5年間の多摩大学経営情報学部長と後半2年の副学長兼務が終わった。
2012年3月の学部長就任時の挨拶では、「尊敬する人は二人。野田一夫先生と寺島実郎先生。野田先生が創り、寺島先生が現学長の多摩大の再建は、私の天命と受け止めている」と教授会で語ったことを思い出す。
それから5年経った。教職員の協働によるきめの細かい努力の結果、教学面では文科省の改革総合支援事業での「大学改革ランキング全国1位」の獲得(全学)、経営情報学部の入試は定員320名のところ2年連続で400名を越え、就職率も大変好調だ。そしてグローバルスタディーズ学部は3年連続、大学院もようやく今年定員を充足した。外形的な量的な意味での再建の第一ステージは終了した。
今後は、副学長として、グローバルスタディーズ学部と大学院を含め、全学の質の充実に力を注ぎ、同志と一緒に多摩大再建の第二ステージに挑みたい。
「副学長日誌・志塾の風」170401
品川キャンパスで大学院入学式。
始まる前に学長と懇談:自民党。全国戦略経営塾。国立科学博物館。大自然史博物館、、、。
- 寺島学長:知の再武装。2016年:65歳以上3300万人、80歳以上1000万人。2050年:65歳以上4000万人、80歳以上2000万人。スキルと全体知。人的ネットワーク。インターゼミ。
- 田村理事長:平均36歳。素晴らしい教授人。志の高い院生。同窓会ネットワーク。
- 徳岡研究科長:深い専門領域。それらを結びつけるつながり。80科目。知の再武装。イノベーターシップ。ビジネスモデル、ルール形成、データサイエンス。
- 武井同窓会長:深いつながりの同窓会。大学院の一番良かったのは刺激。
- 大久保院生代表:イノベーターシップ=イノベーション+リーダーシップ。実践知。現場の問題解決。
- 新入生代表:ライフシフト。100歳人生。変身資産。48歳。知の再武装。仕事と家庭と学業。
入学者が多いため「勢い」がある。また入学者の面構えもいい。楽しみだ。
終了後、田村理事長から辞令をいただく:「副学長」。「研究開発機構長」。
武井同窓会長に「大学改革ランキング全国1位」の資料を渡し説明。
水木客員教授
金先生・高野課長とスケジュールの打ち合わせ
「名言との対話」4月1日。親鸞「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」
親鸞(しんらん、承安3年4月1日 - 弘長2年11月28日 )は、鎌倉時代前半から中期にかけての日本の僧。浄土真宗の宗祖とされる。
「教行信証」には、「苦しみを抜くことを「慈」といい、楽しみを与えることを「悲」という」「どんな徳もすべて具えているものを涅槃といい、どんな道にもすべて通じているものを菩薩と名づけ、どんな智もすべてを収めているものを仏陀と称するのである。」とある。
幕府が念仏禁止の挙に出たため、20年を過ごした常陸を捨て京都に帰る。このとき62歳。このあとさらに30年という寿命を生きる。75歳で「教行信証」を完成、76歳で「浄土和算」と「高僧和算」、85歳ごろに最後の「正像末浄土和算」を書いている。60代の初めはやっと人生の峠を越えたばかりであり、その後の30年近くは著書の執筆に膨大なエネルギーを注いでいることにも驚く。
宗教家の没年齢という資料がある。イエス31歳。フランシスコ・ザビエル46歳。一遍50歳。道元53歳。カリヴァン55歳。最澄55歳。日蓮60歳、空海61歳。マホメット62歳。ルター63歳。孔子73歳。法然78歳。仏陀80歳。親鸞90歳。親鸞は世界でも稀な長寿であった。
親鸞の他力本願と日蓮の法華信仰とは正反対の教えである。浄土は死後にあるとしひたすら南無阿弥陀仏を唱えよという真宗。この世を浄土にしようと願い南無妙法蓮華経を唱えながら現世の改革にあたろうとする日蓮宗。宮沢賢治とその父の相克はこの点にあった。
親鸞の「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」という悪人正機説の悪人とは、庶民、つまり小人と考えればよくわかるように思う。君子はもちろん浄土に行ける。そして小人も仏によって救われる。小人を救えない仏教などに意味はないという絶対平等の思想である。キリスト教に近い。浄土の真実の心を意味する浄土真宗は、国家鎮護の仏教から庶民を救う仏教への一大宗教革命であった。