高野課長:情勢
「名言との対話」9月6日。岩城宏之「生きがいというものは、目前の仕事を自分にとってやりがいのあるものに変えようという実に個人的な努力から生まれるはず」
岩城 宏之(いわき ひろゆき、1932年9月6日 - 2006年6月13日)は、日本の指揮者・打楽器奏者。
専門の指揮に関する名言は、「僕は一回演奏すると、そこでスコアを捨ててしまいます。毎回新しく買ってまっさらから勉強します。前のものを頼りにしたくないからです。」「本当の伝統は昨日までのすべてを壊してもう一度作り上げて、たまたま3年前と同じになるというものでしょう。」などであり、毎回勝負をしていることがわかる。
私の印象は別のところにある。岩城宏之『男のためのやせる本』を20代の後半に読んだことがある。太っていると感覚と皮膚との間に肉ができ、外界を正しく認識できないと言う。太った岩城氏の腕で頭をガツンとなぐられた気がしたものだ。彼は太っていたが、一時期とてもやせたことがあった。そのときに書いた痩せるための本である。
「お愛想、へつらい、ハッタリ、酒、ホステス」「どうしても男の30才は太る危険信号の出る時期だ。」「精神の緊張がゆるむからだろうか。」(ちなみに岩城氏は、84キロの体重を数ケ月間で67キロにまで落としている)「主食以外のものを先に食べ、足りない分だけメシを食う。」「肉はとり肉」「ライスを3分の1残す習慣」「酒は低カロリーのウイスキー」「つまみはとらない」「飲む日は朝食を控えめに」「理想体重よりーキロ落としておけ」「10日に1度、ハメをはずす日を決める」「要は、胃袋に『むかしの感覚』を思いださせばいことだ。」「一筋に没頭するものをもっている男に中年太りは無縁」「武人は太っていない」「挫折した時、恋が終わった時に太りだす。」「減食でほんとうの味を知る」「節食をすると頭が冴えてくる」「視野が広くなる」「神経が鋭敏になる」「ゆとりができる」「オシャレに気をまわさなくなる」
太っている動物のオスは、動物の本能である生殖の場面でも、生存をかけて自己を主張する度合いが減ってくる。闘争心が失われるのである。だから自分のメスが他のオスに取られても戦って取り返そうとしなくなることが多いそうだ。これは動物としての堕落だろう。太っていては戦えない。
氏は更に生きがい論にまで言及する。そして酒場で交わされる上司や仕事への不満を吐露する「サラリーマンのくり言に同惰はできない」と言い、血の滲むような自らの努力で獲得した「やりがい」の延長線上に「生きがい」が登場すると喝破している。岩城裕之には、戦うことを教えてもらった。