千葉市美浜に総務省所管の市町村職員中央研修所がある。全国の地方自治体職員の研修施設だ。通称は市町村アカデミー。自宅から二時間以上かかる。
この研修所には宮城大時代からもう10年以上通っている。ここでは主として「政策企画」と「財政」という二つのグループを対象とした講義と実習を担当している。
今回は、市町村の政策企画を担当する部門の担当者が受講生。24歳から47歳までで平均年齢は35歳。男性55名、女性3名。課長補佐級2人、係長・主査級21名、主任・主事・技師等35人。北海道江別市から沖縄県嘉手納町まで。
政策調整課、市長公室企画調整課、企画政策課、政策課、職員課、企画経営課、総合政策課などの部門や、教育委員会、保健福祉課、文化政策課、人事課、水道課、まちづくり推進課、農林課、などの所属である。市、町、村の名前がリストに並んでいる。大学の地元の多摩市からは企画政策部企画課の職員が受講していた。
このクラスは一週間のプログラム。以下が講師陣とテーマ。
- 北海道大学公共政策大学院教授・宮脇淳 地方分権改革とこれからの自治体行政
- 関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科教授・石原俊彦 「自治体財政と政策形成」
- 新潟大学法学部副学長・田村秀 政策形成から行政評価まで
- 京都大学大学院文学研究科教授・石川義孝 人口構造の変化と政策形成
- 多摩大学経営情報学部教授・久恒啓一 図解表現の技法
- 北海道大学大学院文学研究科教授・宮内泰介 情報収集・調査のポイント
- 九州大学大学院統合新領域学府客員准教授・加良部貴行 住民協同による政策形成
私の担当は、13時から17時までの4時間。
講義「説得型行政から納得型行政への転換を!」1時間半、実習2時間、講義0,5時間という時間割。
以下、講義後のアンケートから。「目からウロコ」という言葉を使った人は3名。
- いかに自分が偏った考えをし、偏った知識しか身についていなかったかを知りました。
- 近隣の自治体のこともわかっているつもりだったが、表面上の理解だと思い知らされた。
- 全く新しいものの考え方でした。
- HPの紹介はものすごいバイタリティを感じた。
- 目からウロコが落ちる手法で、発想法が変わると思う。
- 図で描くことに苦労する時間こそが、その成果物と同等に重要であると思った。
- 「企画は一枚の図に表現できないとダメ」という一言は、一生忘れません。本当に頭を使いました。
- この手法を広めたい
- 目からウロコ
- 図表は文章の補助、という認識の間違いがわかり驚きでした。
- うちの市役所でもぜひやってみたい!
- 「考える職員が少ない」とずっと言われてきたが、その解決策はこのこの手法だということがしっかりとわかった。
- 図にするということで考える能力を養えるということが体感できた。
- 「最初から市民向けに書け」という先生の発言に納得しました。
- いかに普段から物事を考えていないかわかった。
- 頭がスッキリしました
- 「箇条書きが疑問だ」といういきなりのお話に正直驚きました。
- もっと新しいことを採りいれていきたい。
- 驚きました。今後の仕事のやり方が変わる気がします。
- 自分の担当業務を説明できない担当者が多いので、参考になった。
- 先生の本はドラッカーしか読んだことがないので、他の本も絶対に読みます。
- 住民不在の考えをしないように心がけます。
- これからの自分に必須のスキルとなるとの思いを抱きました。
- 今まで学んできたどの分野とも異なる内容で非常にためになりました。
- 新鮮
こういう研修は、私にとっても全国の自治体職員の現場の動き、息吹、悩み、などに触れることができるいい機会となっている。
この市町村アカデミー以外にも、立川の自治大学校、調布の消防大学校などをレギュラーで受け持っているが、公務員の仕事ぶりに影響が大きいのでできるだけ引き受けるようにしている。
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放送大学の番組出演が検索に引っかかった。
「問題発見と解決の技法 第10回」
12/3 (土) 12:00 〜 12:45 (45分)
番組概要:第10回「図解による表現」神奈川工科大学教授 遠山 紘司 多摩大学教授 久恒 啓一