「人がやらないことより、人がやれないことをやれ」(軽部征夫)

k-hisatune2009-08-27

理事長をしているNPO法人知的生産の技術研究会(知研)は、現在二つの出版プロジェクトを遂行している。年内に一冊、年度内に一冊の本が上梓される予定だ。

この二冊の本は各界の知的生産者を訪問取材し、そのエキスをまとめて、読者に提供する計画であるのだが、両方に私も登場する予定である。

今日は、午前中は大学の研究室で取材を受けた。知研会長の八木さん、事務局長の秋田さん、会員の斉藤正明さん、札幌からきた会員の松本さん、そして編集者、フォトグラファーという総勢6人の集団だ。インタビューは子供時代の話から始まって、大学時代、会社員時代を中心に話をした。終了後、写真を何枚か撮られた。今回の本は写真も重要な要素なので、実力派のフォトグラファーがずっと取材に同行している。

京王堀之内駅周辺のそば屋で昼食を摂った後、午後は八王子の東京工科大学キャンパスに向かう。軽部正夫学長を取材した。13万坪の大きな、そしてきれいなキャンパスである。ゆったりした空間、大きな美術館、日本庭園、高層ビルなど、驚くべき大学だ。美術に関心のある名経営者である理事長を中心に発展を続けている大学。軽部学長自らつくたっという基本理念が学長室にかけてあった。「生活の質の向上と文化の発展に貢献する人材を育成する」。

軽部先生。
1966年東京水産大学水産学部卒業後、72年東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻博士課程修了(工学博士)。米イリノイ大学食品科学科博士研究員、東京工業大学資源化学研究所教授、東京大学先端科学技術研究センター教授、東大国際産学共同研究センター長などを経て、2003年より東京工科大学バイオニクス学部長、05年より副学長。バイオ、IT、ナノテクなどの先端科学技術に精通し、マネジメント能力に秀でた起業家を育成する同大学の大学院アントレプレナー専攻でも教鞭をとる。フランス政府教育功労章バイオセンサー国際賞、日本化学会学術賞、文部科学大臣賞(研究功績者)ほか受賞多数。【専門領域】バイオテクノロジー、バイオニクス

軽部先生は、知研で10数年前にも「創造力」をテーマに講演をしていただいており、そのときは発明、創造などについて面白い話をしていただいた。当時は東京工大の教授だった。楽しく、愉快に、お話を伺った。ずいぶんと人生をエンジョイしている人だと感心する。笑い声の絶えないインタビューとなった。

人ができないことをやろう・一番遊んだ人が一番偉くなった・すべてがムダにならなかった・学者でなければ経営者になっただろう・東大先端研時代は47の審議会に出ていた・当時講演は少ない都市で80回、多い年で126回・やることを趣味にする・人がやらないことより、やれないことをやれ・好きを探せ・粘りと熱とと押し・独創人間のすすめ、、、、、。

外国自動車マニア・八ミリ・ヤフーオークション・釣り・テレビタレント・農産物、、、、、、。

「今は経営が面白い、息抜きに研究をしている」という軽部先生は、ハンサムで、エネルギッシュで、凝り性で、サービス精神旺盛で、そして何でも楽しむ名人だ。こういう人の周りは常に笑いと活力に満ちているだろうな。先生の独創を重んじる考え方に深く共感し、前向きな生き方に感銘を受けた。


八木さん、松本さんと、南大沢でお茶を飲みながら総括。

夜は、都内に勤める娘が帰ってきたので、娘の誕生日祝いを家族でする。そしてみんなで「Wii」を楽しんだ。