大学院学位授与式。

 品川キャンパスで大学院学位授与式。

始まる前

・学長と懇談:知研。野田先生。出版会、、。

・理事長と懇談:FD・SD合宿の報告

 

学位授与式。

・寺島学長:知の再武装。知の拠点。異次元の高齢化。100歳人生に耐えられますか。60歳から40年。20歳から80年。コンピュータサイエンス(IT革命・ビッグデータ・AI).ライフサイセンス(DNA)。人間とは何か。ジェロントロジー(高齢化社会工学)。心構えと制度設計。終わらないたび。金融ジェロントロジー。アセットは師友。人的ネットワーク。一つづつ駒を進めていく。次の一手。

・田村理事長:まなび続ける。卒業後も母校の大学院の活用を。学園歌。、、

・徳岡研究科長:イノベーション。SDgs。73億人野内40億人が貧困。ローコスト、デジタルによるイノベーションで解決。マーケットは2006兆円。人生100年・現役80歳。

・坂西同窓会長:自分の39期は4割が転身。同窓会ネットワーク。学部OB会と大学院同窓会の合同で多摩大「志塾会」。

・小泉在学生代表:多摩大は実践ファースト。知ることと使えること。

・小川終了生代表:密度の濃い2年。人生が2倍。学んだことは「自己限定しないこと」。志と使命感が支え。一隅を照らす存在に。

 

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修了生の全体像。

・修了者25名:日本人28歳から63歳。30代、40代中心。留学生48%(中国7/台湾2・モンゴル2・ベトナム1)。企業派遣4名(全員が優秀論文を獲得)。

・ルール形成プログラム(1年間)7名。38歳から55歳。

ヒント:学部同窓会・大学院同窓会の国際化というテーマ。中国の各都市、台湾、モンゴル、、、などで多摩大「志塾会」の支部をつくろう。

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懇親会。

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「名言との対話(平成命日編)」3月10日。山口昌男「自分のやりたい研究に指導教官など、この世にいないものと思え」

山口 昌男(やまぐち まさお、1931年8月20日 - 2013年3月10日)は、日本文化人類学者 

 山口昌男は、アジア・アフリカ・南アメリカなど世界各地で単独行のフィールドワークを行った文化人類学者である。1980年代浅田彰中沢新一らの脱マルキシズムを知のあり方を先導したニューアカでミズムブームの先駆者でもあった。私自身はこの人の本の愛読者ではなかったが、常に論壇で異彩を放ち、議論を先導する姿をメディアでよくみていた。
「中心と周縁」を遠近法によって把握し全体像をつかもうとする「知の遠近法」を武器とした。文化の中心から押しやられた少数者の「周縁」の文化を抹殺せず、それが存在することで文化が全体としてより深く了解できるという立場である。異端、異人、病人、狂人、精神病者、異邦人、道化、敗者、黒人、貧者、弱者、、など社会から疎外された存在の意味を探ることによって世界がより見えてくる。スケープゴートと位置づけられているマイナスの存在を強く肯定する思想である。

マンガ「のらくろ」と作者の田河水泡を高く評価する山口は「常民文化の最高到達点がマンガであるから、比較マンガ学は是非大学の中に市民権を持つべき、、」だとも主張した。マンガもまた庶民という弱者からみた世界の投影だからだ。

東京大学駒場美術研究会で一緒に学んだ建築家の磯崎新は、海外出張中に電話で膨大な蔵書が山積みになっていた研究室の「何番目の山の何冊目の何ページを引用するから探せ」と指示を出したという話を披露している。あまりに博覧強記であるために、評者が著書の意味を追いかけるのが難しいともいわれた山口真男の姿を彷彿とさせるエピソードだ。

山口昌男は、自分がやりたい研究を自分の力で成し遂げ、独自の理論を発表していった。梅棹忠夫文化人類学の唯一の方法は「比較」であると言っていたことを思い出した。誰にとっても未知の分野に進むには、確かに指導教官など不要である。凜々たる勇気と自前の武器で未知のフィールドを探検したいものだ。

知の遠近法 (岩波現代文庫)