「アクティブ・シニア倶楽部」主催の第1回「著者と語る会」を虎ノ門の金沢工大虎ノ門大学院で開催。久しぶりにリアルの素晴らしさを堪能した時間となった。教育現場の変貌、アクティブ・シニアの現在、そして元気な女性の活躍を知って参加者全員が元気をもらった。
- 冒頭は金沢工大国際高等専門学校の高田理尋さんによる高専の紹介。「英語の授業」「STEAM教育」「全寮制」「ニュージーランド留学」「大学3年編入」、、。
- 有澤和歌子(Denamark株式会社代表)『日本のアタリマエを変える学校たちーー誰もがインターナショナルスクールで学べるように』(新評社)。「N高・S高・R高」「バカロレア(ID)」「107校」。「くらぶち英語村」(高崎市)。「広島叡智学園」、インターナショナルスクールオブ長野」。「横須賀バイリンガルスクール」。、、、など日本を変える学校・施設の紹介。多様な教育現場の改革の様子がよくわかった。
- 中野裕子(ライター)『時代に愛された人たちーー一世を風靡した芸能人ら44人の声』(論創社)。「日刊ゲンダイ」の「あの人は今こうしている」の連載をまとめた本。下村満子83歳。桂米助74歳。松原のぶえ61歳。林寛子63歳。美樹克彦74歳。前田吟78歳。横峯貞郎62歳。吉沢京子69歳。サンコン73歳。芹洋子71歳、、、、、。有名人の現在とそれぞれのエピソードが面白かった。
有澤さん 中野さん
セミナー
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「名言との対話」9月24日。さいとう・たかお「その『正義』とやらはお前たちのだけの正義じゃないのか?」
さいとう・たかを(本名:齊藤 隆夫〈さいとう たかを〉]、1936年〈昭和11年〉11月3日 - 2021年〈令和3年〉9月24日)は、日本の漫画家。享年84。
和歌山生まれ、大阪府堺市出身。中学3年の時に手塚治虫の『新宝島』をみて、「あっ、紙で映画みたいなものをこしらえられる。これしかない」と感動し、鳥肌が立った。
1968年から連載を「ビッグコミック」に始めた『ゴルゴ13』は「劇画」ブームを巻き起こす。ベルリンの壁の崩壊、同時多発テロ、民族紛争など、現代世界を徹底的にリアルに描き、その中で活躍する架空のスナイパーを描いた。少年が読むものだった漫画を大人たちが読み始めた。風刺や笑いから、大人の鑑賞に堪える漫画の出現であった。骨太の『ゴルゴ13』は斎藤の代表作となった。
漫画は漫画家が1人で描くものだった。さいとうは脚本から作、下書き、構図作成、仕上げという作画までの工程に分業制というビジネスモデルを導入した。「さいとう・プロダクション」は、さいとう亡き後も、『ゴルゴ13』などの作品を続けている。これも分業制のたまものだろう。
NHKアーカイブス「あの人に会いたい」では「常に人間は善悪を自分の都合で考える。怖いのはその時代に乗っかった形で正義や悪を考えてしまうこと」と語っている。その考えを劇画の中で、主人公のデューク東郷(この命名は中学生の時に感銘を受けた教師に由来)に「その『正義』とやらはお前たちのだけの正義じゃないのか?」と語らせている。
さいとう・たかをの劇画は、ビジネスマンや政治家にもファンが多い。人間の語る「正義」の告発がテーマだ。いくつもの正義の中での生き方を問うているのだ。「機械の戦争になったら、破滅」というさいとう・たかをは、人類が全滅にいたらないように仕事に励んだのだ。現代世界のテーマを劇画という新しいスタイルを使って告発し、啓蒙していたのである。