リレー講座2017年度秋学期最終回。
2017年がテーマ。
- リーマンショック直後のオバマ政権はイラクからの撤退と強欲資本主義を縛ることがテーマで登場。英国のBEGXIT、米国のトランプ登場。リーダーの迷走。直接民主主義への動き。ポピュリズム(大衆迎合主義への扇動・操作)の危険性。
- トランプ政権は金融・軍事複合体。国務長官・財務長官・商務長官・国家経済会議(NEC)委員長ら外交・経済は金融(ウオールストリート)出身者。国防長官・大統領補佐官(国家安全保障)国土安全保障長官ら軍事は軍人(強硬派)出身。外交はロシア対応。経済は市場の論理。軍事は力の論理。
- シルバー・デモクラシー:高齢化した国道16号線沿いの団地。都市中間層(郊外・産業戦士・核家族・ニューファミリー)。2045年には1億人、高齢化率は40%。有権者50%、有効投票60%が高齢者に。単身化の進行(2015年63.7%)。独居老人へ。
「名言との対話」1月12日。岡田三郎助「「残るものは絵だけだよ。絵かきはそれで能(よ)いのだよ」
岡田 三郎助(おかだ さぶろうすけ、1869年1月22日(明治2年1月12日) - 1939年(昭和14年)9月23日)は佐賀県に生まれ、明治~昭和にかけて活躍した洋画家である。女性像を得意とし、日本的な感覚の洋画に秀作を残している。東京美術学校(現・東京藝術大学)教授。第1回文化勲章を受章。 妻・岡田八千代は小説家・劇作家で、小山内薫の妹である。
藤島武二(1867-1943年)と岡田三郎助(1869-1939年)は、1868年の明治維新を挟んで生まれており、同世代だ。藤島は横顔の女性像、岡田は気品あふれる画風で知られている。2人とも近代洋画の世界で大きな足跡を残しているのだが、その人生行路が全くと言ってよいほど似通っていることに驚く。藤島は薩摩藩、岡田は佐賀藩の出身で、同時に西洋画を志した。フランス留学。1934年、藤島67歳、岡田65歳、帝室技芸員。1936年、岡田67歳、勲二等瑞宝章。1937年、藤島70歳、岡田68歳、同時に第一回文化勲章を受章。日本画は横山大観と竹内栖鳳だった。、、、。
岡田は、寡黙な人だったらしい。その岡田は、骨董、美術品を愛好する傑出した工芸コレクターだった。
藤島は男性美、岡田は女性美という中沢弘光の対比もある。また「武二の剛に対して三郎助の柔」とも対比される。永遠のライバル藤島が岡田を語り、「上品さ何を描いてもついて廻っていた」「殊に美人画に興味を持っていて美しい絵を沢山描いた」と語っている。
画家、小説家など作品を創りあげる仕事は、その人の言動よりも、残した作品が重要だ。長く残り後世にも影響を与えるのは、画家の場合は絵である。岡田の寡黙はそういう考えの発露であろう。研究者として書籍を書くのも同じことが言える。後世に残る作品をものしたかという問いをかみしめたい。
「副学長日誌・志塾の風170112」