イラク戦争開戦時の賛成論者と警鐘を鳴らした専門家の発言−−朝日新聞の「イラク 報道と言論」から

朝日新聞の「検証イラク 報道と言論」。14日と15日は、新聞主要五紙の社説の検証だった。

16日と17日は開戦当時の賛成派と反対派の言論の検証だった。


16日は、賛成論者二人。田中明彦東大教授と、山崎正和氏。


田中明彦(東大教授)

03年3月9日 毎日新聞「時代の風」から

・私にはアメリカを支持しない危険は日本にははかりしれないほど大きいと思う。

07年3月16日の現時点での考え

大量破壊兵器はなかったし、、、、。アメリカは自らの能力を過信してように見える。この事実をもとにすれば、03年3月の段階でブッシュ大統領フセイン政権を武力で転覆させようとした政治判断には、大きな疑問符がつく」

「あれほどアメリカ軍がイラク統治について準備不足だったことは、イラク大量破壊兵器がなかったと同様、私にとっては驚きだった。そこが見通せないのはおまえの目が節穴だったと言われればそうかな、という気はする」

「様々な、自由に表明された意見の一つとして、読者の考え方の参考になればよいというのが、メディアで作文させていただく意味だと思う」


山崎正和(劇作家)

03年3月7日 読売新聞から

・結局、一連の経過における政治的な道義性は米国の側にある。日本の対応で最も大事なのは、この道義性の観点から、米国の行動への明確な支持を表明することだ。

07年3月16日時点での考え

大量破壊兵器の最大の効果は、使うことではない。あるかないか分らないのが、ある意味で最大の「攻撃」だ。そういう「攻撃」は排除しないといけない。

「様々重なったものを、腑分けし、冷静に語るのが一人のモノを考える人間の仕事だ。整理するとこうなる、ということを、今回も一貫して述べてきただけだ」