参議院選選挙の投開票日。
投票率52.16%。以下、結果。
自民(63当選。+8で新勢力は119)。立民(17。▲6で新39)公明(13。▲1で新27)。維新(12。+6で新21)。共産(4。-2で新11)。国民(5。▲2で新10)。れいわ(3。+3で新5)。N党(1。+1で2)。社民(1。新1)。無所属・諸派(5。▲2で新12)。
れいわの山本太郎・水道橋博士、N党のガーシーなど話題の人が当選。
ーーーーーーーーーーーー
「名言との対話」7月10日。吉行あぐり「不器用なんです。私は。だから今日まで続いたんだと思います」
吉行 あぐり(よしゆき あぐり、1907年(明治40年)7月10日 - 2015年(平成27年)1月5日)は、日本の美容師。享年107。
岡山市出身。15歳で作家の吉行エイスケと結婚。1929年、美容院を開店。1940年、夫と死別。1949年、再婚するが1997年に死別。戦後の1952年、吉行あぐり美容室を開店し2005年の98歳まで続けた。本名の漢字の安久利を平仮名の「あぐり」としていた。
1997年上期のNHK連続テレビ小説「あぐり」のモデルとなった。あぐり役は田中美里、夫のエイスケ役は野村萬斎だった。この番組は私もよくみたので、吉行あぐりの美容師の草分け人生には親しみを持っている。
94歳で書いた「元気の秘訣は、一生懸命と好奇心」が副題の吉行あぐり『「あぐり美容室」とともに』(PHP)を読んだ。「美容師という仕事につきましたことで、やっぱり成長したのだと思います」と、仕事を持つことの意義を語っている。座右の銘は「心はまだ老いず」「身老未心老」。身は老いても心は老いず、である。
その本で、「あぐり流養生十カ条」を紹介しているので参考にしよう。
一、散歩は毎朝一時間。いつまでも自分の足で歩けますように。 二、いつも身ぎれい、整理整頓を心がけ。 三、一日やかん一杯の健康茶と、できれば一日三十品目の食事を。 四、しかたがないといい聞かせ、体と相談、無理をせず。 五、字を読み、字を書き、頭の体操をいたします。 六、自分でできることは自分でやり、助けてもらうところは助けてもらいます。 七、時には見て見ぬふり、馬耳東風。 八、生き甲斐となる仕事があることはしあわせ。 九、旅行、映画、外食など、新しい体験を楽しみます。 十、「おかげさまで」「ありがたいことです」の気持ちを忘れずに。
長男は作家の吉行淳之介、長女は女優の吉行和子、次女は詩人で小説家の吉行理恵であるが、107歳まで生きると、2人の夫、長男、次女を見送るということになるのだ。
「新しい体験をすると、寿命が七十五日のびる」という言葉を信奉しており、90歳を過ぎて、長女の和子と、メキシコ、ネパール、中国、イタリアなどを旅している。そのたびに若返ったようで、107歳という長寿生活を堪能している。
『ゆうゆう7月号増刊 生きる力を鍛えるヒント』(主婦の友社)が手元にあり、吉行和子がインタビューに応じていた。その中で母のあぐりについて語っている。91歳から95歳まで海外、98歳までは国内を2人で旅したそうだ。99歳で骨折するまで。ユカタン半島のピラミッドの階段を登り、ネパールでヘリコプターを楽しんでいた。エイスケとチェスをしたことなどを語ったそうだ。旅は隠れていた記憶を呼び起こす効果もあるのだ。
NHK「あの人に会いたい」では、98歳のときに、「不器用なんです。私は。だから今日まで続いたんだと思います」と語っているのが印象的だ。器用だとすぐにコツがわかってしまう感じがするが、そうではない。どんなことも深いのであり、不器用だと、時間をかけてその本質に迫っていくことでき、気がつくと長い時間をかけた熟練が身につくことになる。この点は私も深く共感する。器用じゃだめだ。不器用がいい。