画家は長寿が多いーー大観、北斎、ピカソ、熊谷守一

15回にわって「ほんとうの時代」に連載してきた「人物記念館を訪ねる旅」も12月号で最終回を迎える。今回は日本画の再興を果たした横山大観を取り上げている。大観は明治元年生まれで、1958年に90歳で没しているから、まだ最近の人という感じがする。短い時間であるが、私と同じ時代の空気を吸っているということに驚く。

一般的に画家は長寿が多い。北斎も90歳、ピカソも90代前半、熊谷守一もたしか90歳だった。創造的な仕事に没頭するとストレスが少なくなるということだろうか。


大観は、「創造、心、人間、人物、日本人」などの言葉をよく使った。技術の習得よりも人物の練磨が大切だという。

ちなみに大観は顔が立派で有名だった。その風格のある顔を描く写生会まで開かれていた。人物もやはり顔に出るということだろうか。

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「芸術は創造である。如何なる場合に於ても模倣は之を排斥せねばならぬ。」


「藝術には眼で描く芸術と、心で描く芸術と、二つある。眼で描く芸術は技術が主になりたがり、心で描く芸術は技術を従とする傾きがあります。」


「人間ができてはじめて絵ができる。それには人物の養成ということが第一で、まず人間をつくらねばなりません。、、。世界的の人間らしき人間ができて、こんどは世界的の絵ができるというわけです。、、、ただ一つ我は日本人であるという誇りをどこまでも堅持してもらいたい。」



大観の絵は私たちに日本人であることを強く想起させる。大観の日本画の再興という息の長い仕事は日本と日本人の再生が目的だったのではないだろうか。

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