本日のリレー講座は姜尚中(カンサンジュン)「東アジアの安全保障はどこへ行く」。
- 東アジアの火薬庫は、中台と南北(朝鮮)。
- 中国外交によって影響力が拡大:中台湾のトップ会談。中韓の接近。中国とEU主要国の緊密。北朝鮮の金ジョンウンの中国訪問の噂。
- 冷戦時代は、自由主義の日米韓と社会主義の中朝露の対立だった。
- 現在は、東アジアは地殻変動が起こっている。
- 日本:日米韓と平和憲法と沖縄の基地、この3つを同時に解決することができない。
- 中台衝突による台湾併合、南北の衝突による中朝連合の勝利。こういう展開になっていたら、平和憲法の改正、国家安全保障法などによる反共の最前線になっていただろう。そして日本の沖縄化が進行したはずだ。
- 戦後の沖縄は実質的な治外法権であったし、本土復帰後も同じだった。「本土の応分の負担」になったら、佐賀空港にみるように反対運動で政権がもたない大変なことになる。
- 日本という国はいつも戦後は民主主義だった。第二大戦の敗戦は4つ目の戦後。
- 戦後日本は冷戦構造によって支えられていたから、日本には危機は襲って来なかった。ハードな部分は台湾、韓国、沖縄が向き合ってきた。
- 東アジアの地殻変動。冷戦の終了はチャンスではなく日本のピンチ。
- 日本はこの変動により広い、深い日米同盟で対処しようとしている。
- 現在の中国は旧ソ連と違う。様々な国とFTA。IMFの貸し出し権。世界に占める存在が大きくなっている。これに対処するためのブロック化は難しいだろう。
- 米中衝突が起これば、周辺諸国は終りになる。折り合いはどういう形になるか?
- 東アジアは軍事密度が高くなっている。
- 東アジアには多国間のラウンドテーブルがないが、これを目指すべきだ。
- 6か国協議の枠組みがいい。日本・韓国・北朝鮮・中国・ロシア・アメリカ。これにモンゴルや台湾を加える。東北アジア諸国連合。
- 日本は、日米韓と日中韓の2トラックで考えるべきだ。
- 北朝鮮の「核」が焦点。
- 金ジョンウンの訪中が実現したら6か国協議再開の可能性が高くなる。
- 2005年の共同宣言文に戻るべきだ。全地域の非核化の一環としての北朝鮮の非核化、北の安全保障としての米中南北の平和協定。6か国を中心とした多国間安全保障。軍備管理、軍縮。IAEAによる北への査察が必要。2-3年後には北は核弾頭を装填した弾道弾を飛ばせるようになる。
- 日本6か国協議に熱心ではないが、拉致問題は6か国協議と2国間協議との両輪で解決すべきだ。
- 日米韓国の親密化が必要。従軍慰安婦問題は国家間では解決済みだが、韓国の憲法裁判所の司法判断もあり、私人の権利の問題は残っている。どこで妥協するか。
- 6か国協議を前に進めるしかない。NTPへの復帰、IAEAの査察。そして朝鮮半島の非核化を実現することが日本の利益である。
- 一触即発状況。衝突があり死者がでたら世論はどう転ぶかわからない。汗を流して共同で取り組むしかない。
- 国家の不安定、国民の格差が進むと、国家と個人の自己同一化、一体化の動きになる。好きか嫌いか、善か悪かになっていき、軍事衝突はありえないことではない。
- 民主国家も世論のコントロールが難しくなっている。中国でも世論のコントロールは難しくなってきた。
- ナショナリズムのボルテージを低くしていくべきだ。
- 多国間と二国間の多様な取り組みが重要だ。
- 全面衝突が起きたら、東アジアは終わりだ。
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「名言の暦」11月12日。
命日
- 草野心平1988:死んだら死んだで生きていくさ。
生誕