「人間学」という新たな著作のジャンルが見えてきた

致知」という雑誌がある。「人間学を学ぶ」月刊誌」というサブタイトルがついている。知る人ぞ知る雑誌である。
2010年1月号が届いた。特集は「人生信条」で、「我が人生の師と信条」(千玄室・山折哲雄)、「稲盛和夫に学んだ人生信条」、「世界的ピアニスト 辻井伸行はこうして生まれた」、「イチローの人生信条」(山本益博)。その他に、「名君・上杉鷹山の師 細井平洲の生き方に学ぶ」などが掲載されている。冒頭に安岡正篤先生の「私が学ぼうとしたものを学びなさい」という心を打つ言葉が紹介されている。

この雑誌の「書評・BOOKS」というページに今年7月に出した拙著「志−混迷の時代 道をひらく言葉130」(ディスカバー)が紹介されていて、嬉しく思った。
「ジャンルを問わず歴史をつくった人たちには、多くの苦難を乗り越える中で掴んだ真理がある。それは時空を超えて私たちを勇気づけてくれる。本書は大学教授の著者が、自信の心の糧として長年書き留めてきた古今の偉人百三十人の言葉に、解説を添えたものである。どのような厳しい状況の中にあっても志を立て、それを磨いていった人の言葉は一様に重たい。「志のない人々の集団を組織と呼べるのだろうか。志のない国は、果たして国なのだろう」という著者の呼びかけに耳を傾けたい。」

この本は、ここ5年間没頭してきた「人物記念館の旅」から得た叡智を材料にした出版の第一弾である。

第二弾は、来週11日配本予定の「あなたの人生が上手くいく 7つの成功法則」(三笠書房)。「人生の達人」たちの共通点に学ぶという趣向。その7つとは以下の通り。
1.お手本となる「師匠」がいる 2.お互いを高め合える「ライバル(敵)」や「友」がいる 3.「強い志」を持ち続けている 4.「怒濤の仕事量」をこなしている 5.「自分を鍛える」ことを忘れない 6.「構想する力」を持っている 7.「日本のよさ」を知っている


第三弾も、「遅咲き」をキーワードにした本を執筆中で、こういう「人物学」とでも呼ぶべき著書が一つのジャンルになりつつある。

この「人物記念館の旅」は、今年は50館を超えて、トータルでは310館を超えたところであるが、すでにライフワークの領域に入ってきた。この聖人巡礼の旅から、どのような収穫を得ることができるか、まことに楽しみである。
http://www.hisatune.net/kinenkan/kinekan_list.htm