立川:東京新聞から取材。多摩:寺島実郎。リレー講座。仙川:プリ君。

朝:立川の東京新聞多摩支局で服部記者から『図解コミュニエーション全集』の取材を受ける。行きつけの整体の後。

f:id:k-hisatune:20200730105914j:image

昼休み: 多摩大総研の所長・副所長ミーティング。

f:id:k-hisatune:20200731035121j:image

 

14時:寺島学長と面談:推薦文をいただいた『図解コミュニケーション全集』を贈呈。近況報告。サイン入りの『日本再生の基軸』をいただく。

寺島文庫の林さん、杉田副学長、金先生、高野課長と懇談。f:id:k-hisatune:20200731035011j:image

 

14時50分:春学期のリレー講座最終回:寺島実郎「2020年夏 世界の構造変化と日本」。リアルとリモートのハイブリッド。

f:id:k-hisatune:20200731035024j:image

本当のことを知る努力。全体知。コロナ鬱状態。強い感染力(潜伏期間が長い)と弱毒性(致死率が低い)。5月25日の緊急事態宣言解除時27万件のPCR検査数、7月29日までに49万件増えて76.5万件になった。3.4%が陽性。致死率は2.9%まで下がってきた。やがて1%以下になるだろう。日本の死者は1006人。ジャパンモデル「司令塔はダメなのに死者が少ない不思議」。専門家の誤謬「42万人の死者」という恫喝。2019年のインフルエンザ死者は3500人、コロナもこの範囲で収まるのではないか。もちで3000人、側溝で1500人。1-5月で日本人の死者は1.4万人少ない。閉じこもりで交通事故も減少。

ウイルスとの共生:文明論が必要。バイキンマンのいないアンパンマンはいない。抵抗力、免疫力。地球46億年、微生物・ウイルス30億年、ホモサピエンス20万年。人類は新参者。賢く制御していくことが必要。病院・診療所への来訪者は20-25%ダウンし困っている。

第2波か? PCR検査を増やしているから多くなっているに過ぎない。100年前のスペイン風邪と違って一週間で病原体が特定できた。過大におびえることはない。ワクチンは秋、第3段階だ。

日本は「マスク2枚と10万円の国」と。本当の対策がない。給付金、Goto、休業補償、代理店の税金ビジネスなどゆがんだ対策。全体知。新聞1300万部の減少で科学部が弱体化。科学ジャーナリズムの弱さ。日経サイエンスだけ、8月号。中間層の厚み、健康保険制度。ジャパンモデルの要因は何か。DNA?自衛?、、。、

世界の変化:米中二極論は間違い。コロナが問題をあぶりだした。日本の基幹産業(鉄鋼、自動車、エロクトロニクス)がメルトダウン中。株式時価総額ユニクロ6.4兆円、オリエンタルランド5.7兆円。日鉄0.9兆円、東レ0.9兆円、日立3.3兆円。

調整インフレの金融政策のアベノミクスで安易な円安にして緩んだ。世界GDPシェアは1988年16%、2018年6%、2050年1.8%(三菱総研)。2011年の3.11、2020年のコロナ。

米中はリーダー失格。中国が香港、台湾問題で脱・中国の雰囲気、失いつつあるものが大きい。東南アジアの3500万人の華人・華僑の失望、警戒心。台湾はコロナで成功。中国のグリップ力は低下した。アメリカはトランプの失敗。15万人のコロナ死者。バイデンと10ポイントの差。1月のAI予測「トランプの再選はない」。6つの州で負けている。「スリーピーJoe」といわれ退屈な77歳。副大統領がポイント。女性、マイノリティが切り札。副大統領は大統領になる可能性がある。暴露本2冊。米ソ冷戦はイデオロギー選択の競争だった。韓国でもアメリカは失敗。韓国は中国に接近。北もいらだち。日本はアメリカへの過剰同調。F35の105機購入など。東南アジアの目線は中国にもアメリカにも不安と疑問。アセアンの希望は成熟した民主主義と技術力の高い資本主義国の日本が選択肢になることだ。

イギリスのブレグジットアメリカの影響力の後退。ドイツにおける在独米軍の撤退によって中東での存在感も減少になるだろう。イスラエルサウジアラビアだけになってしまった。イラン、トルコ、シリア、リビア、、、。ロシアのプーチン2036年まで大統領か。憲法改正で領土問題は厳しくなた。G7に韓国とロシアは入れる案も。日本は全方位で失敗。日本は鎖国状態になった。ナショナリズムの空気あり。こいう時こそグローカリティだ。

ーーーーーーーーーーーー

17時半:仙川で20代からの親友のプリ君との懇親会。「サルバドーレ・BAR」。20時まで。結構飲んだな。

f:id:k-hisatune:20200731035049j:image

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「名言との対話」7月30日。今日出海「どんな奴でも軽蔑したらいけない。そこから汲み取ろうと思ったら、誰からでも、いくらでもくみ取れる」

今 日出海(こん ひでみ、1903年明治36年)11月6日 - 1984年昭和59年)7月30日)は、日本小説家評論家、舞台演出家。初代文化庁長官。

天台宗僧侶で小説家の今東光の5歳年下の弟。フランス文学を専攻。1933年、明大教授。 1945年文部省社会教育局文化課長となり、すぐに芸術課の初代課長となった。1949年フィリピン戦線の従軍記録「山中放浪」を発表。1950年「天皇帽子」で直木賞。「三木清における人間の研究」などの人物論で知られる。1968年佐藤栄作首相に請われて文化庁初代長官となり、約4年間務めた。1972年国際交流基金の初代理事長を8年間務め、モナリザの日本初公開(1974年)、および、パリ唐招提寺展を実現した。 1978年文化功労者。 80歳で没。

東京帝国大学仏蘭西文学科では、辰野隆鈴木信太郎らに学んだ。小林秀雄三好達治中島健蔵らが同期である。

『迷う人 迷えぬ人』(新潮社)を読んだ。友人、知人との交友録である。兄の今東光は「偽悪の人」、舟橋聖一は「無駄を嫌う人」、「女運」の久保田万太郎石川達三は「己を愛する人」、桑原武雄は「合理の人」、亀井勝一郎は「求道者」、「迷えぬ人」中島健蔵らが登場する。

反抗の人・今東光は女には優しく従順で東光極悪説は俗論。舟橋聖一は意志が強い勤勉家で精力家。芸能人が賞をもらうなど地位を高めたのは久保田万太郎のおかげ。石川達三の合理癖とは違って桑原の合理的説明は説得力は弱い。奇怪なほどい博識の中島健蔵は流れに身を任せる迷わぬ人。マルクスボーイから真宗に転向した求道者・亀井勝一郎の歩いた道は間違っていることもあり得る。、、、、今日出海の人物眼は鋭く、辛口でかつ愛情深い。「迷い」という視点で人物を描くというのは奇抜である。

「どんな奴でも軽蔑したらいけない。そこから汲み取ろうと思ったら、誰からでも、いくらでもくみ取れる」という今日出海の人に接する姿勢は、『迷う人 迷えぬ人』によく出ている。

文化庁国際交流基金などでも初代のトップとして活躍するなかで、小説家としての目に加えて、人を見る目が鍛えられた。誰からでも学ぶ姿勢は一貫していたのだろう、持ち込まれた役職は80近きに及んでいる。誰からも学ぶ姿勢を学びたい。 

迷う人迷えぬ人 (1963年)