初の「オーディオブック」を出版(?)

電子ブックの一種であるが、書物の内容を朗読し、それを耳で聞くというオーディオブックを使った学習の仕方が支持を広げつつある。新聞や雑誌などでも最近はその話題が載ることが増えてきた。ケータイ(携帯電話)で電子的に小説を「読む」という流れもあるが、こちらは「聞く」という方法だ。iPodなど携帯用の機器のレベルアップや使い勝手がよい機器が身近になったこともあって、そういうビジネスが頭をもたげつつある。
私も最近は、今年になって使い始めた「iPod touch」で、iTuneや購入したCDから講演録や本の中身を散歩しながら聞くようになった。小林秀雄茂木健一郎などの講演、白洲正子の本の朗読、陳瞬臣のものがたり史記岡倉天心の「茶の本」古今亭しん生の落語、ことば世界遺産、日本の名詩などを楽しんでいる。
Febeという配信会社のメルマガを朝読んでいたら、私の近著を朗読した電子ブックの販売のニュースがあり驚いた。そういえば、今年に入ってそういう話があったことを思い出した。早速、ネット上で1260円払って買って聞いてみた。(著者割引はないのかな?)全部を聞くには2時間57分という時間をかけねばならないのだが、プロの朗読者が気合を入れて読んでいるので、訴えかける力は強い。耳から聞くと新鮮で、書いた本人自身が啓発されるような不思議な感覚である。自己啓発の分野の本も耳で聞くのは向いていると思う。Febeのウェブでは「サンプル」という欄をクリックすると、内容の一部を聞くことができるのもいい。
製作元は「オトバンク」という名前で、ソフトバンクを連想させる面白いネーミングだ。こういった分野はまだ黎明期だろうが、通勤時間での活用や、ウオーキングなどの健康法との組み合わせ、文字離れといわれる世代への情報の浸透など、さまざまな可能性を感じさせる。

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http://www.febe.jp/top/index.html

残業はするな、「前業」をせよ!

* 著者:久恒啓一
* 価格:1260円(税込)
* 時間:2時間57分25秒
* 製作元:オトバンク
* 出版社:大和書房
* 出版日:2007年4月
* ナレーター:赤城進
* サンプル:

簡単な紹介:
「仕事もプライベートも、無理なくマイペースですすめられる」と、多忙なビジネスマンの間で話題騒然となっている「前業(ぜんぎょう)」。前作『通勤電車で寝てはいけない!』などで、新しい知的生産術への指針を示してきた久恒啓一が、常識のウソを指摘し、ビジネスマンとして本当に必要な知恵や秘訣を説き明かします。
今作も「仕事は公私混同」「上司に何でも相談する人ほど仕事ができない」「ライフプランはつくらない」「顧客満足よりも自己満足」「迷ったら"成功する方"でなく"どちらでもいい"」と、型破りな指南が並びます。
できるビジネスマンの実践ルールは現場に答えがある!「前業的思考回路」のひらめきは、多忙な日々に余裕を、私生活にゆとりを作り出す一助になります。

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