「せいせき多摩川花火大会」----開催か、中止かの決断は?

k-hisatune2008-08-05

「せいせき多摩川花火大会」が中止になった。毎年28万人ほどの観客を集める花火大会だ。観覧席の有料コーナーは4人で2万円近くするとか。ローソンでチケットを売っている。ちょうど私の自宅の目の前が会場なので楽しみにしていた。有料席よりはるかにいいロイヤルボックスから見る感じだろうということだったのだが、「第4回せいせき多摩川花火大会は、荒天及び川の水の増水のため中止になりました。安全確保のためですので、ご理解・ご協力をお願いいたします。」とのあいさつ文がHPに掲載されていた。http://hanabi.tama.jp/
駅から会場への道には、やきそば、ビール、お好み焼きなどの店が急きょ並び、浴衣を着た女性もおり、また場所確保の人たちも並んでいて、盛り上がっていたが、あきらめきれない人たちも多かったようだ。
荒天が予想されたが、朝10時には開催が決定した。遠くで雷が鳴っていたが午後4時ごろまでは何とか天気はもっていた。テレビでは都内に大量の雨が降ってマンホール作業をしていた人たちが流されたというニュースをやっていて不安。しかしなんとかやれそうだなと思っていた矢先に雨が降り出した。30分ほどすると、突然会場のマイクから「中止、順延なし」という連絡が流れてきた。今後の予報が悪いということと増水の恐れがあるとのことだった。雨は30分ほどで止み、元の曇天に戻って、その後はそのままその天気が深夜まで続いた。
「今日の花火大会の開催か、中止かという判断は、難しいだろうな」というのが朝起きた時の私の感想だった。大雨洪水注意報が出ていて、夜の初めの頃に大量の雨が降るという予報。しかし実際の天候はそれほど悪くない。数日前から始まった準備っも万端整っている。28万人の観客が楽しみにしている。こういう状況下でどのような判断を大会本部がするのだろうか、自分だったらどのように判断するだろうか、と考えながら大学を往復しながら推移を見守った。
結果は、あっけなく午後4時半頃に中止という判断だった。しかも予定されていた順延もしないというハードな判断となった。
本部、特に責任者も苦しいだろうし気の毒な立場ということに同情するが、あと30分判断を待てなかったかなあというのが私の感想だ。「だめかなあ、、」と観客が思い始めてきたところだったが、もう少し雨が降り続けると「仕方ない」という感じになったのではないだろうか。そして実際、後30分で雨があがったのだ。また、順延についての判断は翌日の朝でもよかったと思うがどうだろう。この文章を書いている今は翌日の朝6時半だが、天気はよく日が照っている。見たかったなあという表情の人たちが残念そうに会場あとをみやっている姿が多い。警察や消防、市役所などの行政の判断もあり、こういう場面では責任者は高度な決断が求められる。どういう状況だったか後で聞きたいものだ。

それでも集まった人たちで我が家の屋上で、残念会を催した。一人暮らしをしている娘と息子、娘の友達、そして私のゼミ生で、食事会をにぎやかにして、その後、近所で買ってきていた花火で楽しんだ。NHK「仕事の流儀」の特別編で宮崎駿を取り上げていたのでそちらが面白く、私は後半の花火には参加しなかったが、みんなそれなりに楽しんだ様子だった。
来年の「せいせき多摩川花火大会」を楽しみにしよう。

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この花火大会についての渡辺幸子市長の言葉を紹介してもらったので、以下に記します。

市民の力で復活・せいせき多摩川花火大会(平成17年8月)

 8 月10日夜、夏の風物詩「多摩川関戸橋花火大会」が「せいせき多摩川花火大会」として復活しました。当日まで心配だった天候にも恵まれ、無事に22万2千人の皆さんと共に4,600発の花火を楽しむことができました。市民の皆さんによる手作りの花火大会の実現に心から感謝いたします。
 悪天候で中止となった1昨年の花火大会から2年。
 あの多摩川の花火大会を復活させたいという共通の思いを胸に、平成17年4月28日、地元の商店会・自治会の皆さんが中心となり、花火大会実行委員会が立ち上がりました。
 実行委員の皆さんは、それぞれがお忙しい中、時間を割いて、短い期間に10数回の打ち合わせを重ね、ホームページの立ち上げ、大会名称・ロゴデザインの募集、ポスター・チラシの作成・配布、協賛金のとりまとめ、募金の呼びかけから当日の会場誘導まで、花火大会の実現に向けて力を尽くしてこられました。
 実行委員のメンバー以外の皆さんからも多くの協力をいただきました。
 大会名称は、市民による手作りの花火大会としての名称を公募した結果、猿谷淳(さるやきよし)さん(関戸在住)の作品「せいせき多摩川花火大会」となりました。
 同じく公募したロゴについてはプロのグラフィックデザイナーのますこまりさん(一ノ宮在住)の作品が採用され、ますこさんには無償でポスター・チラシのデザインもしていただきました。また、ホームページを立ち上げ、更新作業も担ってくれたのは、多摩大学の学生さんをはじめとしたボランティアです。
 花火をあげるためには多くの経費がかかります。資金面の応援も欠かすことはできません。市内の企業・団体や一般の方々から、合わせて2,100万円もの協賛金や募金をいただきました。
 当日は、多摩・府中・日野の各警察署・消防署と、消防団交通安全協会の皆さんの強力なご協力をいただき、総勢910人が誘導・警備に当たり、安全な大会運営をすることができました。
 多摩市も補助金の支出や関係諸機関との調整などお手伝いをさせていただきましたが、花火大会の主体はあくまで復活を願い、実現させた市民の皆さんです。
 江戸時代から続く老舗、丸玉屋小勝煙火店がプロデュースするドラマチックで芸術的な花火に沸き返る会場で、市民の皆さんと復活の喜びを分かち合えた夏の夜でした。
 そして、花火大会の翌日、8月11日朝6時半より、実行委員・周辺自治会の皆さんが、会場と周辺道路の清掃をし、ごみの分別をしてくださったこともお伝えします。
 今年の花火大会は終わりましたが、来年に向けて、実行委員会では、写真展を企画しています。ぜひご応募ください。
 来年の夏も、多摩川に美しい花火があがることを願ってやみません。

平成17年8月12日
  多摩市長  渡辺 幸子